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職場の陰口に疲れたときの対処法 聞かされる側と言われる側それぞれの守り方

職場の陰口に疲れたときの対処法 聞かされる側と言われる側それぞれの守り方

休憩室に入ると、また誰かの陰口が始まっている。相槌を求められて、否定もできずに曖昧に笑ってやり過ごす。

あるいは、自分に聞こえるように、わざと不満を口にする人がいる。仕事そのものより、職場の空気に疲れてしまう。

この記事は、そうした悩みを抱えている方に向けて書いています。

陰口がなぜ職場で生まれやすいのかを整理したうえで、陰口を聞かされる側と、陰口を言われる側、それぞれの立場でできる対処を順番に見ていきます。

陰口が度を越えて、職場のハラスメントにあたる場合の考え方と相談先にも触れます。読み終えたときに、明日の職場で試してみることが1つ決まっている。

そこをこの記事のゴールにしています。

目次

Q&Aサイトに並ぶ、同じ悩み

先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。

投稿者は、人の悪口や陰口が飛び交う場所が苦手な方でした。もともと人の言動にいらいらすることは少なく、変わった人がいても「こういう人なんだな」と受け流せる。

ところが、職場に、人との会話がほぼ陰口でできているような先輩がいる。しかも、周りに共感を求める話し方をしてくる。

まったく共感できなくても、相手が先輩なので否定もできず、曖昧な相槌でその場を乗り切っている。それが本当につらい。

みなさんはどう乗り越えていますか、という内容です。

同じQ&Aサイトには、立場の違う投稿も並んでいました。職場に、直接話しかけてくるわけではないのに、明らかにこちらに向けた文句を聞こえるように口にする人がいる。

無視すると声が大きくなり、周りを巻き込もうとする。どう対応すればよいのか分からない、という相談です。

ほかにも、「悪口を言っている人を見ると、この人は私のことも周りに話しているのだろうと思ってしまう」「職場の全員が陰口ばかりで、事務所にいるだけで頭が痛くなる」といった声がありました。

陰口がつらいのは、自分に関係がなくても疲れるから

投稿を読んでいくと、陰口のつらさには2つの種類があることが分かります。1つは、自分以外の誰かの陰口を聞かされるつらさです。

もう1つは、自分が陰口の対象にされるつらさです。

自分が対象でなくても、陰口を聞かされ続けると、心は確実に疲れていきます。相槌を打つたびに、自分も陰口に加わっているような後ろめたさが残ります。

否定すれば、次は自分が標的になるかもしれないという不安もあります。そして、陰口を言う人を見ていると、自分がいないところで自分も同じように言われているのではないか、という疑いが消えなくなります。

自分が対象にされる場合は、なおさらです。聞こえるように言われる不満は、直接言われるより反論しにくく、誰にも相談しにくいものです。

気のせいだと言われるのではないか、大げさだと思われるのではないか。そう考えて、一人で抱え込んでしまう人が少なくありません。

証拠が残りにくいことも、相談をためらわせる理由の1つです。

陰口の場面 起きていること 心に残るもの
休憩中に誰かの陰口を聞かされる 共感を求められる 相槌を打った後ろめたさ
先輩が後輩の陰口を言う 立場の差で否定できない 次は自分かもしれない不安
自分に聞こえるように文句を言われる 名指しされず反論できない 誰にも相談しにくい孤立感
自分のいない場で陰口を言われている 人づてに耳に入る 周りを信じられなくなる
職場全体が陰口で回っている 陰口が会話の中心になっている 職場にいるだけで疲れる

表のどの場面に自分が近いかによって、とるべき対処は変わります。この記事では、上の2行を「聞かされる側」、真ん中から下の場面を「言われる側」として、分けて考えていきます。

陰口に悩むのは、珍しいことではない

職場の人間関係の悩みの中でも、陰口はとくに身近なものです。Q&Aサイトには同じような相談が繰り返し投稿され、「職場 陰口」で検索すると、「対処法」「ばかり言う人」「ハラスメント」といった言葉が続いて出てきます。

それだけ多くの人が、同じところで立ち止まっているということです。

悩んでいる自分が弱いわけでも、神経質すぎるわけでもありません。陰口が飛び交う環境は、誰にとっても居心地のよいものではありません。

まずは、自分が疲れていることを認めるところから始めてください。

疲れを認めると、次に何をすればよいかが考えやすくなります。陰口を聞く時間を減らすのか、言われている状況を誰かに伝えるのか、しばらく距離を置くのか。

どれを選ぶかは、この先の章を読みながら、自分の状況に合わせて決めていけば大丈夫です。

なぜ職場では陰口が生まれやすいのか

陰口を言う人は、もともと性格が悪い人だけとは限りません。職場という場所の仕組みそのものに、陰口が生まれやすい条件がそろっています。

仕組みが分かると、陰口を言う人への見方が少し変わり、自分の受け止め方も変えやすくなります。

共通の相手をつくると、仲間意識が生まれる

陰口には、話している人同士の距離を縮める働きがあります。同じ人に不満を持っていることを確かめ合うと、「自分たちは同じ側にいる」という感覚が生まれます。

職場で居場所を確かめたい人ほど、陰口を通じて仲間をつくろうとします。

Q&Aサイトの投稿者が困っていた先輩が、周りに共感を求める話し方をしていたのは、まさにこの働きによるものです。陰口そのものより、「分かってくれる人がいる」という安心を求めていることが多いのです。

そう考えると、相槌を打たずにいる人は、その安心を脅かす存在に見えてしまいます。否定しにくいのは、そのためです。

評価や不満を、正面から言える場がない

職場には、不満を正面から伝えにくい事情があります。上司の判断に納得がいかない、同僚の仕事ぶりに不満がある、自分の頑張りが評価されていないと感じる。

こうした気持ちを、本人や上司に直接伝える場がなかったり、伝えても変わらないと感じていたりすると、不満は陰口という形で横に流れていきます。

聞こえるように文句を言う人も、同じ事情を抱えていることがあります。直接言えば角が立つ、言っても変わらない。

それでも不満は伝えたい。そうした気持ちが、名指しせずに聞こえるように言う、という形になります。

もちろん、事情があるからといって、聞かされる側が我慢しなければならない理由にはなりません。

人の入れ替わりが少ない職場ほど、陰口が根づく

人の入れ替わりが少なく、同じ顔ぶれで長く働く職場では、人間関係が固まりやすくなります。古くからいる人の間でできた空気は、新しく入った人には変えにくいものです。

陰口が会話の中心になっている職場では、新しく入った人も、その空気に合わせなければ浮いてしまうように感じます。

職場の条件 陰口が生まれる理由 聞かされる人が感じること
仲間意識を確かめたい人がいる 共通の相手で距離を縮める 共感を求められて断りにくい
不満を正面から言える場がない 不満が横に流れる 聞こえるように言われて反論できない
人の入れ替わりが少ない 固まった空気が変わらない 合わせないと浮いてしまう
忙しく余裕がない いらだちの出口になる 休憩中まで気が休まらない
評価の基準が見えにくい 他人と比べて不満がたまる 自分も比べられている気がする

表の左の列を見ると、陰口の多くは、職場の仕組みや余裕のなさから生まれていることが分かります。陰口を言う人を変えるのは難しくても、自分の受け止め方と、身の守り方は変えられます。

国の調査で見る、職場のハラスメントと「何もしなかった人」

陰口の中には、ただの愚痴の範囲を越えて、職場のハラスメントにあたるものもあります。厚生労働省が委託して行った令和5年度の「職場のハラスメントに関する実態調査」では、過去3年間に勤務先でパワハラを受けたと答えた労働者は19.3%でした。

およそ5人に1人です。

同じ調査は、ハラスメントを受けたあとにどうしたかも尋ねています。報告書には、次の一文があります。

「パワハラ、セクハラを受けた後の行動としては、『何もしなかった』(それぞれ36.9%、51.7%)が最も多く」

パワハラを受けた人の3人に1人以上が、誰にも相談せず、何もしなかったということです。パワハラの次に多かったのは、家族や社外の友人に相談した人で、19.3%でした。

社内の相談窓口に相談した人は、ごくわずかにとどまっています。

何もしないまま抱え込むと、何が起きるか

陰口やハラスメントを受けても何もしない人が多いのは、相談しても変わらないと思っている、相談したことが知られて状況が悪くなるのが怖い、自分が大げさなだけかもしれないと思う、といった理由からです。どれも、よく分かる気持ちです。

ただ、何もしないまま抱え込むと、疲れは少しずつたまっていきます。眠れない、朝になると職場に行くのがつらい、休みの日も職場のことを考えてしまう。

こうした状態が続くときは、陰口の問題を越えて、心と体を守ることを優先してください。後の章で、相談先についても触れます。

受けたあとの行動(パワハラ) 割合 読み取れること
何もしなかった 36.9% 3人に1人以上が一人で抱えている
家族や社外の友人に相談した 19.3% 職場の外に話せる人がいることが支えになる
社内の同僚に相談した 18.3% 職場の中に味方を見つけた人もいる
社内の上司に相談した 17.9% 上司に届いた人は5人に1人に満たない

表の数字は、同じ調査の報告書の図表から引いています。職場の外に話した人と、職場の中の同僚や上司に話した人が、ほぼ同じくらいずついることも分かります。

社内の相談窓口に相談した人は4.5%でした。

ついやってしまいがちな対応と、その先

陰口に悩んだとき、とっさに選びやすい対応があります。どれも、その場をやり過ごすには役に立ちます。

ただ、続けていくと、自分をさらに苦しくすることがあります。

相槌を打って同調する

共感を求められたとき、否定もできずに「そうですね」と相槌を打つ。Q&Aサイトの投稿者がしていたのは、この対応でした。

その場の空気は保たれ、相手との関係も悪くなりません。

ただ、同調を続けると、相手からは「この人は分かってくれる」と見なされ、陰口を聞かされる回数が増えていきます。気がつくと、陰口の輪の中にいる一人として、周りから見られるようになります。

陰口の対象になっている人からも、同じ側の人だと思われてしまうかもしれません。相槌を打つたびに残る後ろめたさは、少しずつ心を重くしていきます。

正面から注意する

反対に、「そういう話はやめましょう」と正面から注意する人もいます。正しい行動ですし、それで陰口が止まる職場もあります。

ただ、相手が先輩や上司であったり、職場全体が陰口で回っていたりする場合、正面からの注意は、自分が次の標的になるきっかけにもなります。

注意された側は、自分が責められたと感じ、注意した人を「空気の読めない人」として陰口の対象にすることがあります。正面から注意するのは、職場の中に味方がいるときや、上司の後ろ盾があるときに限ったほうが安全です。

何も言わずに我慢し続ける

陰口を聞き流し、何も言わずに我慢する。自分さえ耐えていれば、波風は立たない。

そう考えて、長い間我慢を続ける人も多くいます。先ほどの調査で、パワハラを受けても何もしなかった人が最も多かったことと重なります。

我慢は、短い間なら自分を守る方法になります。けれども、我慢を続けると、疲れは表に出ないまま積み重なります。

ある日突然、職場に行けなくなったり、体に不調が出たりすることもあります。我慢するなら、期限を決めて、その間に別の手を打つ準備をしておくことが大切です。

陰口で仕返しをする

自分が陰口の対象にされたとき、同じように相手の陰口を言い返したくなる気持ちは自然なものです。味方になってくれそうな同僚に、相手の悪いところを話して、自分の正しさを確かめたくなることもあります。

ただ、陰口で仕返しをすると、職場の中では「どちらも同じ」と見られてしまいます。後で相談窓口や上司に相談するときにも、自分の立場が弱くなります。

つらい気持ちを話すなら、職場の外の家族や友人に話すほうが、自分を守ることにつながります。

よくある対応 その場で起きること 続けると起きること 代わりにできること
相槌を打って同調する 空気が保たれる 陰口の輪の一員と見られる 同意も否定もしない返し方を使う
正面から注意する 陰口が止まることもある 次の標的になることがある 味方や後ろ盾があるときに限る
何も言わずに我慢する 波風が立たない 疲れが表に出ずにたまる 期限を決めて準備をする
陰口で仕返しをする 気持ちが一時的に晴れる 自分の立場が弱くなる 職場の外で気持ちを話す

表の右の列が、次の章で詳しく見ていく対処の入口になります。

陰口を言う人は変えられない、と割り切る

陰口に悩む人の多くは、陰口を言う人に変わってほしいと願っています。どうしてあんなことを言うのか、どうすればやめてくれるのか。

そう考え続けるほど、相手の言動が気になり、心が相手に縛られていきます。

変えられるのは、自分の距離の取り方

陰口を言う人の考え方や話し方を変えるのは、とても難しいことです。長い年月をかけてできあがった習慣であり、先ほど見たように、仲間意識や不満の出口として、その人にとって役に立っていることもあるからです。

変えられるのは、自分と相手との距離の取り方です。陰口が始まったときにどう返すか、どこまで付き合うか、どこから離れるか。

距離の取り方を決めておくと、相手が同じことを言っても、自分の受けるダメージは小さくなります。

「職場の人間関係」の範囲を決めておく

職場の人とは、仕事を一緒に進められる関係であれば十分です。休憩中も一緒に過ごす、仕事のあとも付き合う、プライベートの話をする。

こうしたことは、仕事の関係の外にあるものです。陰口の多い職場では、仕事の関係の範囲を少し狭めて、休憩中や仕事のあとの時間を自分のために使うことも、立派な身の守り方です。

範囲を狭めても、挨拶や仕事の連絡を丁寧に続けていれば、仕事の関係は保てます。むしろ、陰口の輪から少し離れた位置にいる人は、職場の中で「中立の人」として信頼されることもあります。

陰口を聞かされる側の対処法

ここからは、立場ごとの対処を見ていきます。まずは、自分以外の誰かの陰口を聞かされる側です。

同意も否定もしない返し方を持っておく

陰口に共感を求められたとき、同意も否定もしない返し方をいくつか持っておくと、その場を落ち着いてやり過ごせます。

たとえば、「そうなんですね」「そういうこともあるんですね」と、相手の話を聞いたことだけを伝える返し方があります。「そうですよね」と同意すると陰口に加わったことになりますが、「そうなんですね」なら、話を受け止めただけで、意見は言っていません。

「私はあまり関わりがないので、よく分からないです」と、自分の知らないことにしてしまう返し方もあります。

大切なのは、毎回同じ返し方を続けることです。同意も否定もしない返事が続くと、相手は「この人に話しても手応えがない」と感じ、陰口を持ちかける回数が自然と減っていきます。

話題を仕事に戻す

陰口が始まったら、仕事の話に切り替えるのも有効です。「そういえば、明日の会議の資料ってもうできていますか」「さっきの件、確認したいことがあって」。

仕事の話は、誰も断りにくい話題です。何度か続けていると、相手は「この人とは仕事の話をするもの」と覚えていきます。

その場から離れる理由を用意しておく

陰口が長くなりそうなときは、その場から離れる理由を用意しておきます。電話をかける用事がある、片付けたい仕事がある、飲み物を買いに行く。

休憩の場所や時間を少しずらすだけでも、陰口に付き合う時間は大きく減ります。

離れるときは、相手を責める態度を見せずに、自然に離れるのがこつです。「ちょっと失礼します」と一言添えて離れれば、相手を否定したことにはなりません。

陰口を言われる側の対処法

次に、自分が陰口の対象にされている側です。聞こえるように文句を言われる、自分のいない場で悪く言われている、といった場合です。

まず記録をつける

いつ、どこで、誰が、何を言ったのかを、できるだけその日のうちに記録しておきます。聞こえるように言われた言葉、周りにいた人、自分がそのときどう感じたか。

スマートフォンのメモや手帳で十分です。

記録は、後で上司や相談窓口に相談するときの一番の材料になります。気のせいだと言われないためにも、大げさだと思われないためにも、具体的な記録があるかどうかで、相談の受け止められ方は大きく変わります。

記録をつけることで、自分の頭の中を整理でき、気持ちが少し落ち着くという効き目もあります。

職場の中に、信頼できる人を1人見つける

陰口の対象にされると、職場の全員が敵に見えてしまうことがあります。けれども、実際には、陰口に加わっていない人、陰口を苦々しく思っている人もいるはずです。

職場の中で、信頼できそうな人を1人見つけて、少しずつ話してみます。

味方が1人いるだけで、職場での孤立感はずいぶん和らぎます。その人が、陰口の場面を見ていてくれることもあります。

上司に相談するときに、同じことを見ていた人がいれば、話の信頼度も上がります。

陰口がハラスメントにあたるかを考える

陰口が長く続き、仕事にも支障が出ている場合は、職場のハラスメントにあたるかどうかを考えます。厚生労働省のパワハラの指針では、パワハラの要件の1つである「優越的な関係を背景とした」言動の例として、上司からの言動のほかに、次のものが挙げられています。

「同僚又は部下からの集団による行為で、これに抵抗又は拒絶することが困難であるもの」

つまり、相手が上司でなくても、同僚が集団で行う陰口や嫌がらせで、抵抗することが難しいものは、パワハラにあたる可能性があります。同じ指針では、パワハラの典型的な例の1つとして「人間関係からの切り離し」を挙げ、その例として「一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させること」を示しています。

陰口がこうした状態にまで広がっているなら、一人で抱える段階はもう過ぎています。記録を持って、次に見る相談先に相談してください。

状態 考えられること 次にすること
一人の同僚がときどき陰口を言う 職場の人間関係の問題 距離を取り、記録をつけ始める
聞こえるように文句を言われ続ける 状況によってはハラスメントの入口 記録を持って上司に相談する
同僚が集団で陰口を言い、無視する パワハラにあたる可能性がある 社内の窓口や外部の相談先に相談する
陰口のせいで仕事を外される パワハラにあたる可能性がある 記録を持って窓口に相談する
眠れない、職場に行けない 心と体に負担が出ている 医療機関や専門の相談先に相談する

相談先を知っておく

陰口やハラスメントの相談先は、社内と社外の両方にあります。どこに相談するかは、状況と、自分が何を望んでいるかによって選びます。

社内の相談先

最初に考えるのは、直属の上司、さらにその上の上司、人事の担当、社内のハラスメントの相談窓口です。パワハラの防止のための措置は、法律で事業主に義務づけられており、会社は相談の窓口を設けることになっています。

相談したことを理由に不利な扱いをすることも、法律で禁止されています。

社外の相談先

社内に相談しにくい場合や、社内で相談しても変わらない場合は、社外の相談先があります。各都道府県の労働局などに設けられている総合労働相談コーナーでは、職場のいじめや嫌がらせを含む労働問題の相談を受け付けています。

心の不調が気になる場合は、厚生労働省の働く人の心の健康のための情報サイト「こころの耳」で、相談の窓口を探すこともできます。

相談先 向いている場面 相談の前に準備すること
直属の上司 上司が陰口に加わっていない場合 記録と、どうしてほしいかの希望
社内の相談窓口 上司に相談しにくい場合 記録と、見ていた人の名前
総合労働相談コーナー 社内で解決しない場合 記録と、社内で相談した経過
心の健康の相談窓口 眠れない、つらさが続く場合 今の体調と、いつから続いているか
家族や社外の友人 気持ちを整理したい場合 特になし。話すことから始める

陰口に振り回されない心の持ち方

対処法を知っていても、陰口を聞くたびに心がざわつくことはあります。最後に、陰口に振り回されにくくなるための心の持ち方を見ていきます。

陰口は、言う人の状態を映している

陰口の多くは、言われている人のことより、言っている人の状態を映しています。不満がたまっている、自分の居場所に不安がある、認めてもらえていないと感じている。

そうした気持ちが、他人の悪いところを探す言葉になって出てきます。

自分が陰口の対象にされたときも、この見方は役に立ちます。言われている内容が正しいかどうかより、言っている人が何に困っているのかを考えると、言葉をそのまま受け止めずに済みます。

もちろん、だからといって陰口を我慢しなければならないわけではありません。心の距離を取るための見方として、持っておいてください。

職場の外に、自分の居場所を持つ

職場での人間関係に疲れているときほど、職場の外の居場所が支えになります。家族、友人、趣味の仲間、地域の集まり。

職場の外に、自分を分かってくれる人がいると、職場での出来事を少し離れたところから見られるようになります。先ほどの調査でも、パワハラを受けた人の相談先として、家族や社外の友人が、何もしなかったの次に多く挙がっていました。

休みの日は、職場のことを考えない時間を意識してつくります。体を動かす、好きなものを食べる、よく眠る。

当たり前のことですが、疲れているときほど後回しにしがちです。

離れる選択肢も、持っておいてよい

対処を尽くしても状況が変わらず、心や体に不調が出ているなら、部署の異動を願い出る、休職する、転職を考える、といった離れる選択肢も持っておいてください。

Q&Aサイトには、転職しても同じ環境だったら終わりがない、という声もありました。確かに、陰口がまったくない職場を見つけるのは難しいかもしれません。

けれども、陰口が会話の中心になっている職場と、ときどき愚痴が出る程度の職場とでは、過ごしやすさはまったく違います。

離れることは、逃げることとは違います。自分の心と体を守るための、立派な判断です。

よくある質問

Q. 陰口に相槌を打ってしまったのですが、自分も悪いのでしょうか

その場をやり過ごすための相槌は、職場ではよくあることです。自分を責める必要はありません。

次からは、「そうなんですね」のように、同意も否定もしない返し方に少しずつ切り替えていけば十分です。

Q. 聞こえるように文句を言う人に、直接やめてほしいと伝えてもよいですか

伝えてもかまいません。ただ、相手が感情的になりやすい人の場合は、1対1で伝えるより、上司に同席してもらうか、上司から伝えてもらうほうが安全です。

伝える前に、記録をつけておくと、話が具体的になります。

Q. 陰口を上司に相談したら、告げ口だと思われませんか

仕事に支障が出ていることを伝える形で相談すれば、告げ口とは受け取られにくくなります。「誰それが悪口を言っている」と伝えるより、「こういう言葉を聞こえるように言われていて、仕事に集中しにくい」と、自分が困っていることを中心に伝えてください。

Q. 職場全体が陰口ばかりで、味方が見つかりません

職場の中に味方が見つからないときは、職場の外に相談先を持ってください。家族や友人のほかに、総合労働相談コーナーのような社外の窓口もあります。

職場全体の空気は一人では変えにくいので、自分の身を守ることを優先して構いません。

Q. 陰口を気にしないようにするには、どうすればよいですか

気にしないようにしようとするほど、かえって気になるものです。気にしないことを目指すより、陰口を聞く時間を減らすこと、職場の外に気持ちを切り替えられる時間を持つことを目指してください。

聞く時間が減れば、気になる回数も自然に減っていきます。

明日からできること

陰口に疲れているなら、明日の職場で次のことを1つだけ試してみてください。

立場 明日からできること 続けると変わること
聞かされる側 「そうなんですね」と返す 陰口を持ちかけられる回数が減る
聞かされる側 休憩の時間を少しずらす 陰口に付き合う時間が減る
言われる側 その日のうちに記録をつける 相談するときの材料がそろう
言われる側 信頼できそうな人に挨拶を増やす 職場の中に味方ができる
どちらでも 休みの日に職場のことを考えない時間をつくる 疲れがたまりにくくなる

全部を一度に試す必要はありません。自分の立場に近い行から、1つだけ選んでみてください。

まとめ

職場の陰口は、仲間意識を確かめたい気持ちや、正面から言えない不満から生まれやすく、陰口を言う人を変えるのは簡単ではありません。厚生労働省の調査では、パワハラを受けた人の36.9%が何もしなかったと答えており、職場の人間関係のつらさを一人で抱えている人が多いことが分かります。

聞かされる側は、同意も否定もしない返し方を持ち、話題を仕事に戻し、その場から離れる理由を用意しておく。言われる側は、記録をつけ、職場の中に信頼できる人を見つけ、陰口がハラスメントにあたるかを考える。

集団での陰口や無視は、同僚からのものでもパワハラにあたる可能性があります。その場合は、記録を持って社内や社外の相談先に相談してください。

まずは明日、陰口が始まったときに「そうなんですね」と返してみるところから始めてみてください。

職場の人間関係に疲れたときに

相手との距離の取り方や、角を立てない伝え方は、本で型を知っておくと、いざというときに言葉が出やすくなります。気になるものから探してみてください。

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