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子育てに疲れたと感じる親へ 自分を責めずに休める形をつくる考え方と頼れる公的な窓口

子育てに疲れたと感じる親へ 自分を責めずに休める形をつくる考え方と頼れる公的な窓口

朝から「ママ」「パパ」と何十回も呼ばれ、返事をする前に次の呼びかけが重なる。

散らかったおもちゃを片づけ終わった瞬間に、また別の箱がひっくり返される。

子どもはかわいいはずなのに、最近はかわいいと思えない日のほうが多い。

そんな自分に気づいて、夜にひとりで落ちこんでいる。

この記事は、未就学児から小学生くらいまでの子どもを育てていて、毎日の育児に疲れ切っている親の方に向けて書いています。

ワンオペで回している方も、共働きで仕事と家のことを行き来している方も、どちらも読者として想定しています。

前半では、子育ての疲れがどこから来ているのかを、いくつかの種類に分けて整理します。

後半では、疲れた親がついやってしまうことと、家の中で今日から変えられること、そして公的な制度や相談の窓口を表にまとめています。

読み終えたときに、自分を責める時間が少し減り、今週どこで休むかが1つ決まっている。

そこを、この記事のゴールにしています。

目次

「恵まれているのに疲れる私は弱い」というQ&Aサイトの相談

先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。

2歳と4歳のきょうだいを育てる母親の声

投稿者は、2歳の娘と4歳の息子を育てているお母さんでした。

きょうだいは仲がいいときもあるけれど喧嘩が多く、毎日くり返される「ママ」という呼びかけが、正直つらく感じてしまう。

子どもたちが楽しそうにおしゃべりしている声でさえ、耳に刺さってイライラする日がある、と書かれていました。

下の子はイヤイヤ期のまっただ中で、上の子はおしゃべりが止まらない。

夫と話していても息子が割りこんできて、「少し待ってね」と言うと泣いて怒り出すので、夫婦でゆっくり話す時間がほとんど取れない。

それが小さなストレスとして積もっている、という内容でした。

「私より大変な人はたくさんいるのに」という自責

投稿者は、週に3日、1日4時間のパートで働いていて、昼間は子どもたちを保育園に預けているそうです。

だからこそ、フルタイムで働くお母さんたちは本当にすごい、私はとても恵まれている側だ、と何度も書いていました。

それなのに子育てに疲れてしまう自分が嫌で、きっと私が弱すぎるのだろう、と自分を責めていました。

性格は完璧主義で、おもちゃが散らかっていればすぐに片づけ、休みの日も家のことをしてしまって横になれない。

休みたいのに休めないという矛盾を夫に分かってもらえず、「そんなに疲れるなら何もするな」と言われても、やっぱり体が動いてしまう。

さらに、時間に追われて子どもを急かしてばかりいること、うっかりが多くて自分を信用できないことも、つらさとして挙げられていました。

回答に寄せられた言葉

この相談には、いくつかの回答が寄せられていました。

ある回答者は、子育てに強いも弱いも無い、人それぞれに受け止められる量があって、質問者はその量を超えてしまったのかもしれない、と寄り添っていました。

別の回答者は、自分も同じだったと打ち明けたうえで、手を抜きたいのに抜きどころが分からないのは考え方の癖で、少しずつ手放せるようになった、と書いていました。

子どもがいれば独身のころと同じ結果は出せない、頑張りが足りないせいとは違う、単に人が増えたからだ、という回答もありました。

寝かしつけのあとは夫に任せて、イヤホンで好きな音楽を流しながら家事をすると気持ちが切り替わる、という具体的な工夫を書いている人もいました。

子育てに疲れたのは、あなたが弱いからではない

この相談を読んで、多くの親が似たところでつまずいていると感じました。

疲れていることそのものより、「この程度で疲れる自分はおかしい」と考えることのほうが、心を削っているのです。

「恵まれている」は、疲れない理由にならない

パートの時間が短い、保育園に預けている、夫が子どもと遊んでくれる。

こうした条件があっても、家にいる時間の子育ては、それとは別に続いています。

疲れの量は、誰かと比べて決まるものと違います。

自分の体と心がどれだけの負荷を受けているかで決まります。

他の家庭の大変さを思い浮かべて自分の疲れを打ち消そうとしても、疲れそのものは消えません。

むしろ「疲れてはいけない」という見張りが1つ増えて、休むことがいっそう難しくなります。

子育ては、終わりの見えない仕事が重なる

仕事なら、退勤の時刻があり、休憩があり、担当の範囲があります。

子育てには、そのどれもがはっきりとはありません。

食事を出して片づけたら次の食事の準備、着替えさせたら汚れてまた着替え。

一つひとつは小さな作業でも、区切りのないまま1日じゅう続くと、体より先に頭が疲れていきます。

「いつまで続くのだろう」という気持ちが出てくるのは、終わりの見えない状態に置かれた人として、ごく自然な反応です。

疲れのサインを、責める材料にしない

子どもをかわいいと思えない、声を聞くだけでイライラする、何もしたくないのに体が勝手に家事に向かう。

こうした状態は、性格の欠点と考えるより、休みが足りていないという知らせとして受け取るほうが、ずっと早く楽になれます。

かわいいと思えない日があっても、それで親として失格になるわけではありません。

疲れているときに愛情を感じにくくなるのは、多くの親が経験していることです。

今のあなたの状態 心の中で起きていること まず試したいこと
「この程度で疲れるなんて」と思う 他の家庭と比べて、自分の疲れを打ち消そうとしている 比べるのをやめ、今日の自分の疲れ具合だけを見る
子どもの声や呼びかけがつらい 音と呼びかけに、休みなく反応し続けている 1日のどこかに、静かな時間を5分だけつくる
休みの日も家事をしてしまう 「やらなきゃ」という見張りが止まらない やらない家事を1つだけ決める
子どもがかわいいと思えない 疲れで、気持ちを感じる力が落ちている 責める前に、ゆうべ何時間眠れたかを振り返る
夫婦で話す時間がない 大人と話して気持ちをほどく場がない 子どもが寝たあとの10分を、話す時間として決める

表のどの行に近いかを1つ選んでおくと、この先の話を自分に当てはめやすくなります。

子育ての疲れは、5つの種類に分けられる

「疲れた」とひと言で言っても、中身は人によって、日によって違います。

体が重いのか、頭がいっぱいなのか、気持ちがすり減っているのか。

種類を見分けられると、効く休み方が変わってきます。

ここでは、子育ての疲れを5つに分けて見ていきます。

体の疲れ 眠りが細切れになっている

夜中に起こされる、朝早く起こされる、寝かしつけのあとに家事をして寝るのが遅くなる。

子どもが小さいうちは、まとまって眠れる日のほうが少ないかもしれません。

眠りが細切れになると、時間の合計が足りていても、疲れが抜けきらないまま朝を迎えます。

抱っこやおんぶ、しゃがんでの着替えの手伝いなど、体を使う場面も1日の中に何十回とあります。

体の疲れがたまると、いつもなら流せる子どもの言動にも、強く反応しやすくなります。

音と呼びかけの疲れ 休みなく反応し続けている

相談者が書いていた「子どもの声が耳に刺さる」という感覚は、決して珍しいものではありません。

子どもは、話しかけ、泣き、叫び、笑い、きょうだいで言い合いをします。

親はそのたびに、危なくないか、呼ばれていないかを無意識に聞き分けています。

この聞き分けは、ずっと続くと、静かな作業を長くしたときとは別の種類の疲れになります。

「ママ」「パパ」と呼ばれるたびに手を止め、返事をし、また作業に戻る。

これを1日に何十回とくり返していると、何もしていない時間にも、頭が休まらなくなります。

頭の疲れ 段取りと見守りが途切れない

保育園や学校の持ち物、提出物、予防接種や健診の日程、夕飯の献立、日用品の残り。

子育て中の親の頭の中には、いつも細かい予定と用事のリストが走っています。

小学生になると、宿題の確認、時間割、習い事の送り迎えなど、管理することがさらに増えます。

それに加えて、子どもがけがをしないか、危ない場所に近づいていないかを見守り続ける必要もあります。

この見守りは、体を動かしていなくても、頭の中ではずっと働いている状態です。

相談者が書いていた「注意が足りない」「うっかりが多い」という悩みも、頭が休まらない状態が長く続いていることと無関係ではないかもしれません。

心の疲れ 自分を責める時間が長い

怒ってしまった、急かしてしまった、ちゃんと見ていられなかった。

1日の終わりにそうした場面を思い返して、自分を責める時間が長くなっていませんか。

他の親が笑顔で子どもに話しかけている姿を見て、自分と比べてしまう人もいます。

心の疲れは、体を休めても抜けにくいのが特徴です。

横になっていても頭の中で反省会が続いていると、休んだ気がしないまま次の日が来ます。

寂しさの疲れ 大人と話す時間がない

相談者は、夫との会話が少しのストレス発散になっていたのに、子どもが割りこんでくるので話せない、と書いていました。

日中に話す相手が子どもだけになると、気持ちを言葉にして外に出す場がなくなります。

大人どうしの会話には、自分の考えを整理したり、笑って気持ちを軽くしたりする働きがあります。

その時間が減ると、体はそれほど動いていなくても、気持ちがしぼんでいくような疲れ方をします。

疲れの種類 よくあるサイン 効きやすい休み方
体の疲れ 朝から体が重い、昼に強い眠気がくる 昼寝や早寝で、まとまった眠りを取り戻す
音と呼びかけの疲れ 子どもの声が耳に刺さる、返事をするのがつらい 静かな場所で、5分でも音から離れる
頭の疲れ 忘れ物やうっかりが増える、何から手をつけるか決められない 予定を紙に書き出して、頭の外に置く
心の疲れ 夜に反省会が止まらない、他の親と比べてしまう できたことを1つだけ書き留めてから眠る
寂しさの疲れ 誰かと話したいのに話せない、気持ちがしぼむ 大人と話す時間を、予定として先に入れる

自分の疲れがどの種類に近いかが分かると、同じ30分の休みでも、使い道を選べるようになります。

子どもの年齢で、重くなる疲れが違う

同じ「子育て疲れ」でも、子どもの年齢によって、重くのしかかる部分は違います。

いま自分がどの時期にいるのかを知っておくと、「今だけ」と思える部分と、手を打ったほうがいい部分を分けて考えられます。

1歳から3歳ごろ 目が離せない時期

歩けるようになり、何でも口に入れたり、高いところに登ったりする時期です。

自分でやりたい気持ちが強くなり、思いどおりにならないと泣いて怒る、いわゆるイヤイヤ期も重なります。

体の疲れと見守りの疲れが、いちばん大きくなりやすい時期と言えます。

4歳から6歳ごろ おしゃべりと質問が止まらない時期

言葉が増えて、一日じゅう話しかけてくる子も多くなります。

「なんで」「どうして」の質問が続き、きょうだいがいれば言い合いや取り合いも増えます。

体の負担は少し軽くなる一方で、音と呼びかけの疲れが前に出てきやすい時期です。

小学生 管理と送り迎えが増える時期

身の回りのことは自分でできるようになりますが、宿題、持ち物、習い事、友だちとの約束など、親が把握しておくことが一気に増えます。

朝の支度で毎日急かすことになり、時間に追われる疲れを感じる人も多くなります。

子どもが学校で困っていないか、気持ちの面で気にかける場面も出てきます。

子どもの年齢 重くなりやすい疲れ 意識したいこと
1歳から3歳ごろ 体の疲れ、見守りの疲れ 危なくない環境をつくり、見張る範囲を狭くする
4歳から6歳ごろ 音と呼びかけの疲れ、きょうだいの喧嘩 返事を短くする工夫と、静かな時間を持つ
小学1年から3年ごろ 段取りの疲れ、朝の支度の疲れ 持ち物や予定を、子どもと一緒に見える形にする
小学4年から6年ごろ 気持ちの面での気がかり、習い事の送り迎え 子どもに任せる範囲を少しずつ広げる

上の子と下の子の年齢が離れていると、2つの時期の疲れが同時に来ることもあります。

その場合は、疲れが2倍になって当然だと考えておいてください。

疲れた親が、ついやってしまうこと

疲れているときほど、かえって自分を追いこむ方向に動いてしまうことがあります。

ここで挙げるのは、どれも真面目な親ほどやりがちなことです。

当てはまるものがあっても、責める必要はありません。

気づいたものから、1つずつゆるめていけば十分です。

散らかったものを、すぐに片づけてしまう

おもちゃが床に広がっていると、落ち着かずにすぐ片づけたくなる。

相談者も、散らかっているとすぐに片づけてしまう、と書いていました。

けれど小さな子どもがいる家では、片づけた数分後には、また同じ状態に戻ることがほとんどです。

すぐに片づけるたびに、終わりのない作業を自分で増やしていることになります。

片づけは、寝る前に1回だけと決めてしまうと、日中に何度も立ち上がる回数が減ります。

休みの日も、家のことを全部やろうとする

平日にできなかった掃除や洗濯を、休みの日にまとめて片づけようとする。

そうすると、休みの日がいちばん忙しい日になってしまいます。

仕事のある人なら、週に1日も休まずに働き続ければ、体を壊すのは当然だと分かるはずです。

家のことも、それと同じように考えてよいのです。

休みの日のうち、半日だけでも「家事をしない時間」と決めておくと、体と頭を休める余地が生まれます。

「私が我慢すればいい」と、ひとりで抱える

頼むより自分でやったほうが早い、説明するのが面倒、相手のやり方では気になる。

こうした理由で、家のことや子どものことを、ひとりで引き受け続けていませんか。

最初は早く済んでも、続けるうちに、自分しかできない仕事が増えていきます。

そうなると、自分が倒れたときに家が回らなくなるという不安まで、一緒に背負うことになります。

他の親の「笑顔の子育て」と比べる

園の送り迎えや公園で、子どもに優しく話しかけている親を見ると、自分と比べてしまう。

SNSに並ぶ手づくりの食事や、きれいに片づいた部屋の写真を見て、落ちこむ。

ただ、外で見えるのは、その家庭の1日のうちのほんの数分です。

その人も、家に帰れば子どもを急かし、ため息をついているかもしれません。

比べる相手は、昨日の自分だけで十分です。

夜ふかしをして、自分の時間を取り戻そうとする

子どもが寝たあとの静かな時間は、ようやく訪れた自分だけの時間です。

動画を見たり、スマホを眺めたりして、気づけば日付が変わっている。

その気持ちはよく分かりますが、次の朝の疲れが重くなり、また夜に取り戻そうとする、というくり返しになりがちです。

夜の自分時間は、終わりの時刻を先に決めておくと、翌日に疲れを持ち越しにくくなります。

疲れていることを、誰にも言わない

「みんな頑張っているのに、私だけ弱音を吐けない」と、疲れを口に出さない人もいます。

言わずにいると、周りからは大丈夫そうに見えるので、手助けも届きません。

夫やパートナー、親、友人に「今週は本当に疲れている」とひと言伝えるだけでも、周りの動き方は変わります。

やってしまうこと そのときの気持ち 代わりにやってみること
散らかったらすぐ片づける 散らかっていると落ち着かない 片づけは寝る前の1回だけにする
休みの日も家事を全部やる 平日の分を取り戻したい 半日だけ、家事をしない時間を決める
ひとりで抱える 頼むより自分でやったほうが早い 小さな仕事を1つだけ、最初から最後まで任せる
他の親と比べる あんなふうに笑顔でいたい 比べる相手を昨日の自分にする
夜ふかしで自分時間をつくる 1日のうちで唯一の自由な時間 終わりの時刻を先に決める
疲れを誰にも言わない 弱音を吐いたら負けだと思う 「今週は疲れている」とひと言だけ伝える

完璧主義の親が、手を抜けるようになる考え方

相談者は、自分の性格を完璧主義だと書いていました。

休みたいのに体が動いてしまう、という矛盾に悩む人は、子育て中の親にとても多くいます。

完璧主義そのものを直そうとすると、かえって苦しくなります。

それよりも、完璧を目指す範囲を狭くするほうが、現実的です。

「ここだけは整える」場所を1つに絞る

家の中すべてをきれいに保とうとすると、子どもがいる限り、終わりは来ません。

台所だけ、玄関だけ、寝室だけ、というように、整える場所を1つだけ決めます。

それ以外の場所は、散らかっていてもよい場所として、最初から見ないことにします。

整った場所が1つでもあると、気持ちが落ち着く場所ができ、他の散らかりに目をつぶりやすくなります。

家事に「合格点」を決めておく

掃除なら、床に物が落ちていなければ合格。

夕飯なら、主食と何か1品があれば合格。

洗濯物は、たたまずにかごに入れたままでも合格。

こうして合格点を先に決めておくと、「まだ足りない」と感じたときに、やめどころが見えます。

合格点は、疲れている日ほど低くしてかまいません。

やらなかったことより、やめられたことを数える

1日の終わりに、できなかったことを思い返すと、いくらでも出てきます。

その代わりに、今日やめられたことを1つだけ数えてみてください。

今日はたたまずに済ませた、今日はお惣菜にした、今日は片づけを夜の1回にした。

手を抜けた日は、怠けた日と違い、休む練習ができた日です。

その数が増えていくと、休むことへのうしろめたさが、少しずつ薄れていきます。

家事 疲れている日の合格点 余裕がある日にやること
片づけ 床に通り道があれば合格 寝る前に、おもちゃを箱に戻す
掃除 食べこぼしだけ拭けば合格 掃除機をかける
洗濯 洗って干せば合格、たたまなくてよい たたんで、それぞれの場所にしまう
夕飯 主食と何か1品があれば合格 汁物や副菜を足す
お風呂 シャワーだけでも合格 湯船にゆっくりつかる

音と呼びかけの疲れを、家の中で軽くする

子どもの声や呼びかけがつらいとき、子どもに静かにしてもらうのは、年齢によってはほぼ無理です。

変えられるのは、親の側の受け止め方と、家の中の仕組みのほうです。

返事を短くして、全部に全力で答えない

「ママ見て」「パパ聞いて」と呼ばれるたびに、手を止めて目を合わせ、丁寧に答える。

それができる日もあれば、できない日もあって当然です。

疲れている日は、「うん、見てるよ」「あとで聞くね」と短く返すだけでも、子どもにとっては返事をもらえたことになります。

全部に全力で答えようとしないことが、1日を最後まで持たせるための工夫になります。

「待ってね」に、終わりの合図をつける

相談者の息子さんは、夫婦の会話中に「少し待っていてね」と言われると、泣いて怒り出すとのことでした。

小さな子どもにとって、終わりの見えない「待ってね」はとても長く感じられます。

「この砂時計が落ちたら聞くね」「時計の長い針が6になったらね」と、目に見える合図をつけると、待てる時間が少しずつ延びていきます。

待てたときには、「待っててくれてありがとう」とひと言返すと、次も待ちやすくなります。

1日のどこかに、静かな5分をつくる

子どもがテレビを見ている間、昼寝をしている間、パートナーが遊んでくれている間。

そのうちの5分だけでも、別の部屋に移る、ベランダに出る、トイレにこもる、という形で音から離れてみてください。

回答者のひとりが書いていたように、子どもが寝たあとにイヤホンで好きな音楽を聞くのも、音の疲れを切り替える方法の1つです。

ただし、小さな子どもが起きている間に耳をふさぐときは、必ずほかの大人が子どもを見ている状態にしてください。

きょうだい喧嘩には、全部に割って入らない

きょうだいがいると、取り合いや言い合いは毎日のように起きます。

そのたびに間に入って裁いていると、親のほうが先に疲れ切ってしまいます。

けがの危険があるときや、一方的に手が出ているときは止めに入り、それ以外は少し様子を見る、という線引きをしておくと楽になります。

場面 疲れが増える対応 疲れを減らす対応
何度も呼ばれる 毎回手を止めて丁寧に答える 短い返事で受け止め、あとで聞く約束をする
会話に割りこまれる 「待ってね」だけで終わりが見えない 砂時計や時計の針で、待つ時間を見せる
声がずっと続く 我慢して聞き続ける 大人が見ている間に、5分だけ音から離れる
きょうだい喧嘩 毎回割って入って、どちらが悪いか決める 危ないときだけ止め、それ以外は様子を見る

パートナーに、疲れを分かってもらう伝え方

相談者は、休みたいのに休めない矛盾を、夫に理解してもらえないと書いていました。

「そんなに疲れるなら何もするな」という言葉は、夫なりの心配から出たものかもしれません。

ただ、言われた側からすると、休めない理由を分かってもらえていないと感じてしまいます。

「疲れた」を、具体的な場面にして伝える

「疲れた」とだけ言うと、相手は何をすればいいのか分かりません。

「夕方の6時から7時が一番つらい」「朝の支度で毎日急かしてしまうのがしんどい」と、時間や場面を区切って伝えると、相手も手を出す場所が見えます。

頼むことは、1回に1つだけにする

たまっていた不満を一度に伝えると、相手は責められていると感じて、話がこじれやすくなります。

「今週は、土曜の午前中に子どもを公園に連れていってほしい」というように、1回に1つ、具体的に頼みます。

それが続けば、次の1つに進めばよいのです。

休み方を、相手にも見える形で決める

完璧主義の人は、家にいると何かしら手が動いてしまいます。

それなら、家から出て休むのも1つの方法です。

「日曜の午後2時から4時までは、私は外に出る」と予定として決め、その間は家のことをパートナーに任せます。

家を離れれば、散らかった部屋を見ずに済み、手が勝手に動くこともありません。

ワンオペと共働き、それぞれの疲れの減らし方

同じ子育て疲れでも、ワンオペの時間が長い家庭と、共働きで時間に追われる家庭とでは、効く手当てが少し違います。

ワンオペの時間が長いとき

パートナーの帰りが遅い、単身赴任中、ひとり親で子育てをしているなど、ひとりで子どもを見る時間が長い家庭では、休む時間をつくること自体が難しくなります。

家の中だけで何とかしようとせず、地域の制度や施設を「休むための場所」として使う視点が大切になります。

この後の表で、使える公的な制度をまとめています。

共働きで時間に追われるとき

朝は支度と送り出しで追われ、夕方は迎えと夕飯と寝かしつけが一気に押し寄せる。

共働きの家庭では、平日の朝と夕方に疲れが集中しやすくなります。

翌朝の服や持ち物を前の晩に子どもと一緒にそろえる、夕飯は週末に下ごしらえしておく、といった工夫で、朝と夕方の山を少しだけ低くできます。

子どもが小学生なら、放課後児童クラブなど、放課後の居場所を利用する方法もあります。

子育ての疲れを減らすために使える、公的な制度

自治体には、親が休んだり、子育ての手を借りたりするための制度があります。

「よほど大変な家庭が使うもの」と思って遠慮している人もいますが、多くは一般の子育て家庭が使えるように用意されています。

名前や内容、対象年齢、利用の条件や料金は自治体によって違うので、お住まいの市区町村のホームページや窓口で確かめてください。

制度 どんなものか 疲れたときの使い方
一時預かり事業 保育所や認定こども園などで、子どもを一時的に預かる国の制度 通院や用事のほか、親の休養やリフレッシュでの利用を認めている自治体もある
こども誰でも通園制度 保育所などに通っていない生後6か月から3歳未満の子どもが、親の就労に関係なく時間単位で通える制度。2026年度から全国で始まった 月ごとの利用時間の上限の範囲で、定期的に預ける
地域子育て支援拠点 主に乳幼児と親が集まって過ごせる場所。子育ての相談もできる 家の外で子どもを遊ばせながら、職員や他の親と話す
ファミリー・サポート・センター 子育ての手助けをしたい地域の人と、助けてほしい親をつなぐ自治体の仕組み 習い事や園の送り迎え、短い時間の預かりを頼む
子育て世帯訪問支援事業 支援者が家庭を訪ねて、家事や育児を手伝ったり話を聞いたりする事業。実施や対象は自治体によって違う 家の中の負担が重い時期に、家事の手を借りる
放課後児童クラブ 保護者が仕事などで昼間いない小学生が、放課後を過ごせる場所 共働き家庭で、放課後の見守りを任せる

どの制度も、事前の登録や面談が必要な場合があります。

本当に限界が来てから調べると手続きが間に合わないので、元気なうちに1つだけ登録を済ませておくと安心です。

ひとりで抱えきれないときに頼れる、公的な相談の窓口

疲れが続いて、気持ちの整理がつかないときは、家族や友人とは別に、子育ての相談を受けている公的な窓口に話してみる方法があります。

相談したからといって、すぐに何かの手続きが始まるわけではありません。

話を聞いてもらうだけでも、頭の中が少し整理されます。

まずは、住んでいる市区町村の窓口へ

市区町村には、子育ての相談を受ける窓口があります。

国は、妊産婦や子育て家庭、子どもからの相談にまとめて応じる「こども家庭センター」の設置を市区町村に求めていて、各地で整備が進んでいます。

名前は自治体によって違い、保健センターや子育て支援課が窓口になっているところもあります。

保健師などの専門職に、子育ての疲れや心配ごとを相談できます。

電話やLINEで相談できる、国の窓口

こども家庭庁は、子育てや親子関係に悩んだときに使える窓口を用意しています。

窓口 相談できること 使い方
市区町村の子育て相談窓口(こども家庭センターなど) 子育ての疲れ、子どもの発達や生活の心配、使える制度の案内 市区町村のホームページで窓口を確かめ、電話か来所で相談する
親子のための相談LINE(こども家庭庁) 子育てや親子関係の悩み。匿名でも相談できる こども家庭庁のホームページから公式アカウントを友だち追加する
児童相談所相談専用ダイヤル 0120-189-783 子育ての悩みなど、子どもに関するさまざまな相談 24時間、通話料無料で、地域の児童相談所につながる
児童相談所虐待対応ダイヤル 189 子どもにつらく当たってしまいそう、手が出てしまいそう、という悩みも含めた相談 24時間、匿名でも相談でき、秘密は守られる
地域子育て支援拠点 日々の子育ての困りごと、ちょっとした相談 子どもと一緒に出かけて、その場で職員に話しかける

189という番号に、身構えてしまう人もいるかもしれません。

自治体の案内でも、子育てがうまくいかず自分を責めている親からの相談を受け付けていると説明されています。

子どもに強く当たってしまいそうで怖いと感じたときは、ためらわずに使ってください。

体や心の調子が気になるときは、医療機関にも相談を

眠れない日が続く、食事がとれない、何をしても楽しいと感じられない状態が長く続いている。

そうしたときは、ひとりで抱えこまず、かかりつけの医師や、市区町村の保健師に相談してみてください。

この記事は、医療の判断の代わりになるものとは違います。

体と心の状態をきちんと診てもらえるのは、医療機関です。

うっかりや注意の不安は、決めつけずに相談する

相談者は、注意が足りない、時間の管理が苦手だと悩み、夫から何かの特性があるのではと言われて、自分でもそうなのかと思っている、と書いていました。

こうした心配は、ネットの情報や家族の印象だけで決めつけないことが大切です。

気になるときは、医療機関や市区町村の窓口で相談すれば、必要に応じて専門の相談先を案内してもらえます。

診断がつくかどうかにかかわらず、疲れや睡眠不足が続くと、誰でも注意力が落ちやすくなります。

まずは休める形をつくることが、どちらの場合にも役に立ちます。

よくある質問

Q1. 子どもがかわいいと思えない日があります。親失格でしょうか

親失格ではありません。

疲れがたまると、気持ちを感じる力そのものが落ちて、愛情を感じにくくなることがあります。

かわいいと思えない日が続いて苦しいときは、休む時間を増やすことと、市区町村の窓口に話してみることを考えてください。

Q2. 恵まれている環境なのに疲れる自分が嫌です

疲れの量は、他の家庭との比較では決まりません。

働く時間が短くても、保育園に預けていても、家にいる時間の子育ては続いています。

「恵まれているから疲れてはいけない」と考えるのをやめるだけでも、心の負担は少し軽くなります。

Q3. 休みたいのに、家にいると家事をしてしまいます

家にいる限り、散らかりや汚れが目に入って、手が動いてしまうのは自然なことです。

休む時間は、家の外で過ごす予定として先に決めてしまうのが効果的です。

近所を散歩する、図書館に行く、カフェで座るなど、家事が目に入らない場所を選んでください。

Q4. 一時預かりを使うのは、甘えではありませんか

甘えではありません。

一時預かりは、親が用事や休養のために子どもを預けられるよう、国が制度として用意しているものです。

親が休むことで、子どもと向き合う余裕が戻るなら、それは子どものためにもなります。

Q5. パートナーに「疲れた」と言っても分かってもらえません

「疲れた」とだけ伝えると、相手には何をすればいいかが見えません。

一番つらい時間帯や場面を具体的に伝え、頼むことは1回に1つに絞ってみてください。

それでも話し合いが難しいときは、市区町村の子育て相談窓口で、夫婦の分担について相談することもできます。

まとめ

子育てに疲れるのは、あなたが弱いからではありません。

終わりの見えない仕事が重なり、音や呼びかけに休みなく反応し、大人と話す時間も減っている状態では、誰でも疲れます。

疲れを体、音と呼びかけ、頭、心、寂しさの5つに分けてみると、効く休み方が見えてきます。

家事は合格点を決めて手を抜き、休む時間は家の外の予定として先に入れる。

パートナーには、具体的な場面と1つの頼みごととして伝える。

そして、一時預かりや地域子育て支援拠点などの公的な制度や、こども家庭庁の相談窓口を、限界が来る前に使ってください。

今日できること

最後に、今日からできることを表にまとめます。

やること やり方 期待できること
疲れの種類を見分ける 体、音、頭、心、寂しさのうち、一番近いものを1つ選ぶ 効く休み方を選べるようになる
やらない家事を決める 今日の合格点を1つだけ下げる 休む時間が少し生まれる
静かな5分をつくる 大人が子どもを見ている間に、別の部屋で過ごす 音と呼びかけの疲れが切り替わる
頼みごとを1つ決める 一番つらい時間帯と、頼みたいことを一文にしておく パートナーに伝えるときに慌てずに済む
制度を1つ調べる 市区町村のホームページで、一時預かりの登録方法を確かめる 限界が来る前に、休む手段を持てる
窓口を控えておく 親子のための相談LINEや、0120-189-783をメモしておく いざというときに迷わずに済む

今夜は、今日やめられたことを1つだけ数えてから眠ってください。

それが、休む練習の最初の1回になります。

子育ての疲れと向き合いたいときに

気持ちの整え方や、家事と育児の手の抜き方は、本で考え方の型を知っておくと、自分の家庭に当てはめやすくなります。気になるものから探してみてください。

※当サイトのリンクにはアフィリエイトを使用しています

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