昨日は機嫌よく話していたのに、今日は目も合わない。
あるいは、気分で態度が変わると周りに言われて、自分でも理由がわからず落ち込んでいる。
この記事を開いてくださった方は、どちらかの立場にいるのだと思います。
先に答えをお伝えします。
- 辞書では「その時々の気分によって、言動が変わりやすい人」と説明されている。病名ではない。人の様子を表す言葉
- 本人は、気分に左右されて困る場面を絞り、そこだけ仕組みで守る。気分そのものを消す必要はない
- 周りの人は、機嫌の悪さを自分のせいと決めずに、様子を観察し、頼みごとの置き方を変える。相手を変える努力より、自分の守り方が先になる
この記事では、あなたやご家族の性格や病気を診断することはしません。
気持ちの扱い方と、人との付き合い方を整理する記事として書いています。
辞書、国立精神・神経医療研究センターのページ、厚生労働省の検討会資料を実際に開いて確かめた範囲を書きます。筆者の整理や提案は、そう分かるように書き分けます。
記事の流れは次のとおりです。
- Q&Aサイトで見かけた相談
- 辞書で確かめた意味と、近い言葉との違い
- 本人が気分の波とうまく付き合う方法
- 長所への言い換えと、短所の見直し方
- 周りの人の付き合い方(恋人・上司・親・同僚)
- 病気が気になるときの目安と相談先、よくある質問
Q&Aサイトで見かけた「気分屋な彼氏に振り回されている」という相談
先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。
投稿していたのは、受験を控えた学生の方です。
付き合っている彼氏は、普段はとても愛情表現が多く、毎日連絡をくれるそうです。
ところが、疲れているときやいらいらしているときは、連絡を読んでも返事が来ません。
返ってきても素っ気なく、通話をしても話題がないと言われます。
周りの人とは普通に話しているのに、自分にだけ冷たく感じる日もあるといいます。
そのたびに「何かしたかな」と不安になり、何度も「どうしたの」と聞いてしまいます。
返事はいつも「何もない」で、本当に何もないのか、隠しているのかがわかりません。
解決するまで夜は泣いて、食事もまともにとれない日がある。それでも、機嫌がいいときの彼氏は大好きで、どうすればよいかわからない、という相談でした。
回答欄には、別れを勧める意見や、猫のように扱うとよいという意見などが並んでいました。
筆者が気になったのは、相談者が彼氏の機嫌の悪さそのものより、「理由がわからないこと」に苦しんでいるように読める点です。
何かあったのか、何もないのか。その見分けがつかないことが、不安を長引かせています。
この見方は、あくまで筆者の読みです。投稿した方の事情を知る立場にはありません。
ただ、気分屋に振り回される方の多くに当てはまる手がかりなので、後半で詳しく整理します。
辞書で確かめた気分屋の意味
2026年11月4日に、辞書の記述を確かめました。
使ったのは、コトバンクに収録されているデジタル大辞泉と、精選版 日本国語大辞典の項目です。
| 辞書の名前 | 説明の要点 |
|---|---|
| デジタル大辞泉 | 「その時々の気分によって、言動が変わりやすい人。気まぐれな人」 |
| 精選版 日本国語大辞典 | 「その時の気分に左右されて、行動に一貫性のない人」。用例に、小説の一節(見かけは磊落でも、ひどい気分屋で些事にこだわる叔父)が引かれている |
どちらの説明にも、病気や障害を示す言葉は入っていません。
「気まぐれ」「一貫性のない」という、行動の様子を述べた言葉です。
「屋」がつくのは、「怒りん坊」「寂しがり屋」のように、ある傾向を持つ人を指す言い方だからだと考えられます。ただし、この点は辞書に書かれていないので、筆者の推測です。
「気分」という言葉そのものの意味
もう少し手前の「気分」も、同じ日に辞書で確かめました。
デジタル大辞泉は、気分を「快・不快など、ある期間持続する、やや漠然とした心身の状態」と説明しています。
例として、「仕事をする気分になれない」「船酔いで気分が悪くなる」が挙がっています。
ここに、気分屋の悩みを考えるヒントがあります。
気分は、ある期間続く、漠然とした状態です。
はっきりした理由がなくても、体の調子や周囲の状況で、気分は変わります。
気分屋と呼ばれる人は、その変化が言動に出やすい人、と言い換えられます。
「気分が変わること」自体は誰にでも起きます。
困りごとが生まれるのは、気分の変化が約束・態度・連絡の形で周りに見えたときです。
近い言葉との違い
辞書の「気紛れ」の項には、類語として、気儘、移り気、むら気、飽き性、お天気屋などが並んでいます。
同じ項目では、気紛れは「気が変わりやすいこと。その時々の思いつきや気分で行動すること」と説明されています。
近い言葉を、辞書の説明に沿って整理します。
| 言葉 | 辞書の項で確かめた位置づけ |
|---|---|
| 気分屋 | その時々の気分で言動が変わりやすい人 |
| 気紛れ | 気が変わりやすく、その時々の思いつきや気分で行動すること |
| お天気屋・むら気 | 気紛れの類語として並んでいる |
| 飽き性 | 同じく類語として並んでいる。気分より、続かなさに重点がある |
この言葉は、辞書の中で「気紛れ」とほぼ同じ場所にあります。
次の章では、気分屋と呼ばれて悩む本人側から整理します。
気分の波で困っている本人へ 左右される場面だけを守る
気分の波を、全部なくそうとすると疲れます。
筆者は、「どの場面で困っているか」を先に絞ることを勧めます。以下は筆者の整理と提案で、公的な資料に書かれた方法ではありません。効果が証明されたものでもありません。
周りから言われやすい場面を書き出す
最初に、言われた場面を思い出して書き出します。
次の表は、よく聞く場面の例です。自分に近いものに印をつけてみてください。
| 場面 | 周りから見えていること | 本人の中で起きていること(例) |
|---|---|---|
| 連絡の返事 | 昨日は早かったのに、今日は読んでも返さない | 返す気力がなく、後回しにしている |
| 挨拶や口調 | 日によって声の高さや表情が違う | 疲れていて、表情をつくる余裕がない |
| 仕事の進み方 | 乗っているときは早いが、乗らない日は止まる | 気が向かないと、手が動かない |
| 約束 | 楽しみにしていたのに、当日になって断る | 当日の体調と気分で、行く気が消える |
| 頼まれごと | 引き受けた日と、断る日がある | その日の余裕で、返事が変わる |
書き出すと、困りごとの多くは「気分が変わること」より、「変わった結果が相手に伝わっていないこと」にあると気づく方がいます。
これも筆者の見方です。あなたに当てはまるかは、書き出して確かめてください。
左右される部分と、守りたい部分を分ける
気分に左右されてもよいことと、左右されては困ることを分けます。
たとえば、昼食に何を食べるかは、気分で決めて困る人はいません。
一方で、約束の時間、締め切り、家族への連絡は、守らないと相手が困ります。
守りたい部分を、2つか3つに絞って書いてみてください。
- 締め切りのある仕事
- 先方のいる約束
- 家族や恋人への、最低限の連絡
全部を守ろうとすると、気分が悪い日に破綻します。
3つだけなら、気分が悪い日でも守れる可能性があります。
気分が悪い日の「最低ライン」を決める
気分が落ちている日に、いつもの6割の働きを求めると、できない自分を責めがちです。
そこで、あらかじめ「最低ライン」を決めておきます。
たとえば、仕事なら「メールの返信だけは今日中にする」「提出物は箇条書きでも出す」と決めます。
連絡なら、「今日は元気がないので、夜に返すね」と一言だけ送るルールにします。
最低ラインは、できる日に決めておくのがコツです。落ちている日に決めようとしても、判断力が落ちています。
気分がいい日に、約束しすぎない
気分が上向きの日は、頼まれごとを何でも引き受けたくなります。
引き受けた分は、気分が落ちた日の自分が実行します。
筆者は、「返事は一晩置く」という型を提案します。
気分がいい日に「いいよ」と答える前に、「明日の朝に返事するね」と言ってみてください。
翌朝の自分が「やれる」と思えたものだけを引き受けます。
この型は、気分が変わりやすい本人にとって、自分を守る仕組みになります。
先に一言伝えておく
周りの人が最も困るのは、理由がわからないことです。
最初の章で紹介した相談でも、困りごとの中心は、彼氏の機嫌の悪さより「何があったのかわからないこと」でした。
そこで、気分が落ちている日は、理由を言えなくても、状態だけ先に伝える方法があります。
使える言い方の例を、場面ごとに挙げます。
| 相手 | 伝え方の例 |
|---|---|
| 恋人 | 「今日は疲れていて、返事が遅くなる。君のせいではないよ」 |
| 家族 | 「今日は少し話したくない。夜になったら話せると思う」 |
| 職場 | 「今日は集中が切れやすいので、急ぎの相談は午後にしてもらえますか」 |
| 友人 | 「元気がないだけだから、気にしないで」 |
大切なのは、「相手のせいではない」ことと、「いつ頃回復しそうか」を一言添えることです。
言葉にするのが苦手な方は、定型のメッセージを下書きに保存しておくと、送るだけで済みます。
気分の波を記録すると、傾向が見える
気分屋と言われる人の中には、「自分でも理由がわからない」という方が少なくありません。
そのときは、1日1回、記録をつけてみてください。
記録するのは、次の3つだけで十分です。
- 今日の気分を5段階で
- 前の晩の睡眠時間
- 気分に影響しそうな出来事(仕事・人間関係・天気など)
2週間ほど続けると、「睡眠が短い翌日は落ちやすい」「月曜日の朝は低い」といった傾向が見える場合があります。
傾向が見えれば、その日の予定を軽くするなど、先回りができます。
記録は、自分の波を知るためのものです。診断のためのものではありません。
気分の波が大きすぎて生活に支障が出ている場合は、後の章で扱う相談先を参考にしてください。
長所への言い換えと、短所の見直し方
気分屋と言われたとき、人格を丸ごと否定されたように感じる方がいます。
辞書の説明には、良い悪いの評価は入っていません。
同じ性質でも、見る角度で呼び方が変わります。以下の言い換えは筆者の提案で、辞書や公的資料に書かれたものではありません。
場面に合わせた言い換えの例
| 気分の波の出方 | 短所の語り方 | 長所に近い語り方 |
|---|---|---|
| 気分に左右されて、態度が変わる | 一貫性がない | 感受性が高く、場の空気や自分の状態に敏感 |
| 気が乗ると集中して進む | ムラがある | 集中できるときの爆発力がある |
| 好奇心で、次々と興味が移る | 飽きっぽい | 新しいものに素早く反応できる |
| その日の状況で判断を変える | 気まぐれ | 状況を見て、柔軟に動き方を変えられる |
| 嫌なことがあると表情に出る | 感情が顔に出る | 裏表がなく、嘘をつけない |
言い換えは、悪いところをごまかす道具ではありません。
自分の強みが働く場面を知るための手がかりです。
面接や自己紹介で、短所として語るとき
就職活動や面談で、短所を聞かれることがあります。
そのときは、短所の言葉を1つ選び、その後に「どう気をつけているか」を足します。
筆者は、次の3段の型を提案します。
- 事実:気分が落ちると、返事が遅くなることがある
- 影響:周りに不安を与えてしまうことがあった
- 工夫:落ちている日は「今日は返事が遅れる」と先に一言伝えるようにしている
「気分屋」という言葉そのものを自己紹介に使う必要はありません。
事実と工夫で語れば、聞く側も判断しやすくなります。
見直したほうがよい点もある
長所に言い換えられるからといって、周りに迷惑がかかっている部分まで、そのままにする必要はありません。
連絡が取れなくなって相手が不安になる。約束を直前に断って、相手の予定を崩す。
こうした点は、本人の工夫で減らせる余地があります。
前の章で書いた「最低ライン」と「先に一言伝える」が、そのまま使えます。
見直す対象は、気分が出たときの伝え方と約束の置き方です。性格そのものは対象に入れません。
気分の波と、仕事の向き不向き
気分の波が仕事の質に出やすい人は、仕事の組み立て方で負担を減らせます。
- 気分が高い日に、創造的な仕事を入れる
- 気分が低い日に、機械的にできる事務作業を入れる
- 約束の入る会議は、午前か午後のどちらか、調子がよい時間帯に寄せる
筆者の提案ですが、1週間の予定を「気分が上がりやすい日」と「落ちやすい日」で色分けしておくと、先に手を打てます。
職場の事情で調整が難しいときは、上司に「午前のほうが調子がよいので、会議を午前に寄せてもらえないか」と、事実だけを伝えてみる方法もあります。
気分屋に振り回されて疲れた周りの人へ
ここからは、気分屋な恋人・上司・親・同僚と付き合う方に向けて書きます。
最初に、「相手の機嫌が悪いのは、あなたのせいではない場合が多い」と書いておきます。
もちろん、あなたの言動が原因のときもあります。ただ、理由のわからない機嫌の変化は、相手の疲れや体調、別の悩みから来ている場合があります。
筆者が確かめられるのは、辞書の記述と公的機関の資料までで、相手の内面はわかりません。
以下は、状況を整理するための提案として読んでください。
恋人の機嫌に振り回されるとき
冒頭の相談のように、恋人が急に素っ気なくなると、不安になるのは自然なことです。
そこで、「何度も聞いてしまう」行動を見直してみます。
何度も聞くと、相手は責められていると感じ、さらに黙ることがあります。
筆者は、次の流れを提案します。
- 1回だけ「何かあった? 話したくなったら聞くよ」と伝える
- 返事が「何もない」でも、それ以上は聞かない
- 数時間から1日待つ
- その間、自分のための予定(勉強、散歩、友人との時間)を入れる
相談者は受験生でもあるので、気持ちが乱れると勉強にも響きます。
「待つ間にやること」を決めておくと、不安だけで時間が過ぎるのを防げます。
回答欄にあった「何もないならその態度をやめて」と伝える方法は、落ち着いた日に、短く、責める口調にならずに言えるなら選択肢になります。
たとえば次のような言い方です。
- 「機嫌が悪い日は、一言だけ教えてもらえると安心する」
- 「話したくないなら、それでいい。ただ、無視されると不安になる」
「私は」を主語にして、自分の気持ちを伝えます。相手の行動を責める言い方は避けます。
この言い方は、相手が落ち着いているときに、1回だけ試してください。
言ったあとの反応を急いで判断せず、数日かけて様子を見ます。相手がすぐに変わらなくても、伝えたこと自体が、今後の話し合いの土台になります。
上司や同僚の機嫌に左右されるとき
上司の機嫌が日によって違うと、報告や相談のたびに身構えます。
筆者の提案として、「機嫌を読む」より「報告の置き方を決める」ほうが、疲れにくいと考えます。
| 状況 | 試せる置き方 |
|---|---|
| 報告のタイミングが読めない | 朝一番に、定型の短い報告を決まった形で出す |
| 機嫌が悪い日に怒られやすい | 重要な相談は、前日にメールで要点を送り、口頭は確認だけにする |
| 指示が日によって変わる | 指示を受けたら、その場で「こう理解しました」とメモで返す |
| 理不尽に当たられる | 日付と内容を記録しておく |
指示が日によって変わる場合は、書面に残すと、後で「言った・言わない」にならずに済みます。
表の置き方は、どれも相手の機嫌を変えるものではありません。自分が受ける負担を減らすための工夫です。
相手が上司の場合、ここに書いた方法で足りないこともあります。そのときは、上司の上の立場の人や、社内の相談窓口に話す選択肢もあります。
記録は、自分の身を守るために取っておきます。相手に突きつける道具にはしません。
言動が強く、継続して精神的に苦しい場合は、職場の相談窓口や、こころの耳の相談を検討してください。窓口は後の章にまとめます。
親や家族が気分屋のとき
冒頭とは別に、Q&Aサイトでは、気分屋な母親に理不尽に怒られて悩む学生の相談も見かけます。
家族の場合は、距離を取りにくいぶん、疲れが長く続きます。
筆者は、次の3点を提案します。
- 機嫌が悪い日の見分け方(帰宅時の様子、声のトーン)を覚えておき、その日は大事な頼みごとを避ける
- 頼みごとは、機嫌がいい時間帯に、1つだけ短く伝える
- 理不尽な言葉は、自分への評価として受け取らず、「今日は機嫌が悪い日」とラベルを貼る
ただし、日常的に強い言葉で責められる、無視が数日続く、といった状況が長く続いている場合は、1人で我慢する必要はありません。
学校の先生、スクールカウンセラー、まもろうよこころの窓口に相談できます。
周りの人が持っておくと楽になる考え方
筆者の整理として、次の3つの見方を挙げます。
機嫌の責任は、本人にある。
相手の機嫌を直すのは、あなたの役目ではありません。
寄り添うことはできますが、機嫌を直す責任までは負わなくてよいと、筆者は考えます。
相手が不機嫌でも、あなたが謝る必要がない場面はたくさんあります。
「何かしたかな」と考えすぎる前に、「自分に思い当たる出来事があったか」を一度だけ振り返ります。
なければ、「相手側の事情」と置いておきます。
機嫌を観察して、パターンを知る。
「疲れているとき」「空腹のとき」「予定が詰まったとき」など、相手の機嫌が崩れる条件には、傾向が見える場合があります。
2〜3週間、日付と様子をメモすると、見えてきます。
パターンがわかれば、その条件を避けて頼みごとをしたり、自分の予定を調整したりできます。
自分の心身を優先する期間を決める。
不安で眠れない、食べられない、勉強や仕事に手がつかない。
こうした状態が続くときは、関係の続け方より先に、自分の生活を立て直すことが必要です。
冒頭の相談では、夜に泣いて食事もとれない日があるとありました。
その状態は、関係の見直しや第三者への相談を考える合図の1つと筆者は考えます。
距離を取る目安
気分屋な相手との関係を続けるか、距離を置くか。
答えは人によって違います。筆者が決められることではありません。
ただ、次のような状態が当てはまるときは、距離を置く選択肢を検討してよいと考えます。
- 自分の生活(睡眠・食事・勉強・仕事)が、相手の機嫌に左右され続けている
- 暴言、無視、物にあたるなど、安心できない言動が続いている
- 話し合おうとしても、受け止めてもらえない
身体的な暴力や、命の危険を感じるときは、迷わず警察や公的な相談窓口に連絡してください。
周りの人が使える声のかけ方
気分が落ちている相手に、どう声をかけるか迷う方は多いです。
次の表は、筆者の提案する声かけの例です。
| 避けたい声かけ | 試せる声かけ |
|---|---|
| 「なんでいつもそうなの」 | 「今日はしんどそうだね。何か手伝えることはある?」 |
| 「機嫌悪いよね」 | 「少し疲れているように見えるけど、大丈夫?」 |
| 「私何かした?」を繰り返す | 「話したくなったら、いつでも聞くよ」と1回だけ言う |
| 無理に聞き出す | 相手が話しやすい時間を待つ |
声をかけても返事がないときは、それ以上追わず、待つのも1つの関わり方です。
相手が話し始めたときは、助言を急がず、まず最後まで聞きます。
聞き終えたあとに、「教えてくれてありがとう」と一言返すだけでも、次に話しやすくなる場合があります。
病気が気になるときの目安と相談先
気分屋という言葉は、辞書の上では病名ではありません。
ただ、気分の変化が極端なときや、生活に大きく影響しているときは、病気が関係している場合もあります。
筆者は診断をする立場にありません。ここでは、公的な機関のページで確かめた範囲を書きます。
双極性障害について
国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」の双極性障害のページを、2026年11月4日に確かめました。
ページによると、双極性障害は、ハイテンションで活動的な躁状態と、憂うつで無気力なうつ状態を繰り返す病気です。
躁状態では、眠らなくても活発に活動する、次々にアイデアが浮かぶ、大きな買い物やギャンブルなどで散財する、といったことがみられると書かれています。
同じページは、「気分の波は誰にでもあり、嫌なことがあれば落ち込み、楽しいことがあればウキウキするのは自然で、病気ではない」と説明しています。
そのうえで、周りの人が「いつもの様子と違う」と気づくほど気分が行き過ぎていて、家族や周りの人が困ったり、社会的な信用を失うほどであれば、双極性障害かもしれない、と書かれています。
また、躁状態は気分がよいため、本人には病気の自覚がないことが多いとも書かれています。
つまり、数日から数週間の単位で、極端な高ぶりと落ち込みが入れ替わるような変化がある場合は、受診を考える材料になります。
ただし、日による機嫌の違いは、この性格の範囲で説明できることがほとんどです。
この記事で、あなたやご家族が双極性障害かどうかは判断できません。気になるときは、精神科や心療内科で相談してください。
月経前の気分の変化について
女性の場合、月経の前に気分が変わりやすくなることがあります。
厚生労働省の「雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会」第3回(令和6年3月26日)の資料を、2026年11月4日に確かめました。東京大学の医師が示した資料で、月経前症候群は、月経前の3〜10日の間続く精神的あるいは身体的な症状で、月経が始まると軽くなるか消えるもの、と説明されています。
症状として、情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下などが挙げられています。
資料には、日本人女性の50〜80%程度が何らかの症状を抱えているとの記載があります。
精神症状が特に強いものは、月経前不快気分障害と呼ばれ、精神科で診断基準を満たすか確認する、と書かれています。
気分の変化が月経の周期と重なっていると感じるときは、手帳に記録をつけて、婦人科で相談する材料にできます。
受診や相談を考える目安
次のような状態が続くときは、1人で抱えずに相談してください。
- 気分の落ち込みで、眠れない日や食べられない日が続く
- 仕事や学校に行けなくなった
- 気分が極端に高ぶり、眠らなくても平気な状態が続く
- 自分や周りの人を傷つけたい気持ちが出る
- 周りの人が、様子の変化を心配している
最後の項目に近い状態のときは、すぐに救急や身近な医療機関、下記の窓口に連絡してください。
相談できる窓口
受付時間は変わることがあります。かける前に、公式ページで確認してください。
| 窓口 | 内容 | 受付の目安(2026年11月4日に公式ページで確認) |
|---|---|---|
| 厚生労働省「こころの耳」働く人の電話相談 | こころの悩み、人間関係の悩み、仕事の悩みの相談。働く方やそのご家族が対象 | 平日17時から22時(受付は21時50分まで)、土日10時から16時(受付は15時50分まで)。祝日・年末年始は除く |
| 厚生労働省「まもろうよ こころ」 | 電話やSNSなど、相談窓口の一覧を案内 | 窓口ごとに異なる。同ページには24時間対応の窓口もあると記載 |
気分屋な相手を持つ周りの方が、自分のために使える窓口
振り回される側の疲れも、相談の対象になります。
「相手の問題だから」と我慢せず、自分の睡眠や食事が乱れているときは、相談してください。
まもろうよこころのページには、家族や身近な人の悩みを受け止める窓口も並んでいます。
よくある質問
Q1. 気分屋は性格ですか、病気ですか
辞書では、その時々の気分で言動が変わりやすい人、と説明されており、病名ではありません。
気分の変化が極端で、生活に支障が出ているときは、病気が関係している場合もあります。診断は医師が行います。
Q2. 気分屋を直すことはできますか
性格そのものを消すことは、目標にしなくてよいと筆者は考えます。
約束の置き方、伝え方、予定の組み方は、自分で見直せます。
Q3. 気分屋の人の言い換えには、何がありますか
辞書では、気紛れ、むら気、お天気屋などが近い言葉として並んでいます。
長所に近い言い方としては、感受性が高い、柔軟、集中力がある、などがあります。ただし、これは筆者の提案です。
Q4. 気分屋な彼氏や彼女に疲れたら、どうすればよいですか
何度も理由を聞くことは避け、1回だけ伝えて待つ方法を試します。
自分の生活が乱れるほど疲れているときは、距離を置くことや、第三者への相談を検討してください。
Q5. 気分屋な上司とうまく付き合うには
機嫌を読むより、報告の仕方を決めておくほうが疲れにくいと筆者は考えます。
指示は書面やメモに残し、継続して苦しいときは、職場の相談窓口や、こころの耳を使ってください。
確かめた出典
この記事で触れた辞書と公的機関の情報は、2026年11月4日に内容を確かめました。
- デジタル大辞泉「気分屋」「気分」「気紛れ」の各項(コトバンク収録)
- 精選版 日本国語大辞典「気分屋」の項(コトバンク収録)
- 国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」の「双極性障害(躁うつ病)」
- 厚生労働省「雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会」第3回(令和6年3月26日)の資料「働く女性の健康課題とその対策」
- 厚生労働省「こころの耳」働く人の「こころの耳電話相談」
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」
気分の波を書き出す表、最低ライン、返事を一晩置く型、観察と記録の方法、声かけの例は、筆者の整理と提案です。公的な資料に書かれた内容ではありません。効果が証明されたものでもありません。
月経前症候群の記述は、病院の医師の発表資料を厚生労働省の検討会で公表したものから引いています。
まとめ
辞書の上では、その時々の気分で言動が変わりやすい人と説明され、病名ではありません。
本人は、守りたい場面を絞り、最低ラインを決め、気分が落ちている日は先に一言伝えてみてください。
周りの方は、機嫌の責任を自分で負わず、様子を観察し、報告や頼みごとの置き方を変えてみてください。
気分の高ぶりや落ち込みが極端なとき、生活に影響が出ているときは、公的な窓口や医療機関に相談してください。診断は医師が行うもので、この記事で決めることはできません。
今日できる一歩として、本人は、最近周りに言われた場面を1つ選び、守りたい約束を1行書いてみてください。
周りの方は、次に機嫌が悪くなったとき、「自分に思い当たる出来事があったか」を一度だけ振り返り、なければ「相手側の事情」と置いてみてください。
気分の波との付き合い方や、振り回されない距離の取り方を、本でも確かめたいときのために
気持ちの扱い方や、人との距離の取り方は、本で整理してみると当てはめやすくなります。気になるものから探してみてください。
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