「どうせ自分なんて」と口にしたあとで、そう言った自分にまた落ち込む。
あるいは、何を言っても否定から返ってくる同僚や家族に、話すたびに疲れている。
この記事を開いてくださった方は、どちらかの立場にいるのだと思います。
先に答えをお伝えします。
- 辞書では、卑屈は「いじけて、必要以上に自分をいやしめること」と説明されている。病名ではありません。態度や話し方の癖を指す言葉
- 謙虚は控えめで素直に相手の意見を受け入れること。卑屈は自分を下げたまま、相手の言葉を受け取れなくなる。見た目は似ていても、向かう先が違う
- 本人にできるのは、自分を下げる言葉を言い換え、褒められたら受け取る練習をすること。周りの人にできるのは、愚痴や否定を全部引き受けずに、境界を決めておくこと
この記事では、あなたやご家族の性格を診断することはしません。
言葉の意味を辞書で確かめ、日々の態度をどう見直せるかを整理する記事として書いています。
辞書と厚生労働省、国立精神・神経医療研究センターのページを実際に開いて確かめた範囲を書き、筆者の整理や提案は、そう分かるように書き分けます。
記事の流れは次のとおりです。
- Q&Aサイトで見かけた相談
- 辞書で確かめた卑屈の意味と、謙虚・謙遜・卑下との違い
- 卑屈が続く仕組み(本人の側)
- 本人の見直し方と、言い換えの例
- 周りの人の付き合い方(職場・友人・家族)
- 気持ちの落ち込みが続くときの相談先と、よくある質問
Q&Aサイトで見かけた「卑屈な自分から抜け出せず、人と関わるのが怖い」という相談
先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。
投稿していたのは、自分の態度に気づいていて、変わりたいと願っている方です。
自分を否定する言葉ばかりが口から出てしまうそうです。
素直でいられないことを、育った環境や周りのせいにするような話し方もしてしまうといいます。
以前、きょうだいから「素直な人といれば自分も素直になれる」という趣旨のことを言われました。
自分が悪いのだと思う一方で、それ以来、そのきょうだいの前では否定的な言葉がさらに増えた気がするそうです。
親から否定されることが多かった記憶もあり、相手にも原因があったのではという気持ちと、結局は人のせいにしているだけではという気持ちが混ざって、どう考えればよいのか分からない、と書かれていました。
仕事や人間関係でもうまくいかないことが続いており、初対面の印象はよくても、関係が続くと人への怖さが出て、距離を取ってしまう。そんな繰り返しに悩んでいる様子でした。
筆者が気になったのは、この方が「自分は性格が悪い」と決めつけずに、自分の言動を観察していることです。
否定的な言葉が増えるきっかけも、言われた直後という具体的な場面で捉えています。
観察できているということは、見直す入口にはすでに立っているということです。
これは筆者の読みで、投稿した方の内面を知っているわけではありません。
ただ、同じ悩みを持つ方にも使える手がかりなので、後半で詳しく整理します。
辞書で確かめた卑屈の意味
2026年11月5日に、辞書の記述を確かめました。
使ったのは、コトバンクに収録されているデジタル大辞泉と精選版日本国語大辞典の項目です。
デジタル大辞泉では、卑屈は次のように説明されています。
「いじけて、必要以上に自分をいやしめること。また、そのさま。」
用例として「卑屈な笑い」「卑屈になる」が挙がっています。
精選版日本国語大辞典では、少し範囲が広くなります。
「気力がなく品性が卑劣であること。意気地がなく行為が下劣であること。あるいは、自分を卑しめて、相手に屈伏したり、妥協したり、へつらったりすること」という説明です。
2つの辞書に共通するのは、自分を必要以上に低く扱う、という点です。
辞書の定義に、病気や診断の話は出てきません。2つの辞書とも、そうした説明を載せていませんでした。
性格の傾向、または場面ごとの態度を指す言葉として扱われています。
なお、精選版日本国語大辞典の前半にある「品性が卑劣」という言い方は、相手を強く責める響きを持ちます。
悩んでいる本人が自分に当てはめる必要はありません。
この記事では、現代の会話で多く使われる「いじけて自分を必要以上に下げる」という意味で使います。
謙虚・謙遜・卑下との違い
似た言葉を同じ日に引いて、並べてみました。
| 言葉 | 辞書での説明(要点) | 向かう先 |
|---|---|---|
| 謙虚 | 控え目でつつましいこと。へりくだって、すなおに相手の意見などを受け入れること | 相手の意見を受け入れる |
| 謙遜 | へりくだること。控え目な態度をとること | 場の空気に合わせて控える |
| 卑下 | 自分を劣ったものとしていやしめること。へりくだること | 自分の価値を下げる |
| 卑屈 | いじけて、必要以上に自分をいやしめること | 自分を下げたまま閉じる |
出典は、デジタル大辞泉の各項目です。
辞書の説明を比べると、謙虚には「すなおに相手の意見などを受け入れる」という動きが含まれています。
卑屈の定義には、その動きがありません。
ここから先の整理は、筆者の読みです。
謙虚な人は、自分を低く見せながらも、相手の言葉は受け取っています。
卑屈になっているときは、自分を下げる言葉を先に出して、相手の言葉の入り口を閉じてしまう。
褒められても「そんなことない」と押し返し、助けてもらっても「迷惑ですよね」と先に謝る。
そうなると、相手は好意を渡す場所を失います。
周りの人が疲れるのは、この「渡せない感じ」が積み重なるからだと、筆者は考えています。
劣等感や被害者意識とは重なるが、同じではない
同じ悩みの周辺には、劣等感、自己肯定感の低さ、被害者意識といった言葉が並びます。
当サイトでも、それぞれ別の記事で扱っています。
劣等感は、他人と比べて自分が劣っていると感じる気持ちです。
自己肯定感は、自分をどのくらい認められるかという、心の土台の話です。
被害者意識は、出来事の責任を外に置きやすい見方の話です。
この言葉は、それらの気持ちが言葉や態度として外に出たものだと、筆者は整理しています。
気持ちの話は別の記事に譲り、この記事では「どう振る舞いが固まるか」と「どう見直すか」に絞ります。
気持ちのほうを先に詳しく知りたい方は、劣等感を扱った記事と、自己肯定感を扱った記事を先にお読みください。
卑屈が続く仕組み 先回り・押し返し・閉じるの3つの動き
ここからは、筆者の整理です。公的な資料に書かれた区分ではありません。
卑屈な振る舞いは、次の3つの動きが重なって固まると、筆者は考えています。
| 動き | 場面の例 | 起きていること |
|---|---|---|
| 先回りで下げる | 「どうせ私には無理ですよね」と、頼まれる前に言う | 断られる痛みを避けるため、自分で先に評価を下げる |
| 褒めを押し返す | 「いえいえ、たまたまです」「お世辞でしょう」 | 好意を受け取ると、あとで裏切られそうで怖い |
| 閉じる | 誘いを断る、返信を遅らせる、距離を置く | 傷つく前に人との接点を減らす |
この表は、自分を点数で判定する道具ではありません。
どの動きが自分に近いのかを見つける目安として使ってください。
3つの動きは、どれも「傷つかないための工夫」として始まっていることが多いと、筆者は見ています。
その工夫が、長く続くうちに、かえって人との距離を広げてしまう。
悩みの中心は、ここにあると筆者は見ています。
先回りで自分を下げるとき
先に自分を下げておけば、他人から低く評価されたときの衝撃が小さくなります。
「自分なんてたいしたことない」と先に言えば、否定されても予定どおりだからです。
ただし、聞いている側には別の響きで届きます。
「こんなに下げているのだから、否定の言葉を返してほしいのかもしれない」と感じたり、返し方に困ったりします。
励ませば「そんなことない」と押し返され、同意すれば傷つけてしまう。
どちらを選んでも気まずい二択になります。
これが、周りの人が「疲れる」と感じる最初の入口です。
褒められると受け取れないとき
褒めを押し返す動きは、本人の中では謙遜のつもりであることが多いと思います。
しかし辞書にある謙虚は、すなおに相手の意見を受け入れることを含んでいました。
押し返すたびに、相手の言葉を「受け取らなかった」記録が積み重なります。
何度か続くと、相手は褒めること自体をやめてしまいます。
すると本人は「やっぱり、自分は褒められるような人間ではなかった」と確認してしまう。
この循環が、卑屈さを固める一因になると、筆者は考えています。
好意や助けを疑ってしまうとき
親切にされると、「何か裏があるのでは」「同情されているだけでは」と考えてしまう人がいます。
手伝いを申し出た同僚に対して「自分がやりたいのに」と不機嫌な態度を取ってしまう、という悩みも、Q&Aサイトでは見かけます。
本人は手助けを「自分は一人でできないと思われている」という評価に読み替えてしまっているのかもしれません。
好意を疑う気持ちは、過去に人から否定された記憶が強いほど出やすい、と筆者は想像しています。
ただし、原因を一つに決めることは、筆者にはできません。
過去を調べるより、いま目の前の場面で何が起きたかを見るほうが、すぐ使える手がかりになります。
否定から入ってしまうとき
何を言われても「でも」「いや」「無理」から始めてしまう癖があります。
本人は、イエスマンになって薄っぺらい人間になりたくない、という気持ちを持っていることもあります。
一方で、聞いている人からは、提案や気遣いを全部はねつけられているように感じられます。
否定から入る癖を直すために、全部に賛成する必要はありません。
賛成も反対もする前に、いったん相手の言葉を受け取る一言を挟むだけで、会話の流れはかなり変わります。
具体的な言い方は、後半の「言い換えの例」にまとめます。
育った環境を、どう扱えばよいか
相談のなかには、家族から否定されて育ったことが、いまの自分につながっていると感じている方もいます。
その感覚は、本人にとっては事実として大切なものです。
筆者は、過去の経験が現在の言い方に影響することは十分ありうると考えています。
同時に、それを「だから変われない」の理由にすると、動ける部分まで一緒に止まってしまいます。
「原因を探すこと」と「いま何をするか」を、別の作業として分けて考えてみてください。
原因を整理したいときは、時間をかけてよいことです。信頼できる相談窓口に話すのも一つの方法です。
一方、毎日の言葉の選び方は、今日から少しずつ変えられます。
どちらも必要ですが、同じ机の上に並べると、片方がもう片方を止めてしまいます。
全部を変えようとしなくてよい
この章の3つの動きは、どれも多くの人が少しずつ持っているものです。
程度の差はあっても、自分にまったく当てはまらない人のほうが少ないかもしれません。
当てはまったからといって、自分に欠陥があるという意味にはなりません。
卑屈な言動に気づくと、全部を一度に直したくなります。
けれども、癖は急に消えるものではありません。
1日に1回だけ、言い換えられた場面を数える。それくらいの小さな目標で足ります。
次の章で、その具体的な方法を整理します。
本人の見直し方 言い換えと受け取る練習
ここも筆者の提案です。効果が証明された方法ではありません。
合わなければ、やめてかまいません。
目標は、自分を高く見せることではありません。
自分を必要以上に下げる言葉を減らし、相手の言葉が入る隙間を作ることです。
自分を下げる言葉を言い換える
先回りで自分を下げてしまう場面では、言い換えの型を1つ決めておくと使いやすくなります。
| ついこう言う | 言い換えの例 | 変わること |
|---|---|---|
| どうせ私には無理です | まだ慣れていないので、やり方を教えてもらえますか | 能力の否定が、現状の説明と頼み事に変わる |
| たいしたことないです | ありがとうございます。助かったと聞いて嬉しいです | 押し返しが、受け取りに変わる |
| すみません、迷惑ですよね | お願いしてもいいですか | 先回りの謝罪が、依頼に変わる |
| 自分なんかが言っても | 一つだけ意見を言ってもいいですか | 自分を消す言い方が、許可を取る言い方に変わる |
言い換えは、嘘をつくことではありません。
事実として言えることだけを選びます。
「できる」と言い切れないなら、「まだ慣れていない」で十分です。
褒められたら「ありがとう」だけ返す
褒めを受け取る練習の入口は、とても小さくてかまいません。
褒められたら、理由を説明せずに「ありがとうございます」とだけ返します。
謙遜の言葉を足したくなっても、1回目は我慢してみてください。
それだけで、相手の好意は受け取られたことになります。
ここでの狙いは、自分を認めることではありません。
「受け取っても何も起きなかった」という経験を、少しずつ増やすことです。
褒めが怖いと感じるのは、受け取ったあとに何かを返さなければならない気がするからかもしれません。
返さなくてよい場面は、思っているより多くあります。
事実と評価を分けて書き出す
卑屈な気持ちが強くなったときは、頭の中の言葉を紙に書き出します。
そのうえで、事実と評価に分けます。
たとえば、「会議で意見を言ったら、誰も返事をしなかった」は事実です。
「自分の意見はつまらないから無視された」は評価です。
評価の部分は、本当にそうだったか確かめようがありません。
事実の側に、ほかの説明が入る余地を探します。
たとえば、時間が押していた、資料を読んでいた、聞き取れなかっただけかもしれない。
ここで「ポジティブに考え直す」必要はありません。
「評価は、分からない」と書くだけで、気持ちの重さが少し変わることがあります。
過去の自分に比べる
誰かと比べるのが癖になっていると、比べること自体が自分を下げる行為になります。
卑屈なときは、他人の良いところと自分の悪いところを並べて比べがちです。
比べる相手を、1か月前の自分に替えてみます。
できなかったことが1つ、できるようになっていないか。
小さくても、前より進んだ点を1行だけ書きます。
筆者の考えでは、比べる相手を選び直すだけで、自分を下げる材料が減ります。
家族の言葉との距離の取り方
家族から繰り返し否定されてきた方は、その言葉が頭の中で再生され続けることがあります。
その声を、いまの自分の評価としてそのまま受け取る必要はありません。
「あの人が、あのとき、そう言った」と、出所つきで言い直してみます。
出所をつけるだけで、自分の考えと他人の言葉が少し離れます。
家族と会う時間が負担になるなら、会う頻度や時間を自分で決めてよいと思います。
距離を取ることは、家族を否定することではありません。
自分が回復するための時間を確保する行動です。
謙虚さを手放さずに自信を取り戻す
卑屈を直そうとして、強がる方向へ振れてしまうことがあります。
しかし、辞書の謙虚は「控え目で、へりくだって、すなおに受け入れる」ことでした。
謙虚さそのものは、手放さなくてかまいません。
直したいのは、自分を必要以上に下げる部分と、受け取りを閉じる部分です。
控えめな人が、相手の言葉を受け取りながら、自分の考えも一言添える。
それが、筆者の考える落ち着いた着地点です。
続けるためのコツと、うまくいかない日の考え方
1日の終わりに、その日に気づいた口癖を、手帳の隅に1行だけ書いておく方法があります。
書く内容は「会議で、どうせ無理ですと言いかけた」程度でかまいません。
1週間分を見返すと、口癖が出やすい場面や時間帯が見えてきます。
疲れている夕方に多い、特定の人の前で増える、といった傾向が分かれば、その場面だけ先に準備しておけます。
言い換えを始めて数日で、また口癖が出てしまう日はあります。
そのとき「やっぱり変われない」と結論を急がないでください。
口癖が出たことに気づけた時点で、観察できているということです。
その日は、気づけた回数を1つ数えて終わりにします。
数えるのは、言い換えられた回数より先に、気づけた回数で十分です。
2週間ほど続けても気持ちの重さが変わらないときは、1人で続けるより、窓口や医療機関に相談する段階かもしれません。
詳しくは、後半の「相談先」の節にまとめます。
卑屈な人に疲れた周りの人へ 職場・友人・家族での付き合い方
ここからは、卑屈な人と日常的に付き合っている方に向けた整理です。
相手を変えるための方法ではありません。
自分の心が消耗しないための付き合い方を、筆者の提案としてまとめます。
疲れるのは、あなたが冷たいからではない
愚痴や否定を毎日聞いていれば、誰でも疲れます。
「最初は親身に聞いていたのに、最近は面倒に感じる」という声を、Q&Aサイトでも見かけます。
その感覚を、薄情だと責める必要はありません。
聞く側の体力には限りがあります。
好意を受け取ってもらえない状態が続くと、与える側のやる気も減ります。
それは自然な反応です。
愚痴を聞く時間と量を、先に決めておく
愚痴を聞くこと自体は悪いことではありません。
ただし、聞き方に上限がないと、相手にとっても自分にとっても負担が増えます。
先に決めておけるのは、次のようなことです。
| 決めること | 具体例 |
|---|---|
| 聞く時間 | 昼休みの15分だけ、帰りの電車の中だけ |
| 聞く場所 | 職場の雑談として、個別メッセージでは長文を受けない |
| 返し方 | 解決しようとせず「それはしんどいね」とだけ返す |
| 終わらせ方 | 「そろそろ戻るね」と自分から区切る |
上限を決めることは、相手を見捨てることではありません。
長く付き合うための、土台づくりです。
手伝いを断られたときの受け止め方
善意の手助けを「なんでやったの」と拒まれると、傷つきます。
筆者の見方では、相手は手助けを「自分の能力への評価」として受け取っている可能性があります。
そのときに効くのは、手伝いを「自分の都合」として伝える言い方です。
「こっちが空いたから、ついでに持ってくるね」くらいの軽さで伝えます。
断られたら、「分かった、また必要なら言ってね」とだけ返して、引き下がります。
何度か続けるうちに、相手が手助けを受け取りやすくなることもあります。
ただし、これは筆者の想像です。必ず効く方法ではありません。
否定から入る友人に、何と言えばよいか
Q&Aサイトでは、否定から入る友人に直し方を伝えたところ、同じやりとりが繰り返され、相手がさらに殻に閉じこもってしまった、という相談も見かけました。
相手の言動を指摘して直させようとすると、卑屈な人は「やっぱり自分はダメだと言われた」と受け取りやすいと、筆者は考えます。
その場合に使える方法は、指摘より先に、できていることを1つ言葉にして伝えることです。
たとえば「あなたの趣味の話は、聞いていて面白い」のように、事実を一言添えます。
直すように求めるのは、相手から相談されたときだけにとどめます。
こちらからの助言を5回繰り返すより、1回の「聞いているよ」のほうが入りやすい場面もあります。
相手が助けを求めてきたら、結論を急がずに、相手の言葉を一度受け止めてから返してください。
職場の同僚が卑屈なとき
職場では、感情の話と業務の話を分けるのが基本です。
業務については、確認事項や期限を事実だけで伝えます。
「お願いします」「ありがとうございます」と、淡々と言葉を足すだけでも、関係は安定しやすくなります。
感情の話は、聞くかどうかを自分で選んでよいと考えます。
個別のメッセージで愚痴が増えたときは、返信の頻度を少しずつ落としてかまいません。
返信を遅らせることは、相手を嫌いになったという意味にはなりません。
職場のつらさが相手の言動だけに由来しているとは限りません。
人手の不足や評価の仕組みなど、環境側の事情が背景にあることもあります。
その場合は、同僚個人にだけ向き合わず、上司や社内の相談窓口に状況を伝える選択もあります。
家族やパートナーが卑屈なとき
家族は離れにくいぶん、疲れが重なりやすい関係です。
同居している場合、1人になれる時間と場所を作ることが、まず役に立ちます。
相手の言葉に毎回反応するのをやめて、「聞こえている」と伝えるだけにする方法もあります。
「あなたが悪い」と言わずに、「私は、その言い方を聞くと疲れる」と、自分を主語にして伝えます。
相手の気持ちを否定せず、自分の状態だけを伝えるので、反発が起きにくくなります。
話し合いは、お互いに疲れていない時間帯を選んでください。
離れる判断をしてもよい場面
相手の言動で自分の睡眠や仕事に影響が出ているとき、相手を変えようとするほど消耗するときは、距離を置いてよいと考えます。
距離を置いたからといって、友情や家族の絆がなくなるわけではありません。
自分の心を守る手段として、頻度を下げる、連絡を絞る、会う場所を変える、といった調整ができます。
罪悪感を持つ方が多いのですが、自分が倒れてしまっては、相手を支え続けることもできません。
決断に迷うときは、後半に載せる窓口に相談してみてください。
気持ちの落ち込みが続くときの目安と相談先
この言葉は、性格の傾向として語られることが多いものです。
ただし、気持ちの落ち込みが背景にあることもあります。
この記事は、診断をするものではありません。
確かめた公的機関の説明を、そのまま紹介します。
公的機関のページで確かめた、うつ病の説明
国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」では、うつ病を次のように説明しています。
一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった精神症状とともに、眠れない、食欲がない、疲れやすいなどの身体症状が現れ、日常生活に大きな支障が生じている場合、うつ病の可能性がある、というものです。
同じページに、うつ状態では物事の捉え方が否定的になり、自分がダメな人間だと感じてしまうことがある、とも書かれています。
また、周囲の人にもわかるサインの例として、表情が暗い、自分を責めてばかりいる、涙もろくなった、といった変化が挙がっています。
厚生労働省の「こころもメンテしよう」のページでは、次の症状のうち5つ以上(1か2を含む)が2週間以上続いていたら、専門家に相談することをすすめています。
- 悲しく憂うつな気分が一日中続く
- これまで好きだったことに興味がわかない、何をしても楽しくない
- 食欲が減る、あるいは増す
- 眠れない、あるいは寝すぎる
- イライラする、怒りっぽくなる
- 疲れやすく、何もやる気になれない
- 自分に価値がないように思える
- 集中力がなくなる、物事が決断できない
- 死にたい、消えてしまいたい、いなければよかったと思う
この一覧は、医師が診断する基準そのものとは別に、相談を考える目安として示されたものです。
当てはまる数を数えて自分で判断せず、気になるときは医療機関や相談窓口に話してください。
病気かどうかを、この記事で示すことはしません。
逆に、性格の問題だと決めつけることもできません。
判断は、専門家に任せてください。
相談できる窓口
2026年11月5日に、厚生労働省のページで窓口の案内を確かめました。
| 窓口 | 内容 | 受付時間(公式ページの記載) |
|---|---|---|
| こころの耳 働く人の「こころの耳電話相談」(0120-565-455) | 働く人やその家族の、こころの悩み・人間関係・仕事の悩みの相談。診断や治療方法の提示は対応できない | 平日17時〜22時(受付は21時50分まで)、土日10時〜16時(受付は15時50分まで)。祝日・年末年始を除く |
| こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556) | 都道府県・政令指定都市の公的な相談窓口につながる | 曜日・時間は都道府県によって異なる。050で始まるインターネット電話からはつながらない |
「こころの耳電話相談」は、発信者番号を通知しないとつながりません。
非通知設定の場合は、電話番号の前に186をつけてください。
死にたい気持ちや消えてしまいたい気持ちが強いときは、1人で抱えず、すぐ連絡してください。厚生労働省の「まもろうよ こころ」のページには、毎日24時間対応の電話相談の窓口も載っています。
緊急のときは、119番や、近くの医療機関に連絡してください。
国立精神・神経医療研究センターのページでは、うつ病かなと思ったときは自己判断をせず、総合病院の精神科や心療内科、精神科のクリニックなどに相談することをすすめています。
かかりつけの内科の医師や、保健所、精神保健福祉センターの相談窓口に話すこともできると書かれています。
よくある質問
Q1. 卑屈と謙虚は、何が違いますか
辞書の説明では、謙虚は控え目でつつましく、すなおに相手の意見などを受け入れることです。
卑屈は、いじけて必要以上に自分をいやしめることです。
筆者の整理では、違いは相手の言葉を受け取れるかどうかにあります。
Q2. 性格は変えられますか
性格全体を消すことは、目標にしなくてよいと考えます。
自分を下げる言葉の癖や、褒めを押し返す動きは、言い換えの練習で少しずつ変えられる部分です。
続けても気持ちが重いときは、専門家に相談してください。
Q3. 相手にイライラしてしまいます。冷たい人間でしょうか
そうは考えません。
好意を受け取ってもらえない状態が続けば、誰でも疲れます。
愚痴を聞く時間や量に上限を決めて、自分の消耗を減らしてください。
Q4. 相手に、どう声をかければよいですか
直す方法を伝えるより、できていることを1つ、事実として伝えるほうが入りやすいと、筆者は考えます。
相手から相談されたときに、助言を返す形にしてください。
Q5. 卑屈になるのは、育った環境のせいですか
環境が影響することは、ありえると思います。
ただし、原因を1つに決めることは、筆者にはできません。
原因を整理する作業と、いまの言葉を選び直す作業は、別のものとして分けて進めてください。
確かめた出典
この記事で触れた辞書と公的機関の情報は、2026年11月5日に内容を確かめました。
- デジタル大辞泉「卑屈」「謙虚」「謙遜」「卑下」の各項(コトバンク収録)
- 精選版日本国語大辞典「卑屈」の項(コトバンク収録)
- 国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」の「うつ病」
- 厚生労働省「こころもメンテしよう」の「うつ病」
- 厚生労働省 働く人の「こころの耳電話相談」
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」の電話相談の案内
3つの動き、言い換えの例、愚痴を聞く上限の決め方、声かけの例は、筆者の整理と提案です。公的な資料に書かれた内容ではありません。効果が証明されたものでもありません。
Q&Aサイトの相談は、内容を要約して紹介しています。投稿した方の内面を、筆者が知っているわけではありません。
まとめ
辞書の上では、卑屈は、いじけて必要以上に自分をいやしめることで、病名ではありません。
謙虚には、すなおに相手の意見を受け入れる動きが含まれ、卑屈にはその動きがありません。
本人は、自分を下げる言葉を言い換え、褒められたら「ありがとう」とだけ返す練習から始めてください。
周りの方は、愚痴を聞く時間と量に上限を決め、自分の疲れを守ってください。
落ち込みが長く続くときや、生活に影響が出ているときは、公的な窓口や医療機関に相談してください。診断は医師が行うもので、この記事で決めることはできません。
今日できる一歩として、本人は、自分を下げる口癖を1つだけ選び、言い換えを紙に書いてみてください。
周りの方は、次に愚痴を聞くときの終わり方を、先に1つ決めておいてください。
関連記事
自分の言葉の癖や、人との距離の取り方を、本でも確かめたいときのために
言い換えや受け取り方は、本で例を読むと当てはめやすくなります。気になるものから探してみてください。
※当サイトのリンクにはアフィリエイトを使用しています
