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忘れっぽい自分を仕組みで支える方法と職場での伝え方 病気が気になるときの目安

忘れっぽい自分を仕組みで支える方法と職場での伝え方 病気が気になるときの目安

約束も、頼まれたことも、持ち物も、気づくと抜け落ちている。何度も同じミスをして、自分の頭が信用できなくなってくる。

この記事は、そんな日々に疲れて「どうすれば忘れなくなるのか」と調べている方に向けて書きました。

職場で忘れっぽい人に困っている側の方にも、読んでいただける内容にしています。

最初に、答えの要点をお伝えします。

  • 忘れることを気合いで防ぐのは難しいので、頭の外に出す仕組みを先に作る
  • 仕事では「忘れやすいので、こうして防いでいます」と先に伝えたほうが、信頼を落としにくい
  • 忘れやすさの背景に病気が隠れていることもあるため、生活に支障が出ているときは受診や相談に進む

この記事は、次の順で進めます。

  • 忘れる場面を分けて、原因を整理する
  • 約束・持ち物・頼まれごとを、仕組みで減らす方法
  • 仕事での伝え方と、周りの人の付き合い方
  • 病気との関係と、受診の目安、相談できる窓口

先にお断りしておきます。この記事で診断はできません。診断は医師が行うもので、文章やセルフチェックで決められるものではないからです。

病気に触れる部分は、厚生労働省や国立の機関のページを2026年10月30日に実際に開いて、確かめられた範囲だけを書いています。

目次

Q&Aサイトで見かけた「アルバイトのミスが続いて、脳を治したい」という相談

先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。

投稿していたのは、アルバイトで接客をしている方です。

小さい頃から忘れ物が多く、通知表の「忘れ物をしない」の欄に、一度も丸がついたことがなかったそうです。

最近になって、その癖がバイト先で重くのしかかっているといいます。

レジでお客さんに袋が必要かを聞き、「いります」と答えてもらったのに、その返事を忘れて袋を用意しない。

袋の代金をレシートに入れ忘れる。そうしたミスが続いていました。

昨日は、同じお客さんに「これで3回目だぞ、顔と名前を覚えたから次はやるなよ」と叱られたそうです。

本人は、先に準備する、覚えておく、というやり方ができれば防げるミスだと分かっています。

それでも自分には到底難しい、と感じています。

質問は、何か解決方法はないか、脳みそを治すにはどうしたらよいか、という内容でした。

寄せられていた回答には、レジ袋の確認を最初に済ませて枚数を手元に用意する、という提案がありました。

商品をスキャンして最後に袋を聞く、というように自分の段取りを固定する案や、お客さんの答えを「1枚ですね」と復唱する案もありました。

回答者自身も、同時に複数のことを頼まれると片方を落としやすく、一つずつ確実にこなすようにしているそうです。

どれも、現場で試せる具体的な知恵だと感じます。

この相談に隠れている二つの論点

この質問を読んで、私は二つのことが気になりました。

ひとつは、質問者さんが「脳を治す」という言い方をしているところです。忘れやすさを、自分の欠陥のように受け止めているように見えます。

もうひとつは、忘れた中身が「聞いたその場で処理すべきこと」に偏っているところです。

袋が必要かどうかの返事は、聞いた直後に動けば忘れようがありません。後回しにするから、頭の中に置いておく必要が生まれます。

忘れやすい人に必要なのは、記憶力を鍛えることよりも、頭に置いておく量を減らす作り方のほうです。

もちろん、これは仕組みの話で、体の状態が関わっている場合は別の対処が要ります。

その見分け方は、記事の後半でお伝えします。

お客さんに叱られたあとの気持ちの扱い方

忘れた直後は、申し訳なさと恥ずかしさで頭がいっぱいになります。

叱ったお客さんにも、袋が出てこなかった不便さと、同じことが続いた苛立ちがあったはずです。

どちらの気持ちも自然なものなので、片方を否定する必要はありません。

ただ、自分を責める時間が長いほど、次の場面で緊張が増し、確認のために使える余力が減ります。

反省は短く済ませて、同じ場面でどう動くかという段取りの見直しに時間を使うほうが、結果として同じミスが減ります。

この記事の中心も、そこに置いています。

叱られた翌日に、次の勤務が怖くなる気持ちも自然です。その怖さを減らすためにも、手順を先に固めておく価値があります。

忘れっぽいという言葉が指しているもの

日常会話の「忘れっぽい」は、実はいくつもの場面をひとまとめにした言葉です。

予定を忘れる、頼まれたことを忘れる、物を置いた場所を忘れる、人の名前が出てこない。

どれも「忘れた」ですが、起きている仕組みも、効く対策も違います。

次の章で、この場面を分けて整理します。分けると、自分がどこでつまずいているのかが見えやすくなります。

忘れる場面を四つに分けると、対策が見えてくる

忘れたことを、場面ごとに仕分けしてみます。ここからの分類は、公的な資料にあるものとは別に、筆者が対策を考えやすくするために整理したものです。

場面 例 つまずきやすい点
予定・約束 病院の予約、締め切り、待ち合わせ 思い出すきっかけがない
頼まれごと 「あとでこれをしておいて」 聞いた瞬間に書き留めていない
持ち物・置き場所 鍵、財布、書類、傘 置く場所が毎回違う
作業の途中 割り込まれて元の作業を忘れる 中断した位置の目印がない

この表のとおり、同じ「忘れた」でも、手当てする場所が違います。

予定は通知で、頼まれごとはメモで、持ち物は置き場所で、作業の途中は目印で防ぎます。

全部を一つの方法で解決しようとすると、どれも中途半端になって、続かなくなります。

質問者さんのレジ袋は「作業の途中」と「頼まれごと」の合わせ技

最初に紹介した相談を、この表に当てはめてみます。

お客さんの「袋がいります」は、その場で受けた頼まれごとです。

そのあとに商品のスキャンや会計の操作が挟まるので、作業の途中という場面も重なっています。

二つの場面が同時に起きているので、頭の中だけで持ち続けるのは、どんな人でも難しくなります。

だから対策も、二段構えにします。聞いた瞬間に形にして残すことと、手順の中に確認の場所を固定することです。

具体的な方法は、次の章で説明します。

忘れやすくなる理由は、ひとつに決められない

忘れやすさの背景には、いろいろな要因が重なります。

ここでは、確かめられたものと、一般に言われているものを分けて書きます。

睡眠不足は、公的な資料で確かめられた要因

厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」の「昼間の眠気」のページを、2026年10月30日に開いて確認しました。

そこには、睡眠不足が長期間続くと、慢性的な眠気や認知パフォーマンスの低下、気分の不安定さなど、生活にさまざまな支障が出てくると書かれています。

この状態は睡眠不足症候群と呼ばれる、という説明もありました。

さらに、数日程度の睡眠不足では眠気をはっきり自覚できるものの、不足が長引くと、むしろ眠気を自覚しにくくなることが明らかになっている、とも書かれています。

つまり、本人が「眠くないから大丈夫」と感じていても、注意力や記憶の働きが落ちている可能性があります。

同じページには、疲労回復に必要な睡眠時間には大きな個人差がある、という記述もありました。

睡眠時間の長さだけで判断せず、慢性的な眠気で困っているときは、医療機関に相談するよう書かれています。

忙しさと情報量も、忘れやすさに関わる

こちらは、公的な資料での裏付けは取っていない、筆者の見方です。

同時に抱える用事が多いほど、ひとつひとつへの注意は薄くなります。

スマートフォンの通知やメッセージが次々に届く環境では、頼まれごとを聞いた直後に別の情報が割り込んできます。

忙しい時期にだけ忘れが増える人は、能力が下がったと考える前に、頭に乗せる量が上限を超えていないかを見てください。

病気や体の状態が背景にあることもある

後半で詳しく書きますが、認知症、うつ病、甲状腺の病気、発達の特性などが、忘れやすさと関わる場合があります。

ここで大切なのは、自分で当てはめて決めつけないことです。

仕組みで工夫しても追いつかない、以前と明らかに違う、生活に支障が出ている。そう感じたときは、工夫を重ねる前に相談へ進んでください。

仕組みを作る前に、まず「困っている場面」を3日分だけ書き出す

対策を考える前に、実際にどこで忘れたかを、紙かスマートフォンのメモに残してみてください。

期間は3日で十分です。いつ、何を、どんな状況で忘れたかを一行ずつ書くだけで構いません。

3日分を並べると、忘れる場面が偏っていることに気づく人が多いはずです。

朝の出かけ際ばかり、人と話している最中ばかり、といった偏りが見つかれば、そこだけに対策を打てます。

書き出しの例

たとえば、次のように並べます。

日 忘れたこと そのときの状況
1日目 返信の約束 会議の直前に頼まれた
1日目 傘 帰りに雨が止んでいた
2日目 書類の提出 別の作業に集中していた
3日目 袋の確認 後ろに列ができて焦った

こうして見ると、「直前に頼まれた」「焦った」といった、状況の共通点が出てきます。

共通点が見つかれば、その状況のときだけ使う決まりごとを一つ作れば足ります。

全部を変えようとせず、いちばん困る一場面から手を付けるほうが、続きやすくなります。

約束と予定を仕組みで減らす

ここからは具体的な方法です。先にお断りすると、この章の方法は筆者の提案で、公的な資料に効果が示されたものではありません。

人によって合う合わないがあるので、試して続くものだけ残してください。

予定は「入れた瞬間」に通知まで設定する

予定を忘れる人の多くは、予定を入れる作業と、通知を設定する作業を別々にしています。

予定を聞いたその場で、日時と一緒に通知までセットで入れる、と決めておきます。

通知は1回だけだと見逃すので、前日の夜と当日の2回にします。

病院の予約や提出物の締め切りは、本番の3日前にも1回入れておくと、準備の余裕が生まれます。

カレンダーは一か所にまとめる

手帳、スマートフォン、壁掛けカレンダーと、予定の置き場所が散らばると、どれを見ればいいのか分からなくなります。

見る場所は一か所に決めて、他の場所に書いた予定は、その日のうちに移します。

家族と共有する予定だけは、全員が見られる場所に置きます。

持ち物と置き場所を仕組みで減らす

持ち物の忘れは、置き場所を固定するだけで大きく減ります。

玄関に「出かける前の定位置」を作る

鍵、財布、定期券、スマートフォンの充電器を、玄関近くの同じ場所に置きます。

帰宅したら、考える前にそこへ置く。この動作を習慣にすると、探す時間がなくなります。

物を置く位置が毎回変わる人は、まず「何をどこに置くか」を一度だけ決めてください。

前日の夜に、翌日の荷物を玄関へ出しておく

朝の慌ただしい時間は、頭に乗せる量が増えるので、忘れやすくなります。

前日の夜に、持っていくものを玄関に並べておけば、朝は並んだものを持つだけで済みます。

雨の日の傘や、返却する本のように、いつもと違う荷物は、ドアの前に置くと見落とせません。

頼まれごとを仕組みで減らす

頼まれごとは、聞いた瞬間に形にして残せば、頭の中に持ち続ける必要がなくなります。

その場で書く、書けないときは復唱する

聞いたら、その場でメモを取ります。手が離せないときは、相手の言葉を声に出して復唱します。

復唱は、聞き間違いを防ぐ効果もあるので、一石二鳥です。

最初の相談に寄せられていた「1枚ですね、かしこまりました」という復唱も、同じ考え方です。

「あとで」を作らない

その場で終わる用事は、あとに回さず、その場で済ませます。

返信、記入、確認。2分以内に終わるものは、頼まれた直後に片づければ、忘れる余地がありません。

作業の途中を仕組みで減らす

割り込みが多い仕事では、中断した位置に目印を残します。

区切りの悪いところで止めて、メモを残す

作業を再開するとき、どこまで進めたかを思い出す時間が長くなると、ほかの用事に流されます。

中断するときは、「次にやること」を一行だけ書いて、見える位置に置きます。

こうしておけば、再開の最初の一歩が決まっているので、戻りやすくなります。

接客や窓口の仕事では、手順の中に確認を固定する

最初の相談のレジ袋のように、お客さんとのやりとりが連続する仕事では、確認する順番を手順に組み込みます。

袋の確認を最初に済ませる、会計の前に指差しで見る、金額を読み上げる。

こうした流れを毎回同じにすれば、考えなくても体が動くようになります。

まず職場に決まった手順があるかを確認して、なければ先輩や店長に相談して、自分用の手順を決めてもらうのも手です。

仕組みの選び方の目安

方法を並べると、どれから始めるか迷います。次の表で、場面ごとに最初の一手をまとめます。

困る場面 最初の一手 続けやすさの目安
予定を忘れる 入れた瞬間に通知を2回設定する 毎回同じ操作で済む
頼まれごとを忘れる その場でメモか復唱をする 習慣にするまで少し練習が要る
物をなくす 置き場所を一か所に固定する 家族の協力があると続く
作業の途中で忘れる 中断時に次の一手を書く 付箋一枚で始められる

この表の中から、いちばん困っている場面を一つだけ選んでください。

二つ以上を同時に始めると、どちらも続かなくなるので、一つが定着してから次へ進みます。

仕組みが続かなかったときの考え方

新しい方法を始めて、3日で止まることは珍しくありません。止まったこと自体は、失敗ではありません。

続かなかった理由を、手間が多すぎた、置く場所が遠かった、通知が多すぎて無視した、というように具体的に見ると、直せる部分が見つかります。

手間が多いなら減らし、場所が遠いなら近くへ移し、通知が多いなら本当に大事なものだけに絞ります。

最初から完璧な仕組みを作ろうとせず、小さく始めて、使いながら調整していくほうが、生活に根づきます。

家族や同僚に協力してもらえるなら、その人にも仕組みの中身を伝えておくと、見守ってもらいやすくなります。

仕事で忘れっぽいことに困っている人の伝え方

仕組みを作っても、ゼロにはなりません。だからこそ、忘れたときの動き方も、先に決めておきます。

職場での信頼は、忘れないことよりも、忘れたあとの動きで決まる部分が大きいと、筆者は考えています。

先に伝えておくと、あとが楽になる

上司や同僚に、自分の傾向と対策を短く伝えておくと、ミスが起きたときの受け止められ方が変わります。

言い方の例を、場面別に並べます。

場面 言い方の例
指示を受けるとき 「忘れないよう、いまメモに取りますね」
期限のある依頼 「前日にこちらから状況をお伝えします」
口頭で頼まれたとき 「念のため、チャットでも送っていただけますか」
ミスをしたあと 「申し訳ありません。次からは、この手順で防ぎます」

「忘れっぽいので」と謝るだけで終わらせず、どう防ぐかまで添えるのがコツです。

防ぎ方が見えれば、相手も安心して仕事を任せやすくなります。

文字で残してもらうことは、わがままではない

口頭の指示は、聞き手の記憶にだけ頼る形になります。

文字で残すことは、誰にとっても聞き間違いを減らす、ごく普通の仕事の進め方です。

「確認のため、こちらにまとめておきます」と自分から文面を送れば、相手に手間をかけずに済みます。

ミスをしたあとの報告は、早さを優先する

気づいた時点ですぐ伝えると、被害を小さくできます。

隠そうとした時間が長いほど、相手の不信感が増すので、気づいたらすぐ口にします。

謝罪は短く、事実と今後の対応を続けて伝えます。長い言い訳は、相手の時間を奪ってしまいます。

忘れっぽい人に困っている側の付き合い方

ここからは、同僚や部下、家族に忘れっぽい人がいて困っている方に向けた内容です。

何度言っても忘れる相手に、苛立つ気持ちは自然です。

その気持ちを無理に抑えなくて構いません。そのうえで、効果が出やすい頼み方を紹介します。

頼みごとは、口頭だけで終わらせない

口頭で伝えたあとに、同じ内容を文字でも送ります。期限と、何をしてほしいかを、一文ずつに分けて書きます。

「来月までに用意してね」と言うより、「3日の午後5時までにこの書類を提出」と書いたほうが、相手は動きやすくなります。

途中経過を、決まった日に確認する

期限の直前だけでなく、期限の半分くらいの日に一度、進み具合を聞きます。

確認する日を最初に伝えておけば、「また責められた」という受け止めになりにくくなります。

責める言い方より、仕組みの相談に切り替える

「なんで忘れるの」と聞かれると、理由を答えられず、相手は黙ってしまいます。

「忘れないために、どんな方法があるかな」と一緒に考える聞き方に変えると、話が前に進みます。

相手が自分で工夫を見つけられるように促すことが、結局は自分の負担を減らします。

抱え込みすぎない

確認や代わりの作業が増えて、自分のほうが疲れてしまうこともあります。

その場合は、上司や家族の中の別の人にも状況を共有して、一人で抱えない形にしてください。

性格や仕事の向き不向きの話は、ほかの記事でも扱っています。

マイペースと言われて悩む人と困る人へ 意味と言い換えと職場や家庭での付き合い方

飽き性で仕事が続かず転職を繰り返す人が自分に合う働き方を見つけるまでの考え方

自己中心的と言われて悩む人と、その周りで困っている人については、次の記事で扱っています。

自己中心的と言われる人と周りの人の向き合い方

忘れっぽいを英語で言うときの言い方

職場や旅行先で、英語で伝えたい場面もあるかもしれません。短い言い方を挙げます。

伝えたい内容 英語の例
自分は忘れやすい I tend to forget things.
うっかり忘れていた It slipped my mind.
忘れていて申し訳ない I am sorry, I forgot.
メモを取らせてほしい Let me write that down.

「forgetful」という形容詞もありますが、人の性格を決めつけるように聞こえることがあります。

自分のことを説明するなら、「I tend to forget things」のように、傾向として伝えるほうが角が立ちにくくなります。

相手に頼む場面では、「Could you send it by email?」のように、文字で送ってほしいと添えるのが実用的です。

忘れやすさと病気の関係 確かめられた範囲だけ整理する

ここからは、病気との関係を整理します。繰り返しになりますが、この記事で診断はできません。

以下は、厚生労働省と国立の機関のページを2026年10月30日に開いて確かめた内容です。

加齢による物忘れと、認知症による物忘れの違い

政府広報オンラインの「知っておきたい認知症の基本」には、両者の違いの一例が整理されています。

項目 加齢によるもの忘れ 認知症によるもの忘れ
体験の忘れ方 体験したことの一部を忘れる 体験したことの全てを忘れる
例 朝ごはんを食べたことは覚えているが、メニューが思い出せない 朝ごはんを食べたこと自体を忘れている
自覚 もの忘れの自覚がある 自覚がない(初期には自覚があることが少なくない)
進み方 極めて徐々にしか進行しない 進行する

同じページには、これは一例だという注記があります。この表だけで当てはめて決めることはできません。

また、認知症とよく似た状態としてうつやせん妄があり、認知症の状態を引き起こす体の病気として甲状腺機能低下症などもあるため、早期に適切な診断を受けることが大切だと書かれています。

注意の特性とADHD

こころの耳の用語解説では、ADHDを、発達水準からみて不相応に注意を持続させることが困難であったり、順序立てて行動することが苦手であったりする特徴が持続的に認められ、日常生活に困難が起こっている状態、と説明しています。

12歳以前からこれらの行動特徴があり、学校、家庭、職場などの複数の場面で困難がみられる場合に診断される、とも書かれています。

国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害情報・支援センターのページでは、不注意の例として「うっかりして同じ間違いを繰り返してしまうことがある」が挙げられています。

忘れ物が多いからといって、ADHDだと言えるわけではありません。診断は専門の医師が、生育歴や複数の場面での様子を見て行うものです。

睡眠とうつ病

睡眠不足については、前の章で書いたとおり、e-ヘルスネットに認知パフォーマンスの低下などが書かれています。

同じページには、睡眠の質が下がる睡眠障害や、うつ病などの精神疾患でも眠気が出ることがある、という記述もありました。

こころの耳の「うつ病の主な症状と原因」では、楽しみや喜びを感じなくなる状態が2週間以上続き、従来の社会生活が困難になる状態をうつ病と説明しています。

不眠とうつ病の関連を示す研究報告が多い、という説明もあります。

受診や相談を考える目安

次のような様子があるときは、仕組みの工夫を重ねる前に、相談へ進んでください。

様子 考えること
以前の自分と比べて、明らかに忘れやすくなった かかりつけ医や、もの忘れ外来に相談する
同じことを何度も言う、約束の日時や場所を間違える 家族と一緒に、早めに受診する
眠れない、眠気が強い、楽しめない状態が2週間以上続く 内科や心療内科、精神科に相談する
子どもの頃から忘れ物やうっかりが続き、仕事や家庭で困っている 精神科や発達障害の相談窓口に相談する

初期症状の例のうち、「同じことを何度も言う・問う・する」「約束の日時や場所を間違えるようになった」は、政府広報オンラインの同じページに載っているものです。

思い当たる言動が複数あるときは、専門医や専門家に相談するよう書かれています。

どこに相談するか

認知症に関しては、同ページに、市町村などに設置されている地域包括支援センター、かかりつけ医、医療機関のもの忘れ外来が相談先として挙げられています。

働く方のこころの不調には、厚生労働省の「こころの耳」に電話相談があります。

「働く人のこころの耳電話相談」は、0120-565-455(フリーダイヤル)です。

2026年10月30日に確認した受付時間は、平日が17時から22時(受付は21時50分まで)、土曜日と日曜日が10時から16時(受付は15時50分まで)で、祝日、振替休日、年末年始は休みです。

利用の前には、必ずこころの耳の公式ページで、その日の受付状況を確認してください。

厚生労働省の「まもろうよ こころ」には、悩みや年代によって選べる電話相談窓口が並んでおり、24時間受け付けている窓口も載っています。

ひどく落ち込んで、消えてしまいたいと思うほどつらいときは、一人で抱え込まず、そちらの窓口にかけてください。

よくある質問

Q1. 忘れっぽいのは生まれつきで、直せませんか

忘れやすさの感じ方には個人差があり、仕組みで補うことで困りごとが減る人は多くいます。

ただ、背景に睡眠不足や病気が関わっている場合は、仕組みだけでは追いつきません。以前と比べて明らかに変わったときは、相談を優先してください。

Q2. スマートフォンのメモと紙のメモは、どちらがよいですか

どちらが優れているという答えは、確かめられた資料では見つけられませんでした。

筆者の見方では、毎日必ず目に入る側を選ぶのが続けやすい基準です。通勤中によく見る人はスマートフォン、机に向かう時間が長い人は紙が合いやすくなります。

Q3. 何度言っても忘れる家族に、つい強く言ってしまいます

苛立つ気持ちは自然ですが、強く言うほど、相手は萎縮して聞き返せなくなることがあります。

期限と内容を文字で送り、確認する日を決める形に切り替えると、言い争いが減りやすくなります。

Q4. 忘れっぽい人でも続けやすい仕事はありますか

向き不向きは、忘れやすさだけで決まるものではありません。手順が決まっていて、確認の場所を組み込める仕事は、仕組みで補いやすい傾向があります。

ただし、これは筆者の見方で、特定の職種を勧めるものではありません。気になるときは、職場の担当者や就労の相談窓口に相談してください。

Q5. 病院に行くほどなのか、判断できません

生活に支障が出ているか、以前の自分と明らかに違うか、が判断の入口になります。

迷うこと自体が、相談してよい理由になります。かかりつけ医や、もの忘れ外来、こころの耳の電話相談などから選んでください。

確かめた出典

この記事で触れた情報は、次のページで、2026年10月30日に内容を確かめました。

筆者の提案と明記した部分は、公的な資料に書かれた内容ではありません。効果が証明されたものでもありません。

まとめ

忘れやすさは、気合いで直すより、頭の外に出す仕組みで支えるほうが続きます。

予定は入れた瞬間に通知まで、頼まれごとはその場でメモか復唱、物は置き場所の固定、作業の途中は次の一手を書いておく。この四つから、いちばん困る場面を一つ選んで始めてください。

仕事では、自分の傾向と防ぎ方を先に伝え、文字で残してもらう形に整えます。周りの方は、責める代わりに仕組みを一緒に考える聞き方に切り替えると、お互いの負担が減ります。

以前と明らかに違う、同じことを何度も繰り返す、眠れない状態や楽しめない状態が2週間以上続くなど、生活に支障が出ているときは、かかりつけ医や相談窓口へ進んでください。

診断は医師が行います。この記事やセルフチェックで、決めることはできません。

今日は、いちばん最近忘れたことを一つだけメモに書き、それを防ぐ方法を一行で添えてみてください。

忘れやすさとの付き合い方を、本でも確かめたいときのために

仕組みの作り方は、本で知っておくと自分の生活に当てはめやすくなります。気になるものから探してみてください。

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