結論 お金が貯まらないのは意志の弱さより仕組みの問題
毎月まじめに働いているのに、気づくと口座の残高がほとんど増えていない。節約を心がけているつもりなのに、貯金が一向に増えない。
お金が貯まらないと悩むとき、多くの人は自分の意志が弱いせいだと考えて、もっと我慢しようとします。ところが、我慢だけに頼る貯金は長続きしません。
反動でどこかにお金を使ってしまい、また振り出しに戻ります。
お金が貯まらない本当の原因は、意志の弱さより、貯まる仕組みが用意されていないことにあります。使う分と貯める分の境目が曖昧なまま、余ったら貯めようとすると、たいてい余りません。
人は目の前にあるお金を使ってしまう生き物だからです。だから、意志の力に頼るのをやめて、仕組みで貯める分を先に取り分けてしまう。
この順番を変えるだけで、同じ収入でも残高が増え始めます。
この記事では、お金が貯まらない3つの穴をふさぎ、我慢に頼らず自動で貯まる仕組みを作る手順を、今日からできる形で示します。
特別な知識や大きな収入は要りません。順番に沿って一つずつ整えれば、来月の残高が今月と違ってきます。
先日こんな悩みをQ&Aサイトで見かけました
先日、Q&Aサイトでこんな切実な悩みを拝見しました。手取りはそれなりにあるのに、月末になるといつもお金が残っていない。
何に使ったかもよく覚えていない。節約の本も読んだけれど続かない。
このままで将来が不安、という内容でした。頑張っているのに報われないという焦りが、言葉ににじんでいました。
この悩みで抜けていたのは、お金の流れを目に見える形にして、貯める分を先に取り分ける仕組みでした。何に使ったか覚えていないのは、意志の問題ではありません。
支出が見えていないだけです。見えないものは減らせません。
まず流れを見えるようにして、そこから仕組みを組み立てていきます。
お金が貯まらない3つの穴
お金が貯まらない状態には、3つの穴があります。支出を把握していない穴、貯める分を先に取り分けていない穴、固定費が高いまま放置されている穴です。
どの穴から漏れているかで、直す場所が変わります。まずは全体像を整理します。
| 穴 | 起きていること | ふさぐ方向 |
|---|---|---|
| 支出が見えていない | 何にいくら使ったか分からず、減らしようがない | 1か月だけ支出を書き出して見える化する |
| 先に取り分けていない | 余ったら貯めようとして、結局余らない | 給料日に貯める分を先に別口座へ移す |
| 固定費が高いまま | 毎月自動で出ていく費用を見直していない | 通信や保険など固定費を一度だけ点検する |
3つの穴のうち、多くの人が見落とすのは、先に取り分けていない穴です。節約というと食費や娯楽費を削る話になりがちですが、削る前に、貯める分を先に避難させるほうが確実です。
順番として、まず見える化、次に先取り、最後に固定費の見直しへ進みます。
多くの人がやってしまう貯金の失敗
お金を貯めようとするとき、良かれと思ってやったことが、かえって続かない原因になる場合があります。よくある3つの失敗を並べます。
自分に当てはまるものがないか確かめてください。
| やりがちな失敗 | そのときの考え | 起きること |
|---|---|---|
| 余ったら貯めようとする | 使ってから残りを貯めればいい | 目の前のお金を使い切り、残らない |
| いきなり大きく節約する | 一気に切り詰めれば早く貯まる | 反動で使いすぎ、続かずに挫折する |
| 細かい支出だけを我慢する | 小さな出費を削れば貯まる | 大きな固定費を見ずに、効果が小さい |
3つの失敗に共通するのは、我慢の量を増やす方向で解こうとしている点です。我慢は長続きしません。
貯まる人は、我慢を増やすより、仕組みで自動化しています。仕組みができれば、意志の力を使わずにお金が残ります。
次から、その仕組みの作り方に入ります。
貯まる仕組みを作る3つのステップ
ステップ1 1か月だけ支出を書き出す
最初のステップは、1か月だけ支出を書き出して、お金の流れを見える化することです。家計簿を完璧につける必要はありません。
使ったお金を、その日のうちにメモするだけで十分です。1か月続けると、思っていた以上に使っている項目が見えてきます。
見えれば、どこを減らせるかの判断ができます。減らす前に、まず知ることが先です。
ステップ2 給料日に貯める分を先に移す
2つめのステップは、給料が入った日に、貯める分を先に別の口座へ移すことです。これを先取り貯蓄と呼びます。
使う口座と貯める口座を分け、給料日に決めた額を貯める口座へ移してしまう。残ったお金でその月を過ごすと決めれば、我慢を意識しなくても貯まります。
最初は無理のない額から始め、続けられると分かってから少しずつ増やします。
ステップ3 固定費を一度だけ点検する
3つめのステップは、毎月自動で出ていく固定費を、一度だけまとめて点検することです。通信費、保険、使っていない定額のサービス。
これらは一度見直せば、その後は何もしなくても毎月効果が続きます。食費を毎日我慢するより、固定費を一度下げるほうが、負担が軽くて効果が長続きします。
次の表で、点検する場所を整理します。
| 点検する固定費 | 見落としがちな点 | 今日できる一手 |
|---|---|---|
| 通信費 | 使う量に対して料金が高いまま | 今の使用量に合った料金か確かめる |
| 保険 | 必要以上の保障に払い続けている | 今の暮らしに合っているか見直す |
| 定額サービス | 使っていないのに払い続けている | 直近で使っていないものを止める |
先取り貯蓄が続く理由
先取り貯蓄が効くのは、人の心の仕組みに合っているからです。手元にあるお金は、あるだけ使ってしまいがちです。
最初から別の口座へ移して見えなくしておけば、そのお金は最初から無かったものとして暮らせます。残ったお金でやりくりするうちに、その額での生活に自然と慣れていきます。
我慢している感覚が薄いまま貯まるので、長く続きます。
始めるときの額は、背伸びをしないことが大事です。いきなり高い目標を立てると、生活が回らなくなって挫折します。
まずは無理なく続けられる額から始め、数か月続いて生活が回ると分かってから、少しずつ増やしていきます。続くことが何より大切なので、最初は小さく始めてください。
貯まる人と貯まらない人の習慣の違い
同じくらいの収入でも、貯まる人と貯まらない人がいます。その差は、我慢の量より、日々の小さな習慣にあります。
代表的な違いを並べます。自分がどちら側の習慣になっているかを確かめてください。
| 場面 | 貯まらない人の習慣 | 貯まる人の習慣 |
|---|---|---|
| 給料が入った日 | 使ってから残りを貯めようとする | 先に貯める分を別口座へ移す |
| 買い物のとき | 安いから買う | 必要だから買う |
| 固定費 | 一度決めたら見直さない | 年に一度は点検する |
| お金の流れ | 何に使ったか把握していない | おおよその流れを知っている |
この表を見ると、貯まる人が特別な我慢をしているわけではないと分かります。違いは、先に取り分ける、必要かどうかで選ぶ、たまに見直すという、小さな習慣の積み重ねです。
どれも今日から真似できます。まずは自分の習慣を一つ、貯まる人の側へ寄せてみてください。
口座を分けて自動で貯める
使う口座と貯める口座を分ける
先取り貯蓄を続けるコツは、使う口座と貯める口座を物理的に分けることです。同じ口座の中で貯めようとすると、残高を見て使ってしまいます。
貯める口座を別に用意し、そこには普段手を付けないと決めておくと、貯めたお金が目の前から消えて、使う誘惑が減ります。分けるだけで、意志の力を使わずに残せます。
給料日に自動で移す設定にする
さらに続けやすくするには、給料日に自動で貯める口座へ移す設定にしておくことです。毎月自分の手で移そうとすると、忙しさや気の緩みで抜けてしまう月が出ます。
自動で移る仕組みにしておけば、意識しなくても毎月確実に貯まります。仕組みが自分の代わりに動いてくれるので、続けるための努力がほとんど要りません。
貯める口座は目的で分けてもいい
余裕が出てきたら、貯める口座を目的ごとに分けるのも効果的です。急な出費への備え、少し先の大きな買い物、遠い将来への備え。
目的が分かれていると、それぞれの進み具合が見えて、貯める気持ちが続きます。何のために貯めているかが見えると、途中で崩しにくくなります。
まずは一つの貯める口座から始め、慣れてきたら分けてください。
お金の不安を減らすには知ることから
お金が貯まらない不安の多くは、お金の流れや制度を知らないことから生まれます。漠然と不安なときは、正しい知識を一冊分だけでも入れておくと、何を優先すべきかが見えて、不安が具体的な行動に変わります。
家計の整え方から、貯める、増やすまでを一冊で見渡せる本を一つ挙げておきます。お金の全体像をつかむ入口として読みやすい内容です。
本当の自由を手に入れる お金の大学
家計の見直し、固定費の下げ方、貯める仕組み、増やす考え方までを、図解でやさしくまとめた一冊です。お金が貯まらない原因を全体像から理解したい人の、最初の一冊に向いています。
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お金が貯まらないことでよくある質問
Q 収入が少なくても貯金はできますか
収入の多い少ないより、先に取り分ける仕組みがあるかで貯まり方が変わります。少ない収入でも、給料日にわずかな額を別口座へ移す習慣があれば、着実に残高は増えます。
大きな額を貯めようと焦るより、続けられる小さな額から始めることが、収入の多い少ないに関わらず大切です。まずは無理のない額から始めてください。
Q 家計簿が続きません どうすればいいですか
家計簿を完璧につける必要はありません。目的は記録することより、お金の流れを一度知ることです。
まずは1か月だけ、使ったお金をその日にメモするところから始めてください。1か月で使いすぎている項目が見えれば、家計簿は役目を果たしています。
その後は、見えた課題だけを意識すれば、細かい記録を続けなくても大丈夫です。
Q 何から見直せば効果が大きいですか
毎日の細かい出費より、毎月自動で出ていく固定費から見直すと効果が長続きします。通信費や保険、使っていない定額サービスは、一度見直せばその後は何もしなくても効果が続きます。
食費を毎日我慢するのは負担が大きく、続きません。まずは固定費を一度だけ点検して、負担の軽いところから下げてください。
Q 貯金と投資はどちらを先にすべきですか
まずは、急な出費に備える生活費の一部を、貯金として確保するのが先です。手元に何も無い状態で投資を始めると、急な出費のときに困ります。
生活を支える分の貯金ができてから、余裕のある範囲で少しずつ増やす方法を考えるのが順番です。焦らず、土台の貯金から整えてください。
Q 貯めても将来が不安で仕方ありません
漠然とした不安の多くは、お金の流れや制度を知らないことから生まれます。まず支出を見える化し、先取りで貯める仕組みを作ると、自分がどれくらい備えられているかが数字で見えてきます。
見えると、不安は具体的な行動に変わります。知ることと、小さく行動することが、不安を和らげる一番の近道です。
Q ボーナスは貯金に回すべきですか
ボーナスは、まとまった額を先に取り分ける良い機会です。入る前に、貯める分と使う分の割合を決めておくと、いつの間にか使い切ることを防げます。
全部を貯金に回して我慢すると反動が出やすいので、一部は自分へのご褒美として使い、残りを先に貯める口座へ移す形が続きます。
使う分と貯める分の線を、入る前に引いておいてください。
Q 借金がある場合も貯金を優先しますか
利息の高い借金がある場合は、貯金より先に、その返済を進めるほうがお金の面で有利になることが多いです。ただし、急な出費に備える最低限の生活費だけは、手元に残しておきます。
手元が空だと、いざというときにまた借りることになりかねません。最低限の備えを残しつつ、利息の高いものから返す。
この順番で、家計の土台を整えてください。
まとめ 我慢より仕組みで貯める
お金が貯まらない原因の多くは、意志の弱さより、貯まる仕組みが無いことでした。支出が見えていない、貯める分を先に取り分けていない、固定費が高いまま放置されている。
この3つの穴を、見える化、先取り、固定費の点検という順番でふさいでいくと、我慢に頼らなくてもお金が残り始めます。
貯まる人は、我慢の量を増やすより、仕組みで自動化しています。今日は、まず1か月だけ支出を書き出すか、次の給料日に少額でも先に取り分けるか、どちらか一つを始めてください。
小さな一歩でも、仕組みが動き出せば、来月の残高は今月と違ってきます。
今日できる一歩
| 始める場所 | いま起きていること | 今日できる一手 |
|---|---|---|
| 支出の見える化 | 何に使ったか覚えていない | 今日使ったお金をメモし始める |
| 先取り貯蓄 | 余ったら貯めようとして残らない | 次の給料日に移す額を決める |
| 固定費の点検 | 毎月の自動の出費を見ていない | 使っていない定額サービスを1つ止める |
