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Google Workspace利用規約の2026年10月改定 AIエージェントの責任と管理者の対応

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2026年10月12日、Google Workspaceの利用規約のうち、AIエージェントに関わる部分が書き換えられました。

管理者あてには英語の通知が届いています。日本語訳は1〜2週間遅れて届くと書かれており、10月27日の時点でも規約の日本語ページは7月16日版のままです。

この記事では、Googleが公開している規約の本文を7月版と10月版で突き合わせ、何が増えて何が変わったのかを整理します。

そのうえで、社員数十人規模の会社でWorkspaceを管理している人が、今日から何を確かめればよいかを手順に落とします。

目次

2026年10月12日にGoogle Workspaceの利用規約で何が変わったのか

今回の改定は、AIエージェントを使ったときに「誰が何の責任を持つのか」をはっきりさせるためのものです。

Googleは長時間動き続けるエージェントなど、新しいエージェント型の機能を出し始めています。それに合わせて、規約の側も追いついた形です。

管理者に届いた通知の中身

2026年10月19日(日本時間では20日)、Workspaceの管理者として登録されている連絡先に、法務に関するお知らせが届きました。

通知が挙げている対応は3つです。改定された規約を読むこと、新しいガイドラインを読むこと、社内の方針を新しい規約に合わせることです。

また、AI機能を使い続けると、改定後の規約に従うことになると明記されています。同意のボタンを押す手続きはありません。

改定された3つの文書

書き換えられたのは、Google Cloudの基本の利用規約、Google Workspaceのサービス固有の利用規約の2つです。

これに加えて、エージェント型AIの使い方の指針が新しく公開されました。英語の正式名は「Google Cloud Agentic AI Responsible Use Guidelines」です。

3つとも、ページの末尾にある最終更新日が2026年10月12日になっています。

今回の改定の対象にならない契約

Googleの通知によると、Workspaceをオフラインの個別契約(紙や個別の交渉で結んだ契約)で使っている会社には、今回の変更は影響しません。

管理コンソールから申し込んで、オンラインの規約に同意して使っている会社が対象です。中小企業の多くはこちらに当たります。

自社の契約の形 今回の改定の扱い 次にすること
管理コンソールからオンラインで申し込んだ 10月12日から改定後の規約が適用される この記事の手順で社内の使い方を見直す
販売代理店を通して契約した 代理店経由の契約にも別の条項がある 代理店に、どの規約が適用されるか確かめる
個別に交渉した契約書がある 通知では影響しないとされている 契約書の担当者に念のため確認する
どの形か分からない 判断できない 管理コンソールのお支払い画面で契約の種類を見る

Google Workspaceの利用規約はどの文書でできているか

「Google Workspace 利用規約」と検索すると、Googleの公式ページがいくつも出てきます。

規約は、役割の違う複数の文書が重なってできています。どれが何を決めているかを先に押さえておくと、今回の改定がどこに効くのかが見えやすくなります。

基本の利用規約

料金の支払い、利用の制限、契約の解除、補償といった、契約の骨組みを決めている文書です。

本文を読むと、Workspaceのサービスも同じ規約の対象として書かれています。Google Cloudの名前がついていても、Workspaceの利用者に関係があります。

サービス固有の利用規約

Workspaceの個別の機能ごとに、追加の決まりを書いた文書です。2026年10月の時点で25の項目があります。

第12項が生成AI(Gemini)について、第13項がエージェント型AIについての決まりです。今回大きく書き換えられたのは、この第13項です。

利用ポリシーとガイドライン

禁止されている使い方をまとめた利用ポリシーと、生成AIの禁止事項のポリシーがあります。

今回のガイドラインは、この2つを補うものとして位置づけられています。

文書 決めていること 今回の改定
基本の利用規約 料金・利用の制限・解除・補償 利用の制限と補償がAIエージェントにも及ぶと明記
サービス固有の利用規約 第12項 Geminiなど生成AIの決まり 第12.1〜12.9項がエージェント型AIにも適用されると追記
サービス固有の利用規約 第13項 エージェント型AIの決まり 定義・知的財産・責任・他社製エージェントを全面的に書き換え
利用ポリシー・生成AIの禁止事項 してはいけない使い方 今回は変更なし
エージェント型AIのガイドライン エージェントの使い方の指針 新しく公開

7月版と10月版で第13項はどう変わったか

サービス固有の利用規約の日本語ページには、7月16日版がまだ載っています。英語ページは10月12日版です。

この2つを並べると、変更点がはっきり見えます。

項目 7月16日版 10月12日版
定義 AIエージェントとエージェント型AIサービスの2つ 自社製・Google製・他社製のエージェント、エージェントの動作、他社のサービスなど7つ
知的財産 記載なし 自社製と他社製はGoogleが権利を主張しない。Google製はGoogleのもの
会社の責任 エージェントが実行したアクションとタスクなど4つ 同じ4つに加え、「実行しなかったこと」も含むと明記
人の確認の安全策 記載なし 既定の確認を外したときの責任は会社が単独で負う
他社製のエージェント 記載なし 別の規約に従う。Googleは責任も補償も負わない

定義が2つから7つに増えた

7月版の定義は、AIエージェントとエージェント型AIサービスの2つだけでした。

10月版では、エージェントを「誰が作ったか」で3つに分け、さらにエージェントの動作と、エージェントがつながる他社のサービスにも定義が置かれました。

エージェント型AIサービスには、7月版と同じく、ノーコードでエージェントを作れるWorkspace Studioが含まれています。

新しく入った知的財産の決まり

自社で作ったエージェントと、他社が作ったエージェントについて、Googleは所有権を主張しないと書かれました。

ただし、もともとGoogleが持っていた知的財産が含まれていない範囲に限られます。Googleが作ってWorkspaceの中で提供するエージェントの知的財産は、すべてGoogleのものです。

「しなかったこと」も責任の対象になった

10月版では、エージェントの動作の定義に、作業を実行しなかったことや失敗したことまで含めています。

原文を訳すと、エージェントの動作とは「エージェント型AIサービスまたはAIエージェントによる、またはそれらに帰する作為または不作為」です(英語の原文を訳出)。

つまり、エージェントが送るはずのメールを送らなかった場合も、会社の側の責任として扱われます。

AIエージェントは「誰が作ったか」で3種類に分けて考える

今回の改定で一番実務に効くのは、エージェントを3種類に分けたことです。種類によって、知的財産の扱いもGoogleの補償の扱いも変わります。

エージェントの種類 規約での扱い 次にすること
自社で作ったもの(指示を書き換えたものを含む) Googleは所有権を主張しない。Googleは責任も補償も負わない 作った人と用途を一覧にする
Googleが作ってWorkspaceで提供するもの 知的財産はGoogleのもの。動作の責任は会社にある どの機能がエージェントとして動くかを把握する
他社が作ったもの その会社の規約に従う。Googleは責任も補償も負わない その会社の規約と、つなぐデータの範囲を確かめる
Workspaceの外でGoogleが提供するもの その製品の規約に従い、Workspaceの契約は適用されない 製品ごとに規約を確かめる

自社で作ったエージェント

自社で作ったものには、Workspace Studioなどで「エージェントの指示を書き換えて作ったもの」も含まれると定義されています。

社員がStudioで何気なく作った自動化も、規約の上では自社のエージェントです。ここが見落としやすいところです。

Googleが作ったエージェント

Googleが作ったエージェントでも、それが何をしたかの責任は会社の側にあります。知的財産はGoogleのものでも、動かした結果は会社が引き受けるという整理です。

他社が作ったエージェント

他社のエージェントをWorkspaceにつないだ場合、使い方はその会社との規約で決まります。Googleの補償の対象からは外れます。

外部のAIツールにGmailやドライブを読ませるときは、つなぐ前にその会社の規約を読む必要があります。

会社が単独で責任を負う4つのこと

第13.3項は、会社が「単独で」責任を負うものを4つ挙げています。

原文の冒頭を訳すと「お客様は、あらゆるエージェント型AIの動作について単独で責任を負う」です(英語の原文を訳出)。

責任を負うこと 中小企業で起きやすい場面 次にすること
1つ目:エージェントの動作 自動返信が誤った内容を取引先に送る 外部に出る操作を洗い出す
2つ目:用途に合うかの判断 契約書の確認など、精度が求められる作業に使う 使ってよい業務と使わない業務を決める
3つ目:データやシステムへの接続の承認 社員が個人の判断で共有ドライブ全体をつなぐ 接続を承認できる人を決める
4つ目:本番環境での判断と監督 動かしたまま誰も結果を見ていない 結果を見る担当と頻度を決める

1つ目と2つ目はほぼ変わっていない

実は、この4つの責任そのものは7月版にもありました。

日本語ページの7月版は「お客様は、以下について単独で責任を負います。」と書いています。

10月版で変わったのは、責任の対象が「アクションとタスク」から「エージェントの動作」に置き換わり、実行しなかったことまで含むようになった点です。

3つ目は接続の承認

エージェントがどのデータやアプリにつながってよいかを承認するのは、会社の側だとされています。

規約は「誰が承認するか」までは決めていません。社内で承認者を決めておかないと、社員一人ひとりが承認していることになります。

4つ目は本番での監督

規約は、本番の業務でエージェントを使うときに、起こりうる損害を避けるための判断と監督を求めています。

動かしたまま放っておくことは、この監督の責任を果たしていない状態にあたります。

人の確認を外したときの責任は会社にある

10月版で新しく入った決まりのうち、日々の運用に一番近いのがこの項目です。

既定で入っている確認の仕組み

第13.3項(b)には、「特定のエージェント型AIサービスは、ある種の操作を実行する前に人の確認を求める安全策が既定で設定されている場合がある」と書かれています(英語の原文を訳出)。

そのうえで、この安全策を無効にしたり回避したりして生じた責任は、会社が単独で負うとしています。

確認を外す前に決めておくこと

「毎回確認が出て面倒だから」と確認を外したくなる場面はあります。外すかどうかは、その操作が取り消せるかどうかで決めるのが現実的です。

下書きを作るだけの操作なら、確認を外しても損害は小さくて済みます。送信や削除、共有の範囲を変える操作は、確認を残しておくほうが安全です。

操作の種類 取り消せるか 確認の扱い
下書き・要約・案の作成 取り消せる 外しても影響は小さい
社内向けのメモやドキュメントの更新 版の履歴から戻せる 部署ごとに判断する
社外へのメール送信 取り消せない 確認を残す
ファイルの削除・共有範囲の変更 戻せないことがある 確認を残す
予約・申し込み・支払い 取り消せない 確認を残す

他社のエージェントと外部サービスはGoogleの補償の外にある

第13.4項は、他社が作ったエージェントと、エージェントがつながる外部のサービスについての決まりです。

他社のエージェントは別の規約で決まる

他社のAIエージェントを使う場合、その使い方は別の規約に従うと書かれています。Workspaceの規約だけ読んでいても足りません。

補償の対象から外れるもの

Googleは、自社製と他社製のエージェントを使ったことから生じた責任を負わず、補償の義務も適用しないとしています。

さらに、生成AIやエージェントを通じてアクセスした他社のサービスについても同じ扱いです。他社のサービスには、ウェブサイトやソフトウェアのライブラリ、他社のAIモデルも含まれると定義されています。

エージェントに外部のサイトを調べさせたり、外部のツールを呼び出させたりした結果のトラブルは、Googleの補償に頼れません。

基本の利用規約の側で変わったこと

Google Cloudの基本の利用規約も、同じ10月12日に更新されています。Workspaceの利用者に関係するのは、主に利用の制限と補償の2か所です。

条項 改定後の中身 会社への影響
第3.3項 利用の制限 サービスに加えて「あらゆるAIエージェント」も、利用ポリシー違反や高リスクの用途に使ってはならないと明記 エージェントの使い方も規約違反の対象になる
第13.2項 お客様の補償義務 サービスやAIエージェントを利用ポリシーや第3.3項に違反して使ったとき、会社がGoogleを守り補償する エージェントの違反で第三者から訴えられた場合の費用は会社の負担
第2.4項 支払いの遅れと停止 後から引き落とされる支払い方法で、支払われない恐れがあるとGoogleが判断した場合も利用を止められる 支払い方法によっては影響がある
第8.3項 違反による解除 会社の重大な違反を「是正できない」とGoogleが判断した場合、すぐに解除できる 重大な違反には猶予が無いことがある

利用の制限がエージェントにも及ぶ

第3.3項の改定後の本文は、会社とその利用者が「サービスまたはあらゆるAIエージェント」を、高リスクの活動や利用ポリシーに反する形で使ってはならないとしています。

エージェントは人の代わりに動くものなので、エージェントがした違反も会社の違反として扱われます。

補償の向きに注意する

補償というと「Googleが守ってくれる」側を思い浮かべがちです。今回追加されたのは逆向きで、会社がGoogleを守る義務のほうです。

エージェントが利用ポリシーに反する動きをして第三者が訴えた場合、会社はGoogleを守り、その費用を補償することになります。

新しいガイドラインに書かれている5つの柱

エージェント型AIのガイドラインは、10月27日時点では英語のみで公開されています。日本語の表示を選んでも英語の本文が出ます。

冒頭で、このガイドラインは「網羅的なものではない」と断っています(英語の原文を訳出)。技術や業界の標準の変化に合わせて更新するとも書かれています。

柱 禁止・推奨されていること 中小企業で気をつける場面
1. システムの安全 脆弱性の悪用、有料の壁の回避、盗んだ認証情報の利用など 他人のアカウント情報をエージェントに渡さない
2. エージェントによるだましと濫用 身元を偽る、サイトの収集制限を回避する、数値を水増しする、許可なくファイルの権限を変える 競合サイトの自動収集や、口コミ・アクセス数の操作に使わない
3. プライバシーと監視 同意のない個人データでの分析、同意のない顔認識での追跡 顧客の個人情報を勝手に集めて分析させない
4. 責任ある導入 影響の大きい判断の前に、人の監督と明示的な承認を強く推奨 お金・契約・取り消せない操作には承認を挟む
5. アクセス制御と開示 エージェントに適切な権限を設定するのは会社の責任 必要な範囲だけをつなぐ

マーケティングの担当者が気をつける2つ目の柱

2つ目の柱には、ウェブサイトが設けている収集やスクレイピングの制限を回避すること、と明記されています。

クリックの水増し、作られた反応、アクセス解析への干渉による数値の操作も禁止です。集客の作業をエージェントに任せるときに、うっかり当たりやすい項目です。

許可のない権限変更と分身の作成

会社の明示的な許可なしに、ファイルを書き換えたりファイルの権限を回避したりすることも禁止に入っています。

想定した範囲を超えて、エージェントの複製や下請けのエージェントを作らせることも同じ扱いです。

人の承認を挟むよう強く勧められている6つの場面

4つ目の柱では、エージェントは指示どおりに動かないことがあり、プロンプトインジェクション(外部の文章に隠した指示でAIを操る攻撃)にも弱いと説明しています。

そのため、個人に法的・経済的・身体的な影響が出うる判断の前には、人による監督と明示的な承認の仕組みを入れるよう強く勧めています。

場面 ガイドラインの例 次にすること
お金のこと 資産の売買、決済、保険の判断 支払いや発注は必ず人が承認する
法律や契約のこと 交渉、規約への同意、クッキーへの同意 利用規約への同意をエージェントに任せない
規制のある分野 医療・住宅・雇用・保険・行政の判断 採用の選考などには使い方の線を引く
取り消せないデータの操作 本番のデータの変更・公開・移動 顧客名簿などの変更には承認を挟む
法令で高リスクとされる用途 欧州連合のAI法などで高リスクとされるもの 海外の顧客がいる場合は法務に確認する
エージェントの利用料 Googleや他社のサービスで発生する料金 利用料の上限と通知を設定する

料金は会社が払うと書かれている

6つ目の利用料について、ガイドラインは「あなたのエージェントが発生させた料金については、引き続きあなたが責任を負う」と書いています(英語の原文を訳出)。

エージェントが外部の有料サービスを何度も呼び出した場合も、請求は会社に届きます。

人の監督をすり抜ける使い方は禁止

複数のエージェントを組み合わせて、エージェント同士のやりとりを見えにくくし、人の監督を避けることも禁止されています。

規約の日本語ページはまだ7月版のまま

10月27日に確認したところ、サービス固有の利用規約の日本語ページは「最終更新日: 2026 年 7 月 16 日」の版でした。英語ページは「Last modified: October 12, 2026」です。

Googleの通知も、翻訳版は1〜2週間後に送ると書いています。日本語ページだけを読むと、今回の変更点は1つも見えません。

英語ページで確かめる

当面は、英語ページの第13項を確かめるのが確実です。ブラウザの翻訳機能で読むと、条項の番号を手がかりに7月版と見比べられます。

日本語の翻訳版が出たら、上の比較表と同じ順番で読み直すと差分がすぐ分かります。

ガイドラインは英語のみ

エージェント型AIのガイドラインは、日本語の表示を選んでも英語の本文が出ます。最終更新日の表記だけが日本語で「2026年10月12日」と出ます。

中小企業の管理者が今週やる4つの手順

ここまでの内容を、社員数十人規模の会社が実際に動ける手順にまとめます。大がかりな規程づくりは要りません。

1 使っている エージェントを数える 2 作った人で 3種類に分ける 3 取り消せない操作に 承認を残す 4 承認する人を 社内で決める 一覧から 責任の差で 誰が見るか
規約が書く「会社の責任」を、手順4で担当者の名前に置き換えます。

1つ目:使っているエージェントを数える

管理コンソールでWorkspace Studioが使える設定になっているかを見ます。Studioは組織部門やグループごとに、オンとオフを切り替えられます。

あわせて、社員がGmailやドライブにつないでいる外部のAIツールを確かめます。管理コンソールの「アプリのアクセス制御」で、どの外部アプリがアクセスしているかを見られます。

2つ目:作った人で3種類に分ける

数えたエージェントを、自社製・Google製・他社製に分けます。他社製のものは、その会社の規約を読んだ人がいるかどうかも一緒に書いておきます。

3つ目:取り消せない操作に承認を残す

社外へのメール、ファイルの削除、共有範囲の変更、支払いや申し込みにつながる操作を洗い出します。

これらは、既定の確認を外さないと決めておきます。外す場合は、外した人と理由を記録に残します。

4つ目:承認する人を社内で決める

規約は会社が単独で責任を負うと書いていますが、その「会社」は具体的な誰かが担わないと機能しません。

エージェントの接続を承認する人と、結果を定期的に見る人の名前を決めます。小さな会社なら、管理者1人が両方を兼ねても構いません。

手順 見る場所 決めること
1. 数える 管理コンソールのWorkspace Studioの設定、アプリのアクセス制御 使っているエージェントの一覧
2. 分ける 一覧の「作った人」の欄 自社製・Google製・他社製の区別
3. 承認を残す 各エージェントがする操作 確認を外さない操作の一覧
4. 人を決める 社内の担当表 承認する人と、結果を見る人

Workspace Studioと管理コンソールの設定

規約の上でエージェント型AIサービスの代表として名前が挙がっているのが、Workspace Studioです。

Workspace Studioはプランごとに使える範囲が違う

Googleの公式ブログ「Workspace Updates」によると、Studioは2025年12月3日に発表されました。2026年3月19日の更新で、すべてのリリース方式のドメインに提供済みとされています。

対象はBusiness Starter・Standard・Plus、Enterpriseの各プラン、Educationの各プランなどです。中小企業がよく使うBusinessプランでも使えます。

同じブログは、Studioを「組織部門とグループの単位で有効にも無効にもできる」と説明しています(英語の原文を訳出)。

AIコントロールセンターはEnterpriseのみ

2026年5月4日には、管理コンソールの「生成AI」の中に、AIコントロールセンターという画面が加わりました。

誰がAIを使っているかの確認や、情報の持ち出しを防ぐ設定をまとめて見られる画面です。対象はEnterprise StandardとEnterprise Plusで、Businessプランでは使えません。

使っているプラン 使える管理の道具 次にすること
Business Starter・Standard・Plus Workspace Studioのオンとオフ、アプリのアクセス制御 Studioを使う部署だけをオンにする
Enterprise Standard・Plus 上記に加えてAIコントロールセンター 生成AIの利用状況を月1回見る
Educationの各プラン Studioの設定と、18歳未満の利用の制限 生徒が使える範囲を確かめる

エージェントがWorkspaceのデータにつながる仕組みについては、Google Workspace MCPの記事で、11月11日から必要になる設定とあわせて説明しています。

生成AIの決まりがエージェントにも広がった

見落としやすいのが、第12項の末尾に足された1文です。第12.1項から第12.9項の決まりが、エージェント型AIサービスにも当てはまると書かれました。

エージェントにも当てはまるようになった決まり

第12項には、生成AIの出力が不正確な場合がある、という免責の決まりがあります。日本語ページでは「不正確または不適切な生成物を提供する可能性があり」と書かれています。

年齢の制限もそのひとつです。

日本語ページは「お客様は、18 歳未満のエンドユーザーに Workspace 生成 AI サービスを使用させないものとします。」と書いています。

教育機関向けには例外の書き方がありますが、一般の会社では、この制限がエージェントにも及ぶと読むのが自然です。

エージェントの動作は「生成物」ではない

7月版は第13.3項で「AI エージェントが実行するアクションまたはタスクは、生成物(…)ではありません。」と定めていました。

10月版でも、この考え方は定義の中に引き継がれています。生成物は会社のデータとして扱われますが、エージェントの動作はそれとは別のものとして、会社の責任の側に置かれています。

区分 規約での扱い 会社が気をつけること
生成物(文章・画像など) 会社のデータ。新しく生まれた知的財産にGoogleは所有権を主張しない 中身が正しいかは人が確かめる
エージェントの動作(送信・更新など) 生成物ではない。会社が単独で責任を負う 動作の結果を人が監督する
エージェントそのもの 作った人によって知的財産の扱いが変わる 自社製か他社製かを記録する

よくある質問

Q1. 改定に同意する手続きは必要ですか

Googleの通知には、AI機能を使い続けると改定後の規約に従うことになると書かれています。管理コンソールで同意のボタンを押す手続きは案内されていません。

Q2. AIエージェントを使っていなければ関係ありませんか

Workspace Studioが有効になっていれば、社員が自分でエージェントを作れます。使っていないつもりでも、まず手順1で数えてみるのが確実です。

基本の利用規約の支払いや解除の変更は、エージェントを使っているかどうかに関係なく適用されます。

Q3. Geminiで作った文章の権利は誰のものですか

第12.12項は、生成物は会社のデータであり、生成物の中で新しく生まれた知的財産について、Googleは所有権を主張しないと定めています。この点は今回の改定前から同じです。

Q4. 他社のAIツールをGmailにつないでいても大丈夫ですか

規約は他社製のエージェントの利用を禁止していません。ただし、その使い方は他社の規約に従い、Googleは責任も補償も負いません。

つないでいるデータの範囲と、その会社の規約を確かめておく必要があります。

Q5. 日本語の規約はいつ更新されますか

Googleの通知は、翻訳版を1〜2週間後に送るとしています。

10月27日の時点では日本語ページは7月16日版のままでした。それまでは英語ページで確かめます。

まとめ

2026年10月12日の改定で、Google Workspaceの利用規約の第13項は、定義が2つから7つに増え、知的財産・人の確認・他社製エージェントの決まりが新しく入りました。

中身を一言でまとめると、エージェントが何をしても、何をしなかったとしても、その結果は会社が引き受けるということです。

基本の利用規約でも、利用の制限と補償の義務がAIエージェントにまで広がりました。新しいガイドラインは、お金・契約・取り消せない操作の前に人の承認を挟むよう強く勧めています。

日本語ページはまだ7月版です。英語ページで変更点を確かめ、社内のエージェントを数えるところから始めてください。

最後に、今日のうちに確かめられる項目を表にまとめます。

今日の点検 見る場所 終わったら
自社の契約がオンラインの規約か 管理コンソールのお支払い 個別契約なら担当者に確認
Workspace Studioが誰に有効か 管理コンソールのアプリ設定 使う部署だけに絞る
外部のAIツールがつながっていないか アプリのアクセス制御 規約を読んだ人を記録する
確認を外した自動化が無いか 各エージェントの設定 取り消せない操作は確認を戻す
承認する人が決まっているか 社内の担当表 名前を1人書く
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