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貯金できないのは意志が弱いからではない お金が残る仕組みの作り方

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先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。「貯金しようと何度も決意するのですが、給料が入って数週間もすると、口座がほとんど空になっています。特別ぜいたくをしている自覚はありません。それなのに、お金だけがどんどん消えていく。自分は貯金ができない性格なのだと、半ばあきらめかけています」。まじめに働いているのに、なぜかお金が残らない。この感覚に覚えのある人は、決して少なくありません。

先に言っておきたいことがあります。貯金ができないのは、意志が弱いからでも、性格の問題でもありません。多くの場合、お金が残らない仕組みの中で暮らしているだけです。仕組みが原因なら、仕組みを変えれば結果は変わります。この記事では、なぜお金が残らないのかを分解し、意志の力に頼らずに貯金が積み上がっていく形へ、どう変えていくかを具体的にお伝えします。

目次

貯金できないのは意志が弱いからではない

「貯金できない自分はだめだ」と自分を責めている人は、とても多くいます。けれど、責めても貯金は増えません。むしろ、意志の力で節約しようとするやり方そのものが、続かない原因になっています。毎日の買い物のたびに我慢を強いられると、その我慢はいつか反動を生み、まとめ買いや衝動買いにつながります。がんばるほど疲れて、続かないのです。ダイエットで、食べたいものを我慢し続けた反動でどか食いしてしまうのと、まったく同じ仕組みです。人の意志は、そもそも長く張りつめていられるようにはできていません。だからこそ、意志に頼る方法は、最初からうまくいかない前提で考えたほうがよいのです。

貯金が得意な人は、特別に意志が強いわけではありません。お金が自然に残る仕組みを、先に作っているだけです。毎月、給料が入った瞬間に一定額が別の場所へ移る。手をつけにくいところにお金が移っているから、残りのお金で暮らすようになる。ここには我慢も気合も要りません。仕組みが、自動でやってくれているからです。目指すのは、意志の力そのものより、この仕組みのほうです。

お金が残らない3つのパターン

お金が残らないと言っても、原因は人によって違います。まず、自分がどのパターンに当てはまるかを見分けてください。ここを外すと、必要のない我慢をして疲れるだけで終わります。

パターン 起きていること 効く対策
気づかず使っている 何に使ったか覚えていない まず支出を見える化する
固定費が重い 毎月自動で大きく出ていく 固定費を1つずつ見直す
先に使ってしまう 残ったら貯めようとして残らない 先に貯金を取り分ける

多くの人は、この3つのどれか1つに限らず、いくつかが重なっています。それでも、まずは自分にいちばん当てはまるものから手をつけると、変化を実感しやすくなります。全部を一度に変えようとすると、続かずに終わります。まずは1つ、これなら続けられそうだと思えるものを選んで、そこだけに集中してください。1つが習慣になれば、次の1つに手をつける余裕が生まれます。あれもこれもと欲張らず、1つずつ確実に積み上げていくほうが、結局は早く前に進みます。

まず「何に消えているか」を知る

貯金の第一歩は、節約ではありません。いま自分のお金が何に消えているかを、正確に知ることです。多くの人は、自分の支出をきちんと把握していません。把握していないものは、減らしようがありません。まずは1か月だけ、何にいくら使ったかを記録してみてください。細かくつける必要はなく、大きな流れがつかめれば十分です。

記録をつけると、たいてい「こんなに使っていたのか」と驚く費目が見つかります。なんとなく寄るコンビニ、契約したまま使っていない月額のサービス、外食の回数。こうした「なんとなく」の支出が、積み重なって口座を空にしています。ここで大切なのは、自分を責めないことです。責めるためというより、どこを変えれば効くのかを見つけるために記録するのだと考えてください。

見えていない支出 ありがちな状態 気づくとできること
少額のこまかい買い物 覚えていないうちに積もる 回数を数えて減らす
使っていない月額サービス 契約したまま忘れている 使わないものを解約する
外食やデリバリー 疲れた日につい頼る 回数の上限を決める

貯金は「先に取り分ける」と決まる

お金が残らない人のいちばん多い口ぐせが、「余ったら貯金しよう」です。ところが、この順番だと、お金はまず余りません。生活の支出は、使える範囲いっぱいに膨らむ性質があるからです。手元にあるお金は、あるだけ使ってしまう。だから、余りを待っていては、いつまでたっても貯金は始まりません。

順番を逆にします。給料が入ったら、まず先に貯金する分を取り分け、残ったお金で暮らすのです。これを「先取り」と呼びます。先に取り分けてしまえば、残りのお金でやりくりするようになり、自然とその範囲に生活が収まります。金額は、無理のない範囲で構いません。手取りの一割を目安に、それが厳しければ、まずは月に数千円からでも構いません。大切なのは、金額の大きさより、先に取り分ける習慣そのものです。月に千円でも、先に取り分けることを半年続ければ、それは確かな習慣になります。習慣さえできてしまえば、後から額を増やすのは簡単です。逆に、額ばかり大きくして続かなければ、何も残りません。まず小さく始めて、続けることを最優先にしてください。

順番 お金の流れ 結果
余ったら貯金する 使ってから残りを貯める 使い切って残らない
先に取り分ける 貯めてから残りで暮らす 自然に貯まっていく

先取りを続けやすくするには、自動でお金が移る仕組みを使うのが効果的です。給料が入る口座から、貯金用の口座へ、毎月決まった日に決まった額が自動で移るように設定しておく。一度設定すれば、あとは何もしなくても、勝手に貯金が積み上がっていきます。手作業で移そうとすると、忙しさや誘惑に負けて続きません。仕組みに任せてしまうのが、いちばん確実です。

固定費から見直すと効果が長く続く

支出を減らすとき、多くの人はまず食費や娯楽を削ろうとします。しかし、毎日の楽しみを削る節約は、つらくて続きません。先に手をつけるべきは、固定費です。固定費とは、毎月ほぼ決まって出ていくお金のこと。住まいの費用、通信の費用、保険、使っていない月額サービスなどです。

固定費の良いところは、一度見直せば、その効果が毎月ずっと続くことです。たとえば通信の契約を軽いものに変えれば、その差額が、我慢なしで毎月自動的に浮きます。食費を削るのは毎日の努力が要りますが、固定費の見直しは一度の手続きで済みます。同じ節約でも、努力の要らないところから始めるほうが、長く続きます。

固定費の種類 見直しの入り口 続けやすさ
通信の費用 使う量に合った契約に変える 一度で済み効果が続く
保険 今の暮らしに必要な分か確かめる 見直せば負担が軽くなる
月額のサービス 使っていないものを解約する すぐできて効果が大きい
住まいの費用 更新や引っ越しの機会に考える 大きいが機会は限られる

続かない人の共通点と、その対策

貯金を始めても、続かずにやめてしまう人には、共通点があります。1つは、いきなり高い目標を立てることです。毎月たくさん貯めようと意気込んで、生活が苦しくなり、反動で使いすぎてやめてしまう。もう1つは、貯金の成果が見えず、張り合いをなくすことです。人は、変化が見えないことを続けるのが苦手です。

対策は、目標を小さくすることと、増えていく様子を見えるようにすることです。まずは無理なく続けられる小さな額から始め、貯金用の口座の残高が少しずつ増えていくのを、ときどき眺める。増えていくのが見えると、続ける気持ちがわいてきます。貯金は短距離走の速さより、長く続ける持久走の粘りがものを言います。小さくても、やめないことがいちばん大切です。

続かない原因 起きること 対策
目標が高すぎる 生活が苦しく反動が出る 小さな額から始める
成果が見えない 張り合いをなくす 残高が増える様子を眺める
完璧を目指す 一度崩れるとやめる 崩れても翌月また戻す

何のために貯めるかを、先に決めておく

貯金が続くかどうかは、目的があるかどうかで大きく変わります。ただ漠然と「お金を貯めたい」と思うだけでは、目の前の欲しいものに、つい負けてしまいます。人は、はっきりした理由のない我慢を続けられません。だから、何のために貯めるのかを、先に自分の言葉で決めておくことが、続ける力になります。

目的は、立派なものである必要はありません。急な病気やけがに備えたい、いつか引っ越したい、家族と旅行に行きたい。自分が心から欲しいと思える理由なら何でも構いません。目的があると、目の前の小さな出費を我慢するとき、その先にある本当に欲しいものを思い出せます。目の前の千円と、その先の大きな目的を、天秤にかけられるようになるのです。

目的の有無 お金を使うときの心の動き 結果
目的がない 目の前の欲しいものに負ける 気づくと使い切っている
目的がある 先にある本当の望みを思い出す 小さな我慢ができる

急な出費に備える「守りのお金」を先に用意する

貯金を始めると、途中で急な出費に見舞われることがあります。家電の故障、急な冠婚葬祭、体調を崩しての通院。こうした予定外の出費が来たとき、備えがないと、せっかく積み上げた貯金を大きく崩したり、借り入れに頼ったりすることになります。そこで、増やすための貯金とは別に、いざというときの「守りのお金」を先に用意しておくと安心です。

目安は、毎月の生活費の数か月分です。この守りのお金があると、急な出費が来ても、あわてずに乗り切れます。心に余裕が生まれると、目先の不安からくる無駄な買い物も減ります。まずはこの守りのお金を、すぐ引き出せる安全な場所に用意する。それができてから、その先の貯金や、お金を増やす工夫を考えれば十分です。土台となる安心があってこそ、前向きな一歩を踏み出せます。

お金の種類 役割 置き場所
守りのお金 急な出費に備える すぐ引き出せる安全な場所
使う予定のお金 近い目的のために貯める 目的別に分けておく
当面使わないお金 ゆっくり育てる 土台ができてから考える

貯まったお金の置き場所も考える

ある程度お金が貯まってきたら、その置き場所も少し考えてみてください。使う予定のない当面のお金を、ただ普通の口座に置いたままにしておくのは、もったいない場合があります。ただし、慣れないうちから難しいことに手を出す必要はありません。まずは、生活費の数か月分を、すぐ引き出せる形で確保する。これができてから、次の段階を考えれば十分です。

大切なのは、無理をしないことです。よく分からないものに、生活に必要なお金まで注ぎ込むのは避けてください。まずは、何があっても暮らしていけるだけのお金を、安全な形で手元に置く。その安心の土台ができてはじめて、その先の選択肢が見えてきます。順番を守れば、お金との付き合いは、少しずつ楽になっていきます。

よくある質問

Q. 収入が少なくても貯金はできますか。

できます。大切なのは金額の大きさより、先に取り分ける習慣です。月に数千円でも、それを続ければ、貯金は確実に積み上がっていきます。まずは、無理のない小さな額から始めてください。習慣ができてから、少しずつ額を増やしていけば十分です。

Q. 何度も貯金に挫折しています。

挫折の多くは、目標が高すぎたことが原因です。意気込んで大きな額を目標にすると、生活が苦しくなり、反動でやめてしまいます。まずは、続けられる小さな額に下げてください。そして、意志で頑張るのをやめ、自動で貯金が移る仕組みに任せると、挫折しにくくなります。

Q. 家計簿は続きません。細かくつけないとだめですか。

細かくつける必要はありません。目的は、大きな流れをつかむことです。まずは1か月だけ、何に多く使っているかが分かる程度に、ざっくり記録すれば十分です。今は、レシートを撮るだけで記録できる道具もあります。自分が続けられるやり方を選んでください。

Q. 固定費の見直しは何から手をつければいいですか。

使っていない月額のサービスの解約から始めるのが、いちばん簡単で効果的です。次に、通信の契約が使う量に合っているかを見直します。この2つは、一度手続きすれば効果がずっと続くので、努力なしで毎月の負担が軽くなります。食費のような毎日の努力が要るものは、後回しで構いません。

Q. ボーナスは全部貯金すべきですか。

全部を貯金しようと決めると、反動が出やすくなります。あらかじめ、貯金する分と、自分のために使う分を分けておくのがおすすめです。少し楽しみに使う分を残しておくと、我慢のしすぎによる反動を防げます。大切なのは、まず貯金する分を先に取り分けてから、残りをどう使うかを考える順番です。

まとめ

貯金ができないのは、意志が弱いからでも、性格のせいでもありません。お金が残らない仕組みの中で暮らしているだけです。だから、自分を責める必要はありません。責める代わりに、仕組みを変えてください。

やることは決まっています。まず1か月、何にお金が消えているかを記録して知る。給料が入ったら、先に貯金する分を取り分ける。努力の要らない固定費から見直す。そして、小さな額から始めて、やめないこと。この4つを、一度に全部やる必要はありません。今日は、貯金用の口座に、まず数千円だけ先に移すことから始めてみてください。その小さな一歩が、お金との付き合いを変えていきます。

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お金の残る仕組みを、もう一歩深く整えたいときは、体系立った一冊を手元に置いておくと考え方が定着しやすくなります。

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