私は2025年に60歳で定年退職し、ハイキングを始めました。関西在住で金属加工27年、トラック運転手12年の経験しかなく、正直、脚力に自信がありませんでした。しかし今では休日の楽しみになっています。
「60歳からハイキングなんて無理じゃないか」「脚力(体力)が心配」そんな不安を抱えている方も多いでしょう。安心してください。正しい準備と段階的なステップを踏めば、誰でも安全にハイキングを楽しめます。
この記事では、60代からハイキングを始める方法を実体験をもとに詳しく解説します。
60歳からハイキングを始めるメリット5つ
定年後の新しい趣味として、ハイキングは多くのメリットがあります。私が実際に感じた効果をご紹介します。
①健康寿命が延びる(心肺機能、筋力維持)
ハイキングは有酸素運動として優れています。週に1〜2回、2〜3時間のハイキングを続けることで、心肺機能が向上し、足腰の筋力も維持できます。
私も始めて3ヶ月後には、日常生活で階段の上り下りが楽になったと実感しました。医師からも「この年齢でこの心肺機能は素晴らしい」と言われ、モチベーションが上がりました。
②ストレス解消と精神的な充実感
自然の中を歩くことで、日常のストレスから解放されます。森林浴の効果も科学的に証明されており、メンタルヘルスにも良い影響があります。
頂上に到達したときの達成感は格別です。定年後、仕事での達成感がなくなった分、ハイキングがその代わりになっています。
③新しいコミュニティとの出会い
山では挨拶を交わすのが文化です。「こんにちは」「やあ!こんにちは」という言葉を交わすだけで、温かい気持ちになります。
地元のハイキングサークルに参加すれば、同じ趣味を持つ仲間と出会えます。私も今では月に1回、サークルの方々と一緒に山や町中を歩いています。
④低コストで始められる趣味
ゴルフやテニスと比べて、ハイキングは初期費用が抑えられます。基本装備を揃えても2〜3万円程度。継続費用もほとんどかかりません。
交通費と食事代だけで、丸一日楽しめるコストパフォーマンスの高い趣味です。
⑤四季を感じる豊かな時間
春の新緑、夏の青葉、秋の紅葉、冬の雪景色。同じ山里でも季節ごとに全く違う表情を見せてくれます。
現役時代は季節の変化をゆっくり感じる余裕すらありませんでしたが、今では自然のサイクルを肌で感じられる贅沢な時間を過ごしています。
【体験談】定年後にハイキングを始めた理由
定年退職後の生活の変化
2025年、60歳で定年を迎えました。長年働いてきた環境から一転、時間だけはたっぷりある毎日。最初の1ヶ月は嬉しかったものの、次第に「何をしたらいいのか」と戸惑うようになりました。
テレビを見るだけの日々に、独り身だけに天からも「何か趣味でも見つけ?」と言われた気がしました。
なぜハイキングを選んだのか
いくつか趣味の候補を考えました。ゴルフは費用が高い。ジム(室内)では物足りない。そんなときに思い出したのが、若い頃に自然が好きで出かけていた思い出の山里歩き(ハイキング)でした。
「そういえば、あのとき気持ちよかったな!」
調べてみると、60代からハイキングを始める人は意外と多いことを知りました。健康にも良く、費用も抑えられる。これだと思い、挑戦を決意しました。
最初の不安と実際にやってみた感想
正直、最初は不安だらけでした。
- 体力が続くだろうか
- 道に迷わないか
- 一人で行っても大丈夫か
でも、近場の低い山から始めてみると、思ったより楽しかったんです。2時間ほどのコースでしたが、頂上からの景色を見たときの感動は今でも忘れられません。
「60歳からでも、まだまだできることがあるんだ」
そう実感した瞬間でした。

60代シニア初心者が準備すべき基本装備
ハイキングを始めるにあたって、最低限の装備は必須です。安全と快適さのために、ここはケチらずに投資しましょう。
最低限必要な3つのアイテム
1. トレッキングシューズ(予算:12,000〜18,000円)
普通のスニーカーとは大違いです。足首をサポートし、滑りにくいソールで安全性が格段に上がります。
おすすめは「キャラバン C1_02S」。日本人の足形に合わせて設計されており、初心者の定番モデルです。私もこれを愛用しています。

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2. リュック・20〜30L(予算:8,000〜15,000円)
日帰りハイキングなら20〜30Lが最適です。背負いやすさ、腰ベルトの有無がポイント。
背中のクッション性が良いものを選びましょう。長時間背負っても疲れにくくなります。

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3. レインウェア(予算:10,000〜20,000円)
山の天気は変わりやすいものです。防水性と透湿性を兼ね備えたものを選びましょう。
安物のカッパでは蒸れて不快です。ゴアテックスなどの素材がおすすめ。

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あると便利なアイテム5選
1. トレッキングポール(膝への負担軽減) 60代には特におすすめ。下りで膝への衝撃を30%軽減できます。
2. 帽子・手袋 日差し対策と防寒対策。季節に応じて使い分けます。
3. 水筒(1L以上) 脱水症状予防に。夏場は2L持っていくことも。
4. 行動食 飴、チョコレート、ナッツなど。エネルギー補給に。
5. 救急セット 絆創膏、消毒液、テーピングテープ。転倒時の応急処置用。
予算の目安(初期費用2〜3万円)
| アイテム | 予算 目安 |
| トレッキングシューズ | 15,000円 |
| リュック | 10,000円 |
| レインウェア | 15,000円 |
| その他小物 | 5,000円 |
| 合計 | 約45,000円 |
一度に揃えると負担が大きいので、シューズとリュックから始めて、徐々に揃えていくのも良いでしょう。
体力づくりの方法【段階的トレーニング】
いきなり山に行くのではなく、段階的に体を慣らしていきましょう。私が実践した3段階のトレーニング方法をご紹介します。
【第1段階】日常生活での準備運動(1〜2週間)
ウォーキング30分から まずは平地を30分歩くことから。朝晩、近所を散歩する習慣をつけましょう。慣れてきたら45分、1時間と延ばしていきます。
階段の上り下り エレベーターを使わず、階段を使う習慣を。最初は2〜3階分でOK。徐々に増やしていきましょう。
私はマンションの5階まで毎日上り下りしました。最初は息が切れましたが、2週間後にはスムーズに上れるようになりました。
【第2段階】低負荷トレーニング(2〜4週間)
近所の公園で坂道歩行 平地に慣れたら、坂道を探して歩きましょう。上り坂でふくらはぎと太ももを鍛えます。
スクワット、かかと上げなど自宅でできる筋トレも効果的です。
- スクワット:10回×3セット
- かかと上げ:20回×3セット
- 朝晩の習慣に
膝に不安がある方は、浅いスクワットから始めてください。
【第3段階】実践トレーニング(4週間〜)
低山ハイキングに挑戦する準備が整ったら、いよいよ実践です。
最初は標高300〜500m、所要時間2〜3時間のコースから始めましょう。無理せず、自分のペースで歩くことが大切です。
私の初ハイキングは所要時間2時間半のコースでしたが、休憩を多めに取りながら、ゆっくり登りました。
初心者におすすめ!最初の一歩に最適なコース3選
大阪・堺市近郊で、60代初心者でも安心して登れるコースを3つご紹介します。
①金剛山(標高1,125m):所要時間4時間
大阪で最も人気のある山。登山道が整備されており、初心者向けです。
- アクセス:南海・近鉄「河内長野駅」からバス
- 難易度:初〜中級
- おすすめポイント:山頂からの眺望が素晴らしい
最初は少し長く感じるかもしれませんが、休憩しながらゆっくり登れば問題ありません。
②岩湧山(標高897m):所要時間3時間
ススキの名所として有名。秋の景色は圧巻です。
- アクセス:南海「河内長野駅」からバス
- 難易度:初級
- おすすめポイント:9月〜11月のススキが美しい
私が最初に登ったのがこの山です。達成感がありながら、無理なく登れました。
③ダイヤモンドトレイル(部分):所要時間2時間
大阪と奈良を結ぶ長距離自然歩道の一部を歩くコース。
- アクセス:各所から入山可能
- 難易度:初級
- おすすめポイント:自分の体力に合わせて距離調整可能
全長45kmですが、部分的に歩くだけでも十分楽しめます。
60代ハイキング初心者がやりがちな失敗5つ
私や仲間が経験した失敗から学んだ教訓をお伝えします。
①いきなり難易度の高い山に挑戦
「最初から本格的な山にのぼる!」と意気込んで、標高1,000m超の山に挑戦するのは危険です。
体力配分が分からず、途中でバテてしまいます。低山から徐々にステップアップしましょう。
②装備をケチって安物で済ませる
「最初だから安いもので」という考えは要注意。特にシューズは重要です。
私の知人は安いスニーカーで登って、下山時に転倒し捻挫しました。安全のための投資は惜しまないでください。
③水分補給を怠る
「そんなに喉が渇かないから」と水分を少なめに持っていくのは危険です。
脱水症状は自覚症状がないまま進行します。1時間に200ml程度を目安にこまめに飲みましょう。
④天候確認を怠る
山の天気は変わりやすいもの。麓が晴れていても、山頂付近は雨ということも。
前日と当日朝、必ず山の天気予報をチェックしましょう。
⑤無理なペース配分
「早く登りたい」「若い人に遅れたくない」という気持ちは分かりますが、無理は禁物です。
ゆっくりでも確実に進むことが大切。「ゆっくり歩けば遠くへ行ける」これがハイキングの鉄則です。
安全に楽しむための注意点
登山計画書の提出
登山口にポストがあれば、必ず登山計画書を提出しましょう。万が一の事故に備えた大切な安全対策です。
家族にも「どこの山に行くか」など「何時に帰る予定か」などを伝えておきましょう。
単独行動は避ける(ハイキングサークル紹介)
できれば一人ではなく、複数人で行くことをおすすめします。
地元のハイキングサークルに参加すれば、経験豊富な仲間と一緒に安全に楽しめます。
- 大阪府山岳連盟
- 各市町村のハイキングクラブ
- 地元公民館の登山サークル
などを探してみましょう。
登山保険への加入
万が一のケガや遭難に備えて、登山保険への加入をおすすめします。
年間3,000〜5,000円程度で加入できます。モンベルの山岳保険などが有名です。
モンベル山岳保険の詳細を見る
体調管理チェックリスト
出発前に必ずチェック:
- □睡眠は十分取れたか
- □体調は良好か
- □膝や腰に痛みはないか
- □ 前日の飲酒は控えめだったか
少しでも不調を感じたら、無理せず中止する勇気も大切です。
よくある質問(FAQ)
Q: 60歳からでも体力的に大丈夫ですか?
A: 大丈夫です。段階的にトレーニングを積めば、問題なく楽しめます。
私も最初は不安でしたが、3ヶ月で標高1,000mの山に登れるようになりました。大切なのは、無理をせず自分のペースで続けることです。
Q: 一人でも始められますか?
A: 可能ですが、最初は複数人での参加をおすすめします。
地元のハイキングサークルに参加すれば、同じ年代の仲間と一緒に安全に楽しめます。慣れてきたら一人でも大丈夫です。
Q: 費用はどれくらいかかりますか?
A: 初期費用は2〜3万円程度です。
基本装備(シューズ、リュック、レインウェア)を揃えれば、あとは交通費と食事代のみ。継続費用はほとんどかかりません。
Q: どの季節から始めるのがおすすめ?
A: 春(4〜5月)か秋(9〜11月)がベストです。
気温が穏やかで、天候も安定しています。夏は暑さ対策、冬は防寒対策が必要なので、慣れてからが良いでしょう。
Q: 膝が痛いのですが大丈夫?
A: トレッキングポールを使えば、膝への負担を大幅に軽減できます。
また、下りはゆっくり、緩やかに歩くことで負担を減らせます。痛みがひどい場合は、医師に相談してから始めましょう。
まとめ
60歳からのハイキングは、正しい準備と段階的なトレーニングで誰でも楽しめます。
この記事のポイント:
1.健康寿命が延び、ストレス解消にもなる
2.基本装備(シューズ・リュック・レインウェア)は必須
3.段階的なトレーニングで体を慣らす
4.低山から始めて、徐々にステップアップ
5.安全対策を怠らない
私も最初は不安でしたが、今では人生の楽しみの一つになっています。定年後の新しい趣味として、ハイキングは本当におすすめです。
この記事を参考に、ぜひ第一歩を踏み出してください。山があなたを待っています!
著者プロフィール
田中幸二/2025年定年退職(60歳)
金属加工27年、トラック運転手12年を経て、ハイキングを始める。初心者目線での情報発信中。趣味はUKロック鑑賞、映画鑑賞、ボランティア活動。
最終更新日:2025年12月





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