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「毎日夜遅くまで残業して一生懸命仕事をしているのに、なぜか成果が出ない」「会議でたくさんのアイデアを出したのに、どれも的外れだと言われる」。もしあなたがそんな悩みを抱えているなら、あなたに足りないのは「努力」や「才能」ではありません。「解くべき問題(イシュー)を見極める力」です。
発行部数50万部を超える大ベストセラー『イシューからはじめよ』(安宅和人 著)は、マッキンゼーとヤフーで圧倒的な実績を残した著者が、知的生産性を劇的に高める「プロフェッショナルの思考法」をまとめた名著です。本記事では、この本の根幹である「イシュー(本当に解くべき課題)」の概念をわかりやすく要約します。
1. 「解く」前に「見極める」のがプロの仕事
私たちが仕事で壁にぶつかった時、真っ先にやってしまう最大のミスがあります。それは、問題を与えられた瞬間に「どうやって解くか(How)」を考え始めてしまうことです。
著者の安宅氏は、これを明確に否定します。プロフェッショナルの仕事とは、いきなり解答を出すことではなく、「そもそも、今本当に答えを出すべき問題(イシュー)は何か?」を見極めることから始まります。
世の中にある「問題のようなもの」のうち、今の段階で本当に答えを出す価値のある問題は、実はたったの1%程度しかありません。残りの99%は、いくら精巧なデータで正しい答えを出したところで、ビジネスの成果(売上や利益、顧客満足度)に全く影響を与えない「どうでもいい問題」なのです。この「1%の本当の問題=イシュー」を見極めずに、手当たり次第に問題を解き始めることは、目隠しをしてバットを振り回すようなものです。
2. 根性で何とかする「犬の道」に踏み入るな
本書の中で最も印象的で、多くのビジネスパーソンをハッとさせるのが「犬の道」という言葉です。
「量」をこなせば質に変わるという幻想
仕事の成果は「イシュー度(その問題に答えを出す必要性の高さ)」と「解の質(その問題に対する答えの明確さ)」の掛け算で決まります。多くの人は、イシュー度を無視して、ひたすら「解の質」だけを高めようとします。つまり、「どんな問題でも、がむしゃらに残業して気合いと根性で片っ端から解いていけば、いつか素晴らしい成果が出るはずだ」と信じているのです。
安宅氏は、この「労働量(根性)によって問題をねじ伏せようとする働き方」を「犬の道」と呼び、プロフェッショナルが最も避けるべき最悪の行動だと警告します。なぜなら、そもそも解く価値のない「イシュー度の低い問題」に対してどれだけ高品質な答えを出しても、ビジネス上の価値はゼロだからです。ゼロに何を掛けてもゼロのままです。
プロフェッショナルが歩むべき道は一つしかありません。まず、徹底的に時間をかけて「本当に解くべき問題(イシュー度が高い問題)」を1つに絞り込む。そして、そのたった1つの問題に対してだけ、全エネルギーを注ぎ込んで質の高い答えを出す。これこそが、労働時間を減らしながら圧倒的な成果を生み出す唯一のルートなのです。
3. 【結論】本当に価値のある「1%の問題」だけに集中せよ
「この仕事は本当にやる意味があるのか?」「いま悩んでいることは、ビジネスの成果を左右する本当のイシューなのか?」。仕事に取り掛かる前に、手を止めてこの問いを自分に投げかける習慣をつけるだけで、あなたの仕事の生産性は劇的に変わります。
「とりあえずやってみる」「気合いで全部終わらせる」という犬の道を捨て、勇気を持って「解かなくていい問題」を切り捨てること。そして、残った「1%の真のイシュー」に対してのみ、持てるすべての時間と知恵を注ぎ込むこと。
毎日忙しいのに成果が出ないと焦っている方、チームの方向性がブレていて無駄な作業が多いと感じているリーダーの方にとって、『イシューからはじめよ』は働き方の根底を覆す最強のバイブルになるはずです。真のプロフェッショナルとしての思考法を身につけたい方は、ぜひ原著を手にとって、その圧倒的な知見に触れてみてください。
