日本で生活する外国人にとって、在留カードは命の次に大切な身分証明書です。[1] もし、この重要なカードをなくしてしまったら…?想像するだけで不安になりますよね。しかし、ご安心ください。在留カードを紛失、盗難、または災害などで失ってしまった場合でも、定められた手続きをきちんと踏めば、確実に再発行してもらうことができます。本記事では、在留カードを紛失した際に「まず何をすべきか」から、再交付申請の具体的なステップ、必要書類、そして万が一のトラブル対処法まで、網羅的かつ分かりやすく解説します。この記事を読めば、あなたは落ち着いて、そしてスムーズに手続きを進められるはずです。さあ、不安を解消し、安心を取り戻すための第一歩を踏み出しましょう!
在留カードを紛失!まず何をすべき?緊急時の初期対応ステップ
「在留カードがない!」と気づいた瞬間、パニックになってしまうかもしれません。しかし、そんな時こそ冷静な対応が求められます。迅速な初期行動が、後の手続きを円滑に進め、さらなるトラブルを防ぐための鍵となります。以下のステップに従って、落ち着いて行動しましょう。
ステップ1:警察(または消防署・役所)への届出:これが最優先!
在留カードを紛失したことに気づいたら、直ちに最寄りの警察署または交番に紛失または盗難の届出を行ってください。[1] これが最も重要で、最初に行うべきアクションです。
- 国内での紛失・盗難の場合:警察署・交番で手続きを行うと、「遺失届出証明書」または「盗難届出証明書」が発行されます。[1] この証明書は、後で入国管理局(入管)に在留カードの再交付を申請する際に必須の書類となります。[2] また、万が一、紛失したカードが悪用された場合に備え、あなたが適切な対応をとったことの公的な証明にもなります。[4] 在留カードにはあなたの重要な個人情報が記載されているため、[1] 速やかな届出[5]は、あなた自身のリスクを軽減するためにも非常に大切です。
- 災害による紛失の場合:火事や地震などの自然災害で在留カードを失った場合は、警察ではなく、お住まいの市役所・区役所等の地方公共団体または消防署に届け出てください。[3] 「り災証明書」が発行され、これが災害による紛失を証明する公的書類となります。[3]
ステップ2:海外で紛失した場合の対応:現地の警察へ
もし海外旅行中などに在留カードを紛失してしまった場合は、カードを紛失した国の現地警察当局に速やかに届け出てください。[4] 現地の警察が発行する紛失証明書や盗難証明書等を入手し、大切に保管しましょう。[3] この証明書は、日本に帰国後、再交付申請を行う際に必要となります(日本語の翻訳が必要になる場合があります[4])。
日本への再入国については、有効な再入国許可(みなし再入国許可を含む)があれば、通常、パスポートと現地の警察が発行した紛失・盗難証明書を提示することで、在留カードがなくても再入国が可能です。[4] しかし、より確実な再入国のためには、日本にいるご家族や知人、勤務先の方などに代理で、日本の入管から「再入国許可期限証明書」を発行してもらい、それを送ってもらう方法があります。[3] この日本の公的書類があれば、空港での手続きがよりスムーズに進むでしょう。[3]
ステップ3:再交付申請の期限を意識する!「14日以内」が鉄則
在留カードを紛失した事実を知った日(海外で紛失した場合は、その後日本に最初に入国した日)から14日以内に、あなたの住んでいる地域を管轄する入国管理局に再交付の申請をしなければなりません。[1] この期限は法律で定められており、厳守する必要があります。もし、この期限内に申請を怠ると、罰金や懲役刑が科される可能性もありますので、[9] 十分に注意してください。万が一、14日を過ぎてしまった場合は、申請時に遅延した理由を説明する理由書の提出が求められます。[11]
ステップ4:パスポートを常に携帯する:一時的な身分証明
在留カードを紛失し、新しいカードが再交付されるまでの間は、常にパスポートを携帯してください。[4] 日本に在留する外国人は、通常、在留カードの携帯が義務付けられていますが、[1] 在留カードがない場合、パスポートがあなたの身分と適法な在留資格を証明する主要な書類となります。もし警察官などから提示を求められた場合は、パスポートを提示し、在留カードを紛失して再交付申請中であることを正直に説明しましょう。[4] これにより、在留カード不携帯による罰則のリスクを軽減できます。
これらの初期対応を迅速かつ正確に行うことが、その後の手続きをスムーズに進めるための第一歩です。次の章では、再交付申請に必要な書類について詳しく見ていきましょう。
在留カード再交付申請の準備:これだけ揃えれば大丈夫!必要書類リスト
在留カードの再交付を申請するには、いくつかの書類を正確に準備する必要があります。事前のしっかりとした準備が、手続きを迅速かつスムーズに進める上で不可欠です。ここでは、必ず必要な書類と、状況に応じて必要となる書類を分かりやすく解説します。
必ず必要な基本書類
- 在留カード再交付申請書:
- 入手方法:出入国在留管理庁のウェブサイトからダウンロードできます。[11] もちろん、地方出入国在留管理局の窓口でも入手可能です。事前にダウンロードして記入しておくと、当日の手続きがスムーズです。[13]
- 書式・記入:日本産業規格A列4番の用紙に印刷して使用します。[11] 氏名、国籍、生年月日、住居地、在留カード番号(分かれば)、紛失の理由、紛失した事実を知った日などを正確に記入しましょう。[15]
- 紛失等を証明する資料:
- 警察署発行の「遺失届出証明書」または「盗難届出証明書」の原本。[2]
- または、市町村役場・消防署発行の「り災証明書」。[3]
- これらの証明書を提出できない場合は、その理由及び紛失した状況を詳細に記した理由書(または陳述書)が必要です。[4] 証明書を提出できない正当な理由を記さないと、再発行が認められない可能性もあるため注意が必要です。[4] 出入国在留管理庁は、紛失・盗難の場合の「陳述書」の様式を提供しており、そこには警察への届出受理番号の記載が求められます。[11]
- 写真(1葉):[3]
- 規格:縦40mm × 横30mm。[3] 申請日より3ヶ月以内に撮影されたもの。[4] 鮮明で、背景が無地(影は不可)、本人のみが写っており、正面向きで帽子を着用していないこと。[4] 顔の寸法も規定を満たしている必要があります。[4]
- 免除:申請者が16歳未満の場合は写真は不要です。[2]
- 重要性:規格に合わない不適切な写真で申請すると、写真の撮り直しを指示され、申請が遅れる原因となります。[11] 事前にしっかりと確認しましょう。
- 旅券(パスポート)または在留資格証明書:
- 申請時に提示が必要です。[2]
- もし提示できない場合(自宅に忘れた等の理由を除く)は、その理由を記した理由書の提出が必要です。[2] 出入国在留管理庁は「旅券を提示することができない理由書」の様式を提供しています。[11]
場合によって必要な書類
- 資格外活動許可書:もし、あなたが資格外活動の許可を受けている場合は、その許可書の提示が必要です。[8]
- 代理申請に関する書類:本人以外の方が申請する場合は、委任状などが必要になります。詳細は第4章で解説します。
- 在留カード漢字氏名表記申出書:新しい在留カードに漢字氏名の併記を希望する場合(まだ併記されていない場合)は、「在留カード漢字氏名表記申出書」を提出することができます。[2] この申出書も出入国在留管理庁のウェブサイトからダウンロード可能です。[11] パスポートに漢字氏名の記載がない場合など、既に記録がない場合は、漢字氏名に関する公的資料(本国の家族関係証明書など)の提出を求められることがあります。[17]
【チェックリスト】在留カード再交付申請 必要書類一覧
申請漏れを防ぐために、以下のチェックリストをご活用ください。
書類名 | 説明・主要事項 | 入手場所・備考 | 必須/条件付き |
---|---|---|---|
在留カード再交付申請書 | A4サイズ、全項目を正確に記入 | 入管ウェブサイト、入管窓口 | 必須 |
写真 | 1葉、縦40mm×横30mm、規格厳守。16歳未満は不要。 | 写真店、証明写真機等 | 必須 |
紛失等を証明する資料 | 遺失届出証明書(警察)、り災証明書(役所等)。不可時は理由書。海外紛失は現地警察証明書(要翻訳の場合あり)。 | 警察署、市町村役場等 | 必須 |
旅券(パスポート) | 有効なもの。提示不可時は理由書。 | — | 必須 |
在留資格証明書 | 旅券を提示できない場合に代わりに提示。 | — | 条件付き |
資格外活動許可書 | 交付を受けている場合のみ提示。 | — | 条件付き |
在留カード漢字氏名表記申出書 | 漢字氏名の併記を希望する場合。 | 入管ウェブサイト | 任意 |
漢字氏名に関する公的資料 | 漢字氏名表記申出時、旅券に漢字記載がない場合等。 | 本国の公的機関等 | 条件付き |
代理申請に関する書類 | 委任状、代理人の身分証明書等。詳細は第4参照。 | 各書類による | 条件付き |
書類の準備は、再交付手続きをスムーズに進めるための最も重要なステップの一つです。不備がないように、何度も確認しましょう。次の章では、実際の申請場所と窓口での手続きについて解説します。
いざ入管へ!再交付申請の手続きステップと窓口情報
必要書類が全て揃ったら、いよいよ出入国在留管理庁(入管)で再交付の申請手続きを行います。ここでは、どこの入管に行けばよいのか、窓口の開庁時間、そして申請書類を提出する際の注意点などを解説します。事前の情報収集が、当日のスムーズな手続きに繋がります。
申請はどこで行う?住居地を管轄する入管を確認!
在留カードの再交付申請は、あなたの住居地を管轄する地方出入国在留管理局またはその支局・出張所で行う必要があります。[1] 例えば、千葉県千葉市にお住まいの場合、東京出入国在留管理局千葉出張所が申請窓口となります。[18] 管轄外の入管に申請しても受理されず、時間と労力が無駄になってしまうため、事前に必ずご自身の管轄入管を確認しましょう。管轄は、出入国在留管理庁のウェブサイトで確認できます。
窓口の開庁時間と混雑状況:時間に余裕を持って
入管の窓口は、一般的に平日の午前9時から12時、そして午後の1時から4時まで開庁しています。[2] ただし、官署や手続きの種類によって時間が異なる場合があるため、訪問前に管轄入管のウェブサイトで最新の情報を確認するか、電話で問い合わせることをお勧めします。[2]
特に注意したいのが、窓口の混雑です。例年3月から4月にかけての年度替わりの時期(入学・入社シーズンなど)は、窓口が大変混み合います。[12] それ以外の時期でも、午前中の早い時間帯や、逆に受付終了間際は混雑することがあります。申請には時間に余裕をもって訪問し、長時間待つ可能性も考慮しておきましょう。
申請書類の提出と窓口での対応
管轄入管の指定された窓口で、準備した全ての書類を提出します。提出後、入国審査官から申請内容について質問されることもありますので、その際は正直かつ丁寧に対応しましょう。書類に不備がなければ、申請は受理されます。
在留カードの再交付申請は、原則として申請者本人(または正当な代理人)が入管の窓口に出頭して行う必要があります。これは、身元確認と提出書類の直接的な確認を確実に行うためです。在留カードはあなたの身分を証明する非常に重要な公文書ですので、[1] その再交付手続きも厳格に行われます。申請書は事前にウェブサイトからダウンロードできますが、[11] 警察への届出、[3] そして入管への出頭[1]という一連の流れは、対面での手続きが基本であることを示しています。この制度は、事前の書類準備はご自身で行えるものの、申請や本人確認といった重要な段階では、入管職員との直接的なやり取りを重視していると言えるでしょう。
次の章では、本人が入管に行けない場合に、誰が代わりに申請できるのか、代理申請について詳しく解説します。
本人が行けない場合の救済措置:代理申請の条件と方法
在留カードの再交付申請は、原則として本人が入管の窓口に出向いて行う必要があります。しかし、病気や年齢などのやむを得ない事情で、どうしても本人が行けない場合も考えられます。そのような場合に備え、一定の条件下で代理人による申請が認められています。ここでは、誰が代理人になれるのか、そしてその際に必要な追加書類について解説します。
代理申請が認められるのはどんな時?
代理申請が可能な主なケースは以下の通りです。
- 申請者が16歳未満の場合:同居している16歳以上の親族(両親など)が代理で申請できます。[2]
- 申請者が病気その他のやむを得ない事由により自ら出頭できない場合:同居している親族が代理で申請できます。[2] ただし、「仕事が忙しい」「学校がある」といった理由は、原則として「その他の事由により自ら出頭することができない場合」には該当しないとされていますので注意が必要です。[11]
- 本人の依頼による場合(同居の親族):成人の申請者が、同居している16歳以上の親族に依頼して代理申請を委任することも可能です。[7]
- 法定代理人:親権者や後見人などが該当します。[16]
- 承認された代理・取次者:
- 地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士または行政書士。[2] これらの専門家に依頼する場合、別途費用が発生することがあります。[7]
- 申請人が経営している機関または雇用されている機関の職員で、地方出入国在留管理局長から申請取次の承認を受けており、申請人から依頼を受けた者。[2]
この代理申請制度は、誰でも気軽に利用できる便宜のためではなく、未成年者や病気といった真にやむを得ない場合、または公的に認められた専門家による支援を想定して設計されています。基本はあくまで本人申請であり、個人の身分事項に関する手続きの重要性を強調しています。「多忙」を理由とした代理申請が原則認められない点[11]も、その表れと言えるでしょう。この構造化されたアプローチにより、必要な支援は提供しつつも、手続きの厳格性と管理体制を維持しています。
代理申請に必要な追加書類:これがないと代理できない!
上記の代理申請が可能なケースに該当し、代理人が申請を行う場合には、通常の必要書類に加えて以下の書類が必要となります。
- 委任状:申請者本人(または法定代理人)の依頼に基づいて代理人が申請する場合(例:成人の申請者のために親族が申請、弁護士・行政書士が申請)に必要です。[2] 委任状の様式は、出入国在留管理庁のウェブサイトで入手できる場合があります。[8]
- 申請人との関係を証明する資料:親族が代理申請する場合、住民票の写しなど、申請者本人との関係を証明できる書類が必要です。[2]
- 診断書:申請者本人の病気を理由に代理申請する場合には、医師が発行した診断書が必要です。[2]
- 代理人の身分証明書:代理人自身も、有効な顔写真付きの身分証明書(運転免許証、パスポート、在留カードなど)を窓口で提示する必要があります。[8]
【早見表】代理申請の主な要件と必要書類
代理申請を検討している方は、以下の表でご自身のケースに該当するか、必要な書類は何かを確認しましょう。
代理申請の理由 | 代理可能な者 | 主要な追加必要書類 |
---|---|---|
申請者が16歳未満 | 同居の16歳以上の親族 | 申請者との関係証明(住民票等)、代理人の身分証明書 |
申請者が疾病等で出頭不可 | 同居の親族 | 診断書、申請者との関係証明(住民票等)、代理人の身分証明書 |
本人の依頼(親族) | 同居の16歳以上の親族 | 委任状、申請者との関係証明(住民票等)、代理人の身分証明書 |
本人の依頼(弁護士・行政書士等) | 届出済弁護士・行政書士、承認済所属機関職員等 | 委任状、代理人の身分証明書(資格者証等) |
法定代理人 | 親権者、後見人等 | 法定代理関係証明、代理人の身分証明書 |
代理申請は便利な制度ですが、条件や必要書類が細かく定められています。事前にしっかりと確認し、不備のないように準備しましょう。次の章では、申請後の手数料や新しい在留カードの受け取りについて解説します。
申請後の流れ:手数料、処理時間、新しい在留カードの受け取り方
無事に在留カードの再交付申請が受理された後、気になるのは手数料や新しいカードがいつ受け取れるのか、といった点でしょう。ここでは、申請後の流れと費用について詳しく解説します。
手数料はかかるの?原則無料だが例外も
在留カードを紛失、盗難、滅失(災害などによる消失)、著しい汚損・毀損、あるいはICチップの記録が壊れてしまったことを理由として再交付を申請する場合、手数料はかかりません。[1] これらのケースでは、申請時に収入印紙を用意する必要はありません。
ただし、上記以外の理由、例えば「写真が古くなったので新しいものに変えたい」といった自己都合による「交換希望」で在留カードの再交付を申請する場合には、1,600円の手数料が必要となり、収入印紙で納付します。[17 (末尾部分), 2] 出入国在留管理庁のウェブサイトの「交換希望による在留カードの再交付申請」のページ[17]にも、この手数料についての記載があります。
本記事のテーマである「紛失」による再交付の場合は無料ですので、この区別を理解しておけば、無用な心配や支払いを避けることができます。
新しい在留カードはいつもらえる?処理時間について
提出した書類に不備がなく、申請内容にも特に問題がなければ、多くの場合、申請したその日のうちに新しい在留カードが交付されます。[1] これは、在留カードが日常生活に不可欠なものであるため、迅速な対応がなされていると言えるでしょう。
ただし、以下のような場合は、処理に時間がかかり、即日交付されないこともあります。
- 窓口が非常に混雑している場合。
- 申請内容が複雑で、確認に時間を要する事案である場合。
- 提出した書類に不備や不明な点があり、追加の確認が必要な場合。
もし即日交付されなかったら?その後の手続き
万が一、在留カードが即日交付されなかった場合は、入管の窓口で「申請受付票」という書類が交付されます。[1] この受付票には、申請が受理されたことや、今後の手続きについての案内が記載されています。
後日、新しい在留カードの準備ができたら、入管から連絡があるか、あるいは指定された日に改めて受け取りに行くよう指示されます。再度入管を訪問して新しい在留カードを受け取る際には、以下のものが必要となりますので、忘れずに持参しましょう。
- 申請受付票[1]
- 旅券(パスポート)または在留資格証明書[1]
- その他、入管から特に指示された身分証明書など[11]
出入国在留管理庁は、即時再交付が難しい場合に備えて、このような標準化された後日交付のプロセスを設けています。申請受付票は、あなたの申請が正式に係属中であることの証明となり、後日カードを受け取るための明確な指示も得られるため、即日交付されなくても安心して待つことができます。
次の章では、在留カードに関する法的な義務と、それを怠った場合の罰則について解説します。
守らないと大変!在留カードに関する法的義務と罰則
日本に在留する外国人にとって、在留カードに関する法的な義務をきちんと守ることは非常に重要です。これらの義務を怠ると、思わぬ罰則が科されたり、将来の在留資格に影響が出たりする可能性があります。ここでは、特に注意すべき法的義務と、それに違反した場合の罰則について解説します。
14日以内の再交付申請義務違反:厳しい罰則も
本記事の冒頭(第1章1.4節)でも触れましたが、在留カードを紛失した事実を知った日(または海外で紛失した場合は再入国日)から14日以内に再交付申請を行わないことは、出入国管理及び難民認定法違反となります。[1] これは非常に重要な義務です。
もし、この14日以内の申請義務を怠った場合、1年以下の懲役または20万円以下の罰金に処せられる可能性があります。[9] また、単に罰則を受けるだけでなく、将来の在留資格の更新申請や変更申請の際に、コンプライアンス意識が低いと判断され、不利な影響を及ぼす可能性も指摘されています。[5] 「少しくらい遅れても大丈夫だろう」という安易な考えは禁物です。
在留カードの携帯義務違反(または紛失時のパスポート不携帯)
16歳以上の外国人は、日本に滞在している間、常に在留カードを携帯する義務があります。[1] これは、あなたの身分と適法な在留資格をいつでも証明できるようにするためです。
もし、正当な理由(例えば、本記事で解説しているように、在留カードを紛失して再交付申請中で、代わりにパスポートを携帯している場合など)なく在留カードを携帯していなかった場合、20万円以下の罰金に処せられることがあります。[9]
さらに、入国審査官、入国警備官、警察官などから在留カードの提示を求められた際に、正当な理由なく提示を拒否した場合は、1年以下の懲役または20万円以下の罰金に処せられることがあります。[9]
これらの罰則規定は、日本政府が外国人居住者に対して、有効な身分証明書類を常に保持し、求めに応じて提示できるようにすることをいかに重視しているかを示しています。これは、日本の厳格な出入国管理体制を反映したものです。在留カードは、あなたの日本における合法的な滞在と身元を証明する最も重要な手段の一つです。[1] 法律は、その携帯[2]と、紛失した場合の速やかな再交付申請[1]を義務付けています。これらの義務を軽視せず、誠実に対応することが、日本で安心して生活するための基本です。
次の章では、もし再交付後に古い在留カードが見つかった場合の正しい対処法について解説します。
再交付後に古いカードを発見!どうすればいい?正しい対処法
新しい在留カードの交付を受けた後、あるいは再交付申請の手続きを進めている最中に、以前紛失したと思っていた古い在留カードがひょっこり見つかる、というケースも稀にあります。そんな時、「ラッキー!2枚持っていれば便利かも?」などと考えてはいけません。古いカードの取り扱いには注意が必要です。
見つけたら、すぐに正直に入管へ報告!
新しい在留カードが申請された後、または既に交付された後に、以前紛失した古い在留カードを発見した場合は、直ちに出入国在留管理庁にその事実を報告し、指示を仰いでください。[8] 自己判断で古いカードを使い続けたり、保管し続けたりしてはいけません。
なぜなら、あなたが紛失の届出をし、再交付の手続きが進められると、古い在留カードは公式に無効になっている可能性が高いからです。出入国在留管理庁は、無効になった在留カードの番号をデータベースで管理しており(「在留カード等番号失効情報照会」[22])、その情報は関係機関で共有されています。
発見した古いカードは絶対に使用しないこと!
見つかった古い在留カードは、絶対に使用しないでください。 無効な在留カードを使用することは、不法滞在や身分詐称を疑われるなど、非常に重大な問題を引き起こす可能性があります。たとえ悪意がなかったとしても、法律違反と見なされるリスクがあります。
通常、発見した古いカードは、出入国在留管理庁に返納するよう求められます。マイナンバーカードに関する規定でも、廃止手続き後に発見されたカードは使用できず、返納しなければならないとされており、[23] 在留カードについても同様の原則が適用されると考えられます。
古いカードの発見を正直に報告し、指示に従って適切に処理することで、あなたは引き続き法令を遵守していることを示すことができます。これは、あなたの日本における信頼性を維持するために非常に重要です。2枚の在留カードが同一人物に対して流通している状態は、不正利用や混乱のリスクを生み出すため、当局はこれを厳しく管理しています。発見した古いカードを入管に報告することで、[8] 当局はそのカードを公式に把握し、無効性を確認した上で、適切な処分(返納など)を指示することができます。これにより、あなたに関連付けられた有効な在留カードが1枚のみであることが保証され、システムの整合性が保たれます。
次の章では、本報告書のまとめとして、再交付手続きのクイックリファレンスと、さらにサポートが必要な場合の連絡先情報を提供します。
困った時の再確認!クイックリファレンスガイドと相談窓口
在留カードの再交付手続きは、普段あまり経験することのない手続きですので、いざという時に「あれ、どうすればいいんだっけ?」と迷うこともあるかもしれません。この章では、手続きの要点を再確認できるチェックリストと、さらに詳しい情報やサポートが必要な場合の主要な連絡先・情報源をまとめました。困った時の「お守り」として、ぜひご活用ください。
もう一度確認!必要書類チェックリスト
第2章で詳しく解説した「在留カード再交付申請 必要書類チェックリスト」(表1)を再度掲載します。申請に向かう前に、全ての書類が揃っているか、もう一度しっかりと確認しましょう。
書類名 | 説明・主要事項 | 入手場所・備考 | 必須/条件付き |
---|---|---|---|
在留カード再交付申請書 | A4サイズ、全項目を正確に記入 | 入管ウェブサイト、入管窓口 | 必須 |
写真 | 1葉、縦40mm×横30mm、規格厳守。16歳未満は不要。 | 写真店、証明写真機等 | 必須 |
紛失等を証明する資料 | 遺失届出証明書(警察)、り災証明書(役所等)。不可時は理由書。海外紛失は現地警察証明書(要翻訳の場合あり)。 | 警察署、市町村役場等 | 必須 |
旅券(パスポート) | 有効なもの。提示不可時は理由書。 | — | 必須 |
在留資格証明書 | 旅券を提示できない場合に代わりに提示。 | — | 条件付き |
資格外活動許可書 | 交付を受けている場合のみ提示。 | — | 条件付き |
在留カード漢字氏名表記申出書 | 漢字氏名の併記を希望する場合。 | 入管ウェブサイト | 任意 |
漢字氏名に関する公的資料 | 漢字氏名表記申出時、旅券に漢字記載がない場合等。 | 本国の公的機関等 | 条件付き |
代理申請に関する書類 | 委任状、代理人の身分証明書等。詳細は第4参照。 | 各書類による | 条件付き |
頼りになる!主要な連絡先と情報源
手続きに関して不明な点がある場合や、個別の状況で特別な対応が必要な場合は、以下の情報源や窓口を活用しましょう。
- 出入国在留管理庁インフォメーションセンター:
- 一般的な問い合わせに対応。多言語対応もしています。
- 電話番号:0570-013904 (IP電話・海外からは 03-5796-7112)[11]
- 東京出入国在留管理局の場合:0570-034259 または 03-5796-7234 [18]
- 出入国在留管理庁ウェブサイト:
- 申請書の様式ダウンロード(再交付申請書[11]、委任状[11]、漢字氏名表記申出書[11]など)や、最新の公式情報を確認できます。
- URL例: www.moj.go.jp/isa/ (「出入国在留管理庁」で検索)
- 地方出入国在留管理局・支局・出張所:
- 実際に申請手続きを行う窓口です。ご自身の住居地を管轄する官署を確認しましょう(出入国在留管理庁のウェブサイトで検索可能です)。
- 例:東京出入国在留管理局千葉出張所(千葉市中央区問屋町1-35 千葉ポートスクエア内 千葉ポートサイドタワー3階、電話:043-242-6597 ※2024年9月24日移転後の情報[18])
- 在留カード等番号失効情報照会システム:
- お手持ちの在留カード番号が有効かどうか(失効していないか)をオンラインで確認できます。[22] 紛失したカードが悪用されていないか気になる場合や、新しいカードを受け取った後に念のため確認する際に利用できます。
- 出入国在留管理庁のウェブサイト内(ページ下部など)に照会システムへのリンクがあります。
- 行政書士などの専門家:
- 個別の事情が複雑な場合や、ご自身での手続きに不安がある場合は、出入国管理業務を専門とする行政書士に相談することも有効な手段です。[7] 専門家ならではの的確なアドバイスやサポートが受けられます。
注:上記のURLや電話番号は変更される可能性があるため、常に最新の情報を出入国在留管理庁の公式ウェブサイトで確認してください。
これらの情報を活用し、落ち着いて手続きを進めてください。次の最終章で、本報告書のまとめをお伝えします。
まとめ:在留カード紛失も慌てずに!確実な手続きで安心な日本生活を
在留カードを紛失してしまった場合、それは確かに一大事ですが、本報告書で解説してきたように、速やかに行動し、定められた手続きを正確に踏むことが何よりも重要です。パニックにならず、一つ一つのステップを確実にこなしていけば、必ず新しい在留カードを手にすることができます。
改めて、重要なポイントを振り返りましょう。
- 紛失に気づいたら、直ちに警察(または消防署・役所)へ届出を行い、紛失を証明する書類(遺失届出証明書など)を入手する。
- 紛失の事実を知った日(海外で紛失した場合は再入国日)から14日以内に、住居地を管轄する入国管理局に再交付を申請する。この期限の遵守は絶対です。
- 申請に必要な書類(申請書、写真、紛失証明資料、パスポートなど)を不備なく準備する。
- 再交付申請の手数料は、紛失・盗難などの場合は原則無料である。
- 代理申請が可能なケースもあるが、条件や追加書類を事前にしっかり確認する。
- 再交付を待つ間は、パスポートを常に携帯する。
- もし再交付後に古いカードが見つかった場合は、絶対に使用せず、速やかに入管に報告し指示を仰ぐ。
この手続きは、一見すると煩雑に感じられるかもしれません。しかし、事前にしっかりと情報を集め、本報告書で提供したようなステップやチェックリストを活用することで、よりスムーズに、そして安心して進めることが可能です。
そして何よりも、もし手続きで分からないことや困ったことがあれば、決して一人で抱え込まず、出入国在留管理庁のインフォメーションセンターや、必要に応じて行政書士などの専門家に相談することを躊躇しないでください。彼らはあなたの状況を理解し、的確なアドバイスを与えてくれるはずです。
在留カードは、日本で生活する外国人にとって、まさに生命線とも言える大切なものです。その管理には万全を期し、万が一の事態にも冷静かつ迅速に対応できるよう、本報告書がその一助となれば幸いです。あなたの日本での生活が、これからも安全で快適なものであることを心から願っています。
引用文献
本記事の作成にあたり、以下の情報を参考にしました。
- 在留カードを紛失したらどうなる?再交付手続きについて解説 – スキルドワーカー (2025年5月15日閲覧)
- 在留カードを紛失した場合の再交付申請期限とは? – GH株式会社 (2025年5月15日閲覧)
- 在留カードを紛失したらどうする? 企業がサポートできること – Guidable Jobs (2025年5月15日閲覧)
- 悪用される前に!在留カード紛失時の再発行手続きの方法をご紹介 – ビザマネ (2025年5月15日閲覧)
- 在留カードを紛失したらどうする?再交付手続きの方法をチェック – 株式会社ジーオ (2025年5月15日閲覧)
- 在留カードを紛失してしまった場合~在留カード再交付申請について – オフィスJANG (2025年5月15日閲覧)
- 日本国外で在留カードを紛失した場合の対応方法と再交付手続き – 行政書士オフィスK&M (2025年5月15日閲覧)
- Answer (Q1~Q79) | 出入国在留管理庁 (2025年5月15日閲覧)
- 紛失等による在留カードの再交付申請 | 出入国在留管理庁 (2025年5月15日閲覧)
- 【解説】在留カードを紛失した際の再交付手続き – グローバル採用サポネット (2025年5月15日閲覧)
- 在留カード紛失時の対処法:再発行手続きのステップと必要書類 | 特定技能STEP JOB (2025年5月15日閲覧)
- 交換希望による在留カードの再交付申請 | 出入国在留管理庁 (2025年5月15日閲覧)
- 在留手続き – 千葉市 (2025年5月15日閲覧)
- 在留カードの偽造が増えている⁉その見極め方と発見したときの対処法を解説 | Divership (2025年5月15日閲覧)
- マイナンバーカードを紛失したり盗難にあった場合 – 那須烏山市 (2025年5月15日閲覧)
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